

あなたは、
「
「子どもが万引きしてしまった。これからどうしたら良いか知りたい」
などの悩み、疑問をお持ちではありませんか?
万引きは、子どもが行ったこととはいえ窃盗ですから、決して見過ごしていいものではありません。
それに、万引きしてしまうお子さんは、単に罪意識がないだけという場合もありますが、
そのため、少しでも早く対策を始めて、お子さんが間違った道に進まないように、周りの大人がサポートすることが大事なのです。
そこでこの記事では、まずは子どもの万引きの傾向などについて簡単に紹介し、それからお子さんの万引きの主な原因を解説します。
そして、お子さんが万引きをしてしまった場合に、やるべきこととやるべきではないことを、詳しく説明します。
関心のあるところから読んで、これからの行動に活かしてください。
- この記事の目次
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- 1章:子どもの万引きの傾向と多い動機
- 2章:子どもが万引きをしてしまう原因
- 2-1:万引きに関する知識が少ないため
- 2-2:友人に誘われて断れない、仲間外れにされるため
- 2-3:家庭、親に対して不満を持っているため
- 2-4:学校、先生に不満を持っているため
- 3章:子どもが万引きしてしまった場合の対処法
- 3-1:万引きはしてはいけないことだとしっかり教える
- 3-2:子どもと一緒に店に謝罪に行く
- 3-3:学校の先生と話し合う
- 3-4:子どもと丁寧にコミュニケーションを取る
- 3-5:医療機関に相談する
- 3-6:専門家に相談する
- 4章:子どもが万引きしたときにやってはならないこと
- 4-1:子どもを強く責める
- 4-2:子どもだけで謝罪に行かせる
- 4-3:子どもを叱らず、万引きは悪いことだと教えない
- まとめ
1章:子どもの万引きの傾向と多い動機
それでは、まずは子どもの万引きの傾向から紹介します。
万引きの統計データから見ると、あなたのお子さんの万引きも、お子さん全体の傾向と一致するかもしれません。
それより先に、具体的な原因や対策から知りたいという場合は、2章以降をお読みください。
警視庁の「万引きに関する調査研究報告書」(令和元年10月)によると、少年全体の万引きの検挙、補導人数は、全体としては大きく減少傾向にあることが分かっています。
しかし、それに対して、小学生の数は微増しているため、
※「万引きに関する調査研究報告書」(令和元年10月)より
万引きした商品の種別で言うと、小学生のお子さんは食品、特に菓子類や玩具の万引きが多い傾向があります。
中学生以上の場合は、万引きした商品の種別は多岐にわたっています。
現場としては、特にコンビニでの万引きが多いようです。
さらに、調査によると小学生の保護者のうち、
- 5%の人が、子どもの万引き経験がある
- 75%の人が、身近で万引きを見聞きした
- 75%の人が、子どもが万引きしないか心配
という結果が出ています。
このように、
したがって、もしお子さんが万引きしてしまったからと言って、お子さんが特別に異常だと思う必要はありません。
ただし、お子さんの万引き行為の原因には、単なる知識不足から、お子さん自身の抱える心の問題まで多岐にわたります。
そのため、これから適切な対処を取っていかなければならないのです。
それでは、これから主な原因について解説していきます。
2章:子どもが万引きをしてしまう原因
お子さんが万引きをしてしまう原因としては、主に下記のものがあります。
- 万引きに関する知識が少ないため
- 友人に誘われて断れない、仲間外れにされるため
- 家庭、親に対して不満を持っているため
それぞれ詳しく解説します。
2-1:万引きに関する知識が少ないため
お子さんが万引きをしてしまう原因として、
1章でも紹介した警視庁の調査によると、万引きに罰金刑があることについて、少年の50%、小学生の86%が「知らない」と答えています。
また、「万引き事件は、全件届け出としている」といことについては、少年の68%、小学生の100%が「知らない」と答えています。
さらに、
