あなたは、
「
「高卒認定を取らせるにはどうしたら良いだろう?」
「
といった悩み、疑問をお持ちではありませんか?
お子さんが非行に走っていて、高校を卒業できなくなった(もしくは進学していない)場合は、将来がとても心配になりますよね。
結論から言えば、
ただし、独学では難しい場合もありますので、場合によっては、プロのサポートを受けることをおすすめします。
そこでこの記事では、非行のお子さんでも高卒認定を取得できる理由についてまず説明し、それから非行のお子さんが高卒認定を取る具体的なメリット、デメリットを説明します。
さらに、高卒認定の具体的な取り方と、独学以外の選択肢について紹介します。
興味のあるところから読んで、ぜひこれからの行動の参考にしてください。
- この記事の目次
-
- 1章:非行でも高卒認定に合格できる
- 1-1:そもそも高卒認定試験とは
- 1-2:高卒認定試験の科目・合格率
- 1-3:高校卒業との違い
- 1-4:非行のお子さんが高卒認定を取る場合の注意点
- 2章:非行のお子さんが高卒認定を取るメリット・デメリット
- 2-1:メリット
- 2-1-1:学校に行かずに進学できるようになる
- 2-1-2:短期間でも取得できる
- 2-1-3:安い費用で取得できる
- 2-2:デメリット
- 2-2-1:学力次第では取得に時間がかかる
- 2-2-2:進学しなければ合格するメリットは小さい
- 2-2-3:最低限の学力がなければ独学は難しい
- 3章:非行で高卒認定に合格する方法
- 3-1:中学・高校の基礎的な内容の学習
- 3-2:過去問を解く
- 3-3:受けられる科目から順番に受ける
- 4章:非行で高卒認定を取るならフリースクールがおすすめ
- 4-1:フリースクールとは
- 4-2:フリースクールなら高卒認定合格のためのサポートもあり
- 5章:非行のお子さんには通信高校という選択肢もある
- まとめ
1章:非行でも高卒認定に合格できる
それではまずは、非行でも高卒認定に合格できる理由から説明します。
具体的なメリット、デメリットから知りたい場合は、2章からお読みください。
1-1:そもそも高卒認定試験とは
そもそも、高卒認定試験(高等学校卒業程度認定試験)とは、大学入学資格を持たない方が受験できる資格試験のことです。
受験日の年度のうちに満16歳以上になる人が、受験することができます(高校在籍中でも受験可能です)。
文部科学省の制度であり、昔は「大検」と呼ばれていました。
高卒認定試験を取得することで、
本来、高校を卒業していなければ、大学・短大・専門学校などを受験することはできませんが、高卒認定試験を取得することで、その受験資格が得られるのです。
つまり、
- 高卒認定試験に全科目合格する
- 大学・短大・専門学校の入学試験を受験し、合格する
ということで、高校を卒業していなくても、進学が可能になるということなのです。
また、実は進学だけでなく
例えば、以下のものです。
- 国家公務員採用一般職(高卒者試験)
- 海上保安学校学生採用試験
- 保育士試験
- 食品衛生管理者
- 電気工事施工管理技術検定試験(1級、2級)
その他多数
※ただし、資格によっては実習、実務経験などが必要な場合もありますので、詳しくは文部科学省のページで調べてみてください。
高卒認定が受験資格となる国家試験の一覧はこちら
このように、進学や資格試験の受験資格が得られるため、非行のお子さんで中卒や高校中退であっても、将来の選択肢を増やすことが可能になるのです。
1-2:高卒認定試験の科目・合格率
高卒認定試験では、下記の8科目~10科目のすべてに合格する必要があります。
- 国語
- 数学
- 英語
- 世界史:世界史AもしくはBのいずれか1科目
- 地理歴史:日本史A、B、地理A、Bのどれか1科目
- 公民:現代社会もしくは倫理・政治経済のいずれか
- 理科:科学と人間生活1科目と物理、化学、生物、地学のうち1科目。もしくは、物理、化学、生物、地学のうち3科目。
※2020年10月現在
「8科目も合格するのは難しそう」と思われるかもしれませんが、試験は年に2回行われ、1回で1科目だけ受験し、1科目ずつ取得していくこともできます。
また、試験は4択のマークシートです。
全科目の合格率は40%程度ですが、複数回受験を続けて合格していく方が少なくありませんので、決して難関試験ではないのです。