これらから分かるように、18歳以下の少年、特に小学生は万引きに対する罪の意識が低く、万引きをすることで捕まることなども、よく知らないという実態があるのです。
さらに、万引きの動機については、小学生の90%以上が「商品がどうしても欲しかったから」と答えています。
このように、万引きについて何となく「悪いこと」とは思っていても、それが罪になる意識が弱いために、「商品がどうしても欲しい」という欲に負けて盗んでしまう、という傾向があるわけです。
お子さんが万引きしたことが分かると、保護者としては「なんて悪いことをしてしまう子どもになってしまったんだろう」と思ってしまうかもしれません。
しかし、お子さんの人格の前に、単に知識が不足しているため、という可能性もあるのだと知っておいてください。
とはいえ、これから紹介するように、それ以外の原因から万引きをしてしまう場合も多いです。
そのため、お子さんが万引きをしてしまったら、しっかりと適正な対処法を取ることが大事なのです。
2-2:友人に誘われて断れない、仲間外れにされるため
小学生、中学生、高校生のお子さんにとって、まだ社会は自分の身の回りの小さな範囲にしかない閉じたものです。
そのため、
特に気が弱く、周りの友人に合わせてしまうお子さんなどは、このような理由で万引きしてしまっている可能性があります。
また、お子さんがいじめられていて、万引きを強要されているという可能性もあります。
このような場合、万引きしたという事実だけからお子さんを責めると、お子さんからすれば、
そのため、まずはお子さんの話をよく聞いてあげるなど、3章で解説している方法を試してみてください。
2-3:家庭、親に対して不満を持っているため
家庭や親に対して不満を持っているために、万引きをしてしまったという原因もあります。
特に、「気が弱い」「神経質」「おとなしい」といった特徴を持つお子さんの場合、家の外の生活でストレスを抱えており、自宅ではリラックスする必要があります。
しかし、ご家庭がリラックスできない状況であれば、
たとえば、
- しつけが厳しすぎる
- しつけがゆるい、放任、ネグレクト
- 過干渉、溺愛
- 教育熱心すぎる
- 親の感情が不安定、理不尽に怒る
といった状況があると、お子さんはご家庭でもストレス、不満を溜めてしまうのです。
ストレス、不満でいっぱいになったお子さんは、それが限界に来たときに、問題行動に走ってしまうのです。
問題行動には、万引き以外にも、いじめ、暴力、暴言、激しい反抗、引きこもりなど様々なものがあります。
お子さんの場合、それが万引きと言う形で出たというだけです。
そのため、3章で紹介するように、専門家の力を借りることをおすすめします。
2-4:学校、先生に不満を持っているため
繰り返しになりますが、お子さんにとっては、家庭や学校などが社会のすべてになります。
そのため、その学校が合わない、学校で友人がおらず孤独を感じている、先生と合わない、といったことがあると、大きなストレスを抱えてしまいます。
そのため、学校や先生への反抗心から、万引きのような問題行動に走ってしまうこともあるのです。
学校や先生に問題がある場合は、引っ越すことで改善できるかもしれません。
しかし、引っ越すことも大変ですし、むしろ問題を抱えているのは、お子さん自身かもしれません。
また、家庭にも問題があるのかもしれません。
こういった、お子さんの問題行動の原因は、ご両親だけでは分からないことも多いです。
そのため、ご家庭でもできることから行うべきですが、これから紹介するように
3章:子どもが万引きしてしまった場合の対処法
子どもが万引きしてしまった場合、下記のことを行うことが大事です。
- 万引きは、してはいけないことだとしっかり教える
- 子どもと一緒に店に謝罪に行く
- 学校の先生と話し合う
- 子どもの話をよく聞く
- 医療機関に相談する
- 専門家に相談する
対処法を間違えると、お子さんが万引きの常習犯になったり、暴力、いじめといったさらなる問題行動に走るようになる可能性もあります。
そのため、よく理解してできることから行ってください。
お子さんに対して、やってはいけないことについては、4章で解説しています。
3-1:万引きはしてはいけないことだとしっかり教える
まず行わなければならないことは、当然ですが、万引きは「してはいけないこと」だとしっかり教えることです。
2章でも説明したように、まだ子どもであるために、万引きがどのくらい悪いことなのか、どういう罪になるのかよく分かってない可能性があるからです。
ただし、頭ごなしに否定し、しかりつけるのではなく、
「なぜ万引きしてしまったのか」
「悪いことをしてしまったことは分かっているか」
などを
万引きしたことが分かってから、できるだけ早めに話し合うことが大事です。
3-2:子どもと一緒に店に謝罪に行く
お子さんにしっかりと、万引きは悪いことだと伝えた上で、次は店に謝罪しに行かなければなりません。
これは、
4章でも解説しますが、お子さんだけで行かせてはいけません。
お店に対しては、保護者から、そしてお子さんからもしっかりと謝罪の言葉を伝えた上で、商品の費用を支払いましょう。
そうしなければ、お子さんは、
「悪いことをしてもバレなければ大丈夫なのだ」
「謝罪する必要はないのだ」
と間違った考え方を身に付けてしまうからです。
そのため、行動でもって万引きは悪いことであることを、示す必要があるのです。
3-3:学校の先生と話し合う
2章でも解説したように、万引きの原因が、学校や先生と合わないことにある可能性もあります。
そのため、
これをきっかけに、学校の先生としっかり話し合うことで、
- 学校でのお子さんの問題行動や行動の特徴、過ごし方などが分かる
- 学校側にも、しっかりと対応することを求めることができる
といった効果があります。
ただし、学校の先生は一人で多くの生徒を見ているため、先生によっては、よくお子さんのことが理解できていなかったり、お子さんのために丁寧な対応をとってもらえない可能性もあります。
そのような場合は、スクールカウンセラーに相談するか、後ほど解説する外部の専門家に相談することをおすすめします。
3-4:子どもと丁寧にコミュニケーションを取る
ここまで解説したのは、お子さんが万引きをしてしまった場合に、やるべきことです。
しかし、その場で対応をするだけでは十分ではありません。
お子さんは、何らかの心の問題を抱えており、それが原因となって問題行動をしている場合もあります。
その場合は、これからのお子さんとの関わり方に注意していかなければ、問題行動を悪化させる可能性もあるからです。
そのため、
2章でも解説したように、万引きのような問題行動を起こすお子さんは、ご両親に対して、
「自分には興味がない」
「構ってもらえない」
「自分のことは理解してくれない」
などといった、愛情不足からくる不満を持っていることが多いです。
たとえ、ご両親が愛情を注いできたつもりでも、お子さんは満たされていない場合があります。
そのため、
話を聞く時は、お子さんに対して「こうしなさい」といった指示やアドバイス、子どもの意見を親自身の解釈から否定する、などはなるべくしないようにしてください。
指示、アドバイス、解釈などは親側の考えですので、お子さんからすると「考えを押し付けられている」「話を聞いてくれない」と思ってしまうからです。
そのため、まずは信頼関係を築くために、
- できるだけ長く話す
- 相槌を打ち、しっかり聞く姿勢を見せる
- 言うことを否定しない
といったことを心掛けて、コミュニケーションを取ってみてください。
もちろん、万引きのような悪い行為まで肯定する必要はありませんが、お子さんがどう考えているのか、何を不満に思っているのか、しっかり聞く耳を持つことが大事なのです。
そうすればお子さんから、自分の気持ちを話してくれるようになっていきます。
3-5:医療機関に相談する
お子さんの万引きが、
- 悪いことをしたという意識をまったく持っていない
- 常習化している
といった状態の場合は、お子さんは何らかの特性を持っている可能性があります。
発達障害や精神疾患を持っており、一般的な教育では、十分に社会に馴染んでいけない場合もあります。
また、反社会性パーソナリティ障害という、社会的に悪いこととされることばかりを、衝動的に行ってしまう障害や、窃盗症という物を盗むことに快感を覚えてしまう障害もあります。