※高校中退の場合は、高校で取得済みの科目があれば、受験科目が免除できる場合もありますので、高校に問い合わせてみることをおすすめします。
1-3:高校卒業との違い
高卒認定試験は、様々な進学や資格試験の受験資格が得られる点で、大きなメリットがあることがお分かりになったかと思います。
ただし、注意していただきたいのが、高卒認定を取得しても、最終学歴は「高校卒業」にはならないということです。
高卒認定試験は、あくまでも「
もちろん、その後進学して卒業すれば、進学した専門学校や大学が最終学歴になりますので、高卒の学歴がないことがその後不利に働くことはありません。
1-4:非行のお子さんが高卒認定を取る場合の注意点
非行のお子さんが、高卒認定を取得する場合に注意が必要なのが、高卒認定を取得するには
非行に走っていても、もともと勉強は得意だったお子さんなら、合格は十分に可能です。
しかし、
- 勉強が不得意で、小中学校の内容も十分に身に付いていない
- 一人で勉強を続けられる性格ではない
- 高卒認定に合格するのに、長い時間をかけたくない
といった場合は、独学だけでは難しいです。
とはいえ、諦める必要はありません。
高卒認定試験の受験対策をしてくれるフリースクールを活用する選択肢もありますし、普通高校に通えなくても、マイペースに通える通信制高校に行くことで、高卒資格を取得する道もあるからです。
その他の選択肢については4章以降で紹介しますので、次は高卒認定試験の具体的なメリット、デメリットについて説明します。
2章:非行のお子さんが高卒認定を取るメリット・デメリット
それではこれから、非行のお子さんが高卒認定を取る、メリットとデメリットについて説明します。
具体的な合格の方法を知りたい場合は、3章をお読みください。
2-1:メリット
非行のお子さんが高卒認定を取るメリットは以下のものです。
- 学校に行かずに進学できるようになる
- 短期間でも取得できる
- 安い費用で取得できる
順番に説明します。
2-1-1:学校に行かずに進学できるようになる
非行のお子さんが、高卒認定を取る最大のメリットは、高校に通わずとも進学できるようになるということです。
非行に走るようなお子さんは、
- 先生や校則などに縛られるのが耐えられない、管理されたくない
- エネルギーに満ち溢れていて、発散する適切な手段をまだ知らない
- じっとしていられない
- 親子関係などに問題があり、適切な人間関係を作れない
といった特徴を抱えていることが多いです。
こういったお子さんにとって、普通の高校に通うことは大きなストレスになりますし、
そのため、このようなお子さんにとって、高校に通わなくても進学の受験資格が得られる高卒認定試験は、非常に大きなメリットがあるのです。
2-1-2:短期間でも取得できる
高卒認定試験は、1度に全科目に合格してしまうことも可能です。
普通に高校に通えば3年間、毎日勉強しなければなりませんが、高卒認定試験であれば、試験対策の勉強期間だけしか必要ありません。
そのため、1度で勉強できる学力があれば、
高卒認定試験に早く合格しても、実際に高卒認定が取得できるのは18歳になってからです。
そのため、たとえば16歳、17歳のうちに合格しておいて、それ以降はお子さんにのびのびと生活させて、好きなことを見つけてもらい、将来のことをゆっくり考えることも可能なのです。
ただし、1章でも触れたように、合格には一定の学力は必要ですので注意してください。
合格する方法について、詳しくは3章で説明します。
2-1-3:安い費用で取得できる
高卒認定試験は、下記の受験料が発生します。
- 7科目以上受験:8500円
- 4科目以上6科目以下:6500円
- 3科目以下:4500円
1万円に満たない金額で全科目受験できるため、高校に3年間通学することに比べれば、ずっと安い費用で済むのです。
高卒認定には、これらの多くのメリットがあるのですが、一方でデメリットになり得ることもありますので、これから説明します。
2-2:デメリット
非行のお子さんが、高卒認定を取得する場合に、デメリットになり得ることは以下のものです。
- 学力次第では取得に時間がかかる
- 進学しなければ合格するメリットは小さい
- 最低限の学力がなければ独学は難しい