そのため、医療機関に頼って、適切な対処法を取っていかなければなりません。
医療機関に頼ることで、お子さんはずっと生きやすくなるのです。
気軽に相談に行かれてみることをおすすめします。
3-6:専門家に相談する
万引きの対処法として、
「万引き」は非行の始まりとも言える問題行動です。
そのため、お子さんに対して適切な対処法を取らなければ、お子さんの問題行動は、エスカレートしていくのです。
「では、どういう方法が適切な方法なんだろう?」
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4章:子どもが万引きしたときにやってはならないこと
3章では、お子さんが万引きしたときにやるべきことについて解説しましたが、お子さんが万引きしたときに「やってはいけないこと」もあります。
それは、下記のようなことです。
- 子どもを強く責める
- 子どもだけで謝罪に行かせる
- 子どもを叱らず、万引きは悪いことだと教えない
順番に解説します。
4-1:子どもを強く責める
万引きしたことは確かに悪いことですが、だからといって、お子さんに対して、
- 強く責める
- 人格を否定するような言い方で怒る
- 罵倒する、怒鳴りつける
といったことは、しないようにしてください。
こういった怒り方をすると、お子さんはご両親に対して恐怖心を抱き、弱音を吐いたり、反省の姿勢を見せたりすることが難しくなります。
したがって、お子さんを叱るときは、まずはお子さんに万引きしてしまった理由や状況を詳しく聞き、お子さんの言うことに耳を傾け、それからお子さんが納得できるように叱るようにしてください。
4-2:子どもだけで謝罪に行かせる
「万引きしたのは子どもなのだから、子どもだけで店に謝罪に行かせるべき」と考えてしまう場合もあるかもしれません。
確かに、悪いのはお子さんですが、お子さんだけで謝罪に行かせようとすれば、
- お子さんが強い心理的なストレスを抱えてしまう
- 親から「守られていない」という思いを強くしてしまう
といった可能性があります。
悪いことをしてしまったとしても、それでも守ってくれる親がいることに、お子さんは安心感を覚えます。
しかし、親がお子さんを突き放してしまうと、お子さんは親への安心感、信頼感を失い、不満を溜めて問題行動をエスカレートしてしまいがちです。
そのため、お店には親も一緒に謝罪に行って、一緒に謝罪をしてみせることで、お子さんには安心感を、店には誠実さを伝えることをおすすめします。
4-3:子どもを叱らず、万引きは悪いことだと教えない
万引きをしたことについて、お子さんを叱らず、万引きは悪いことだと教えないのも、やってはいけないことです。
万引きは悪いことだと、大人がしっかりとお子さんに伝えなければ、お子さんは「このくらいなら許されるんだ」「怒られないなら、またやろう」と間違った考え方、価値観を持ってしまいます。
このような歪んだ考え方、価値観を持ってしまうと、万引きだけでなく、暴言、暴力、いじめといったその他の問題行動にもつながってしまいます。
3章でもお伝えしたように、万引きは非行のはじまりとも言えます。
そのため、
もし、親子関係に問題があってこのような適切なコミュニケーションが取れないという場合は、専門家に頼ることをおすすめします。
まとめ
いかがだったでしょうか。
最後に、今回の内容をまとめます。
- 万引きに関する知識が少ないため
- 友人に誘われて断れない、仲間外れにされるため
- 家庭、親に対して不満を持っているため
- 学校、先生に不満を持っているため
- 万引きはしてはいけないことだとしっかり教える
- 子どもと一緒に店に謝罪に行く
- 学校の先生と話し合う
- 子どもの話をよく聞く
- 専門家に相談する
- 子どもを強く責める
- 子どもだけで謝罪に行かせる
- 子どもを叱らず、万引きは悪いことだと教えない
この記事を参考に、できることからはじめてみてください。
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