順番に説明します。
2-2-1:学力次第では取得に時間がかかる
高卒認定試験の良いところは、1科目ずつから受験することができるという所です。
年に2回受験できますので、半年かけて1科目ずつ勉強、対策をして着実に取得していくことも可能です。
ただし、1回で1科目ずつ受験する場合、8科目合格するのに4年かかることになります。
実際には、合格が分かってから進学先の受験対策を始めるのは、遅くなってしまう場合もありますので、進学するまでに5年程度かかる可能性もあります。
学力に不安がある場合は、3章以降の解説を読んでみてください。
2-2-2:進学しなければ合格するメリットは小さい
1章でも説明したように、高卒認定試験は高卒の学歴にはなりません。
そのため、専門学校や大学への進学や国家資格の受験に、活用するなら非常に大きなメリットがあるのですが、進学や国家資格受験などに活用しない場合は、取得するメリットが少ないです。
たとえば、一般企業に就職することを考えている場合などは、高卒認定を取っても評価してもらえない可能性が大きいのです。
ただし、具体的な進学の計画はなくても、将来のために選択肢を増やしておく目的で
勉強するうちに、進学する意欲がわいてくるかもしれませんので、まずはお子さんと気軽に話し合ってみると良いと思います。
2-2-3:最低限の学力がなければ独学は難しい
繰り返しになりますが、高卒認定試験に合格するためには、高校レベルの基礎的な学力を全科目で持っていることが必要です。
具体的には、
- 中学校までの全科目の内容が、ある程度理解、暗記できている
- 高校1年レベルの全科目の内容を、理解、暗記できている
くらいの学力は必要です。
試験内容としては、応用問題やひっかけ問題など「落とすための問題」はありませんので、基礎さえあれば合格できます。
ただし、たとえば、数学や理科、英語など理解が必要な科目を、ゼロから独学することは難しいため、不安があれば、4章以降で紹介する方法を検討することをおすすめします。
「結局、どう勉強すればいいんだろう」と思われたかもしれませんので、3章では具体的な勉強方法について説明します。
3章:非行で高卒認定に合格する方法
非行のお子さんが、高卒認定に合格するための具体的な方法は、下記の通りです。
- 高校の基礎的な内容の学習
- 過去問を解く
- 受けられる科目から順番に受ける
順番に説明します。
3-1:中学・高校の基礎的な内容の学習
まずは、中学・高校の基礎的な内容の学習が必要です。
高卒認定試験の範囲は、高校の内容の1年、2年程度の内容ですので、高校の内容の基礎を教科書、参考書を使って勉強しましょう。
もし、中学の内容も不十分なのであれば、中学レベルから学びなおす必要があります。
マークシートなので、社会科や国語等、生物、地学などは、暗記で乗り切ることも可能です。
しかし、数学、理科系、英語などは、ある程度理解できていなければ、合格が難しいです。
範囲は科目によって決まっていますので、勉強を始める最初の段階で、高卒認定試験の過去問を見て範囲を把握しておくことも大事です。
過去問は、こちらの文部科学省のページ
で閲覧できますし、本屋にも売られています。
3-2:過去問を解く
基礎的な内容が、ある程度理解、暗記できたら、少しずつ過去問を解くことを並行して行っていくことが大事です。
過去問を説けば、必要とされるレベルが分かり、出題パターンも分かってきます。
高卒認定の問題は、応用問題などはなく基礎的な問題ばかりですので、特別な対策を行うよりも、広く基礎を身に付ける学習を心掛けましょう。
文部科学省のページ(高等学校卒業程度認定試験問題 過去実施問題)では、過去5年分くらいの問題が掲載されていますが、もっと解きたい場合は、本屋で購入して解くことをおすすめします。
3-3:受けられる科目から順番に受ける
勉強するうちに、試験日までにどの科目が合格できるか、何科目合格できるか分かってくると思います。
そこで、受験するときは、受けられる科目から順番に受験しましょう。
もちろん、多くの科目にチャレンジしても良いですが、複数の科目にチャレンジして、すべての勉強が浅くなってしまうよりも、
勉強を始める最初の段階から絞っても良いですし、受験手続を行う時に決めても良いです。
高卒認定の試験のレベルは高くはありませんが、基礎的な学力を持っていること、独学で勉強が続けられることが大事です。
非行のお子さんの場合は、一人では勉強に集中できなかったり、中学の時から学力に遅れがあり勉強に苦手意識を持っている場合が少なくありません。
そのため、受験に不安がある場合は、無理して独学しようとせずに、これから紹介する他の手段を検討することもおすすめします。
4章:非行で高卒認定を取るならフリースクールがおすすめ
非行のお子さんに高卒認定を確実に取ってもらうためには、高卒認定の対策を取っているフリースクールに通うこともおすすめです。
これから詳しく説明します。
4-1:フリースクールとは
「そもそもフリースクールって何?」
と思われているかもしれません。
フリースクールとは一言でいうと、
フリースクールでの過ごし方は、施設によりさまざまですが、そこで
- 自分の存在を受け止めてもらえる
- 日中の時間が過ごせる
- 学習ができる
- 人と接することができる
など、お子さんにとっての、貴重な居場所となります。
高校生の場合は、通うか、もしくは全寮制に入って生活全般からサポートし、更生を目指すこともできる施設です。
フリースクールでは、以下のような活動が行われます。
- 勉強
- 悩みの相談、カウンセリング、医療機関と連携したケア
- イベントや社会とかかわりを持つ体験授業
- ミーティング
- 共同生活(全寮制の場合)
※ただし、フリースクールによって過ごし方は異なりますので、参考程度にお考えください
非行のお子さんの場合、
フリースクールでは、
4-2:フリースクールなら高卒認定合格のためのサポートもあり
フリースクールは、学校ではないため、通っても高卒資格は得られません。
繰り返しになりますが、高卒認定試験に独学で合格するには、高校レベルの基礎的な学力と独学を続けるお子さん自身の力が必要です。
無理に独学で頑張らせようとすると、かえって反発して親子関係が悪化し、さらに非行に走っていくことになりかねません。
そのため、お子さんにはフリースクールに通ってもらい、お子さんのペースで、心の問題もケアしつつ勉強を進めることが非常にいい選択肢になるのです。
フリースクールについてもっと知りたい場合は、下記の記事もご覧ください。
【不登校・引きこもり】高校生向けフリースクールのメリットと選び方
さらに言えば、非行のお子さんには、通信制高校の方が合っている場合もありますので、簡単に紹介します。
5章:非行のお子さんには通信高校という選択肢もある
お子さんが非行の場合は、高卒認定取得のために頑張らせるよりも、通信制高校に通ってもらった方が良い場合もあります。
通信制高校とは、在宅のみもしくは各地にあるキャンパス(スクール校)に、自分のペースで通学し、高卒資格を得られる高校のことです。
3年間通学して、課題をこなしていく必要はありますが、普通高校と違って、
- 毎日通わなくても良い
- 競争的な学習環境ではなく、マイペースに学べる
- 非行や不登校など普通の学校が合わなかったお子さんが多く、仲間が作りやすい
といった特徴があります。
高卒認定試験であれば、確実に試験に合格していかなくてはなりません。
もちろんお子さんによって、高卒認定と通信制高校への通学のどちらが合っているかは異なりますが、今では多くの非行、不登校のお子さんが通信制高校に通い、毎年卒業していっているのです。
普通の学校が合わなかったお子さんでも通信制であれば続けられた、というお声もよく耳にします。
そのため、ぜひ選択肢の一つとして検討してみてください。
おすすめの通信制高校は、以下の2つです。
ぜひまずは資料請求して、どのような学び方ができるのかチェックしてみてください。
詳しくは、以下の記事でも解説しています。
【不登校・引きこもりのお子さんへ】おすすめ通信制高校3選と選び方
まとめ
高卒認定やその他の選択肢について、参考になったでしょうか?
最後に、この記事の内容を振り返ります。
- 学校に行かずに進学できるようになる
- 短期間でも取得できる
- 安い費用で取得できる
- 学力次第では取得に時間がかかる
- 進学しなければ合格するメリットは小さい
- 最低限の学力がなければ独学は難しい
- 高校の基礎的な内容の学習
- 過去問を解く
- 受けられる科目から順番に受ける
- フリースクール
- 通信制高校
この記事を参考に、ぜひできることからはじめてみてください。