あなたは
「子供が不登校になってしまった」
「不登校になる原因ってなにかしら?」
「不登校ってどうしたら解決できるの?」
といった疑問やお悩みをお持ちではないですか?
お子さんが突然不登校・引きこもりになり、それが長期間続くと心配になりますよね。
結論から言うと、最近の研究や調査によって不登校・引きこもりの原因は判明しており、その原因に合わせて適切に対応することでお子さんの不登校を解決できる可能性があります。
この記事では
- 不登校・引きこもりの4つの原因
- 学年別不登校・引きこもりの原因とその対処法
- 不登校・引きこもり解決のためにできること
についてお伝えしていきます。
平成30年度の文部科学省の調査結果(※1)によると、中学生ではクラスに1人、小学生では学年に1人ほどが不登校・引きこもりになっており、今や不登校・引きこもりはどのお子さんにでも起こりうる社会問題になっています。
※1「平成30年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」より
https://www.mext.go.jp/content/1410392.pdf
ぜひこの記事を読んで、お子さんの不登校・引きこもりの原因について知り、問題の解決のために動き出しましょう。
- この記事の目次
-
- 1章:【不登校の原因①】本人の要因
- 1-1:学校における人間関係に課題を抱えている
- 1-2:あそび・非行
- 1-3:無気力
- 1-4:不安
- 1-5:その他の要因
- 2章:【不登校の原因②】学校の要因
- 2-1:人間関係
- 2-1-1:いじめ
- 2-1-2:いじめ以外の人間関係
- 2-1-3:教職員との関係
- 2-2:学業・進路への不安
- 2-3: 環境ギャップ
- 2-3-1:入学・進級・転入時の環境ギャップ
- 2-3-2:学校の決まりをめぐる環境ギャップ
- 3章:【不登校の原因③】家庭の要因
- 3-1:家庭内不和
- 3-2:両親からの愛情不足・過干渉
- 3-3:兄弟間格差
- 3-4:親子関係の問題
- 3-5:家庭環境の急激な変化
- 4章:【不登校の原因④】社会的要因
- 4-1:学校の魅力の低下
- 4-2:社会全体のルールを守る意識の低下
- 5章:学年・学校別不登校の原因と対処法
- 5-1:小学校低学年
- 5-2:小学校高学年~中学校
- 5-3:高校
- 6章:不登校解決のための7つの対策
- 6-1:子供の話を聞く
- 6-2:家庭環境を整える
- 6-3:子供の生活習慣を整える
- 6-4:思い切って環境を変える
- 6-5:子供と将来について考える
- 6-6:教師(身近な大人)・友人との信頼関係を築く
- 6-7:専門機関の支援を受ける
- まとめ
1章:【不登校の原因①】本人の要因
不登校・引きこもりの原因は大きく分けて以下の4つに分類できます。
- 本人の要因
- 学校の要因
- 家庭の要因
- 社会的要因
それぞれについて順に解説していきいます。
では、まず1章として「本人の要因」について解説していきます。
本人の要因もさらに以下の5つに分類することができます。
- 学校における人間関係に課題を抱えている
- あそび・非行
- 無気力
- 不安
- その他
では、それぞれについて解説していきます。
1-1:学校における人間関係に課題を抱えている
まず、第一の要因として考えられるのが学校での人間関係に課題を抱えている場合です。
これは「2章:不登校の原因②学校の要因」にも少し関係がありますが、例えば
- いじめ
- 合わない友人がいる
- クラスになんとなく馴染めない
などの場合も含まれます。
文部科学省の調査(※1)によると、不登校・引きこもりになった子のうち小学生では14.0%、中学生では18.7%、高校生では16.0%にこの傾向が見られました。
不登校・引きこもりの原因としてよく挙げられてるいじめなどの対人関係ですが、数値としてはそこまで多くはないことが分かります。
またこの傾向がある子が、ほかの学年と比較して中学生に多いのはそこに思春期特有の問題があるからかもしれません。
※1「平成30年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」より
学校の人間関係に問題を抱えているお子さんの場合は、環境を変えることで普通に学校に通えるようになる場合も多いです。
そのため、今の学校をやめて通信制高校に行くことも、選択肢に入れてみることをお勧めします。
詳しくは、6章で解説します。
1-2:あそび・非行
次に、遊びや非行の傾向がある子です。
こちらは、学校に行かないだけでなく、
- 深夜徘徊
- 未成年飲酒・喫煙など
非行の傾向がある子たちのことです。
文部科学省の調査(※1)によると、不登校・引きこもりになった子のうち小学生では1.1%、中学生では3.9%、高校生では7.1%にこの傾向が見られました。
他の要因と比較すると全体の数値としては低いですが、学年が上がるごとに非行の傾向が増していることが分かります。
さらに、小学生でも不登校・引きこもりの約1%の子供に非行の傾向がみられるのは注意すべき点かもしれません。
※1「平成30年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」より
https://www.mext.go.jp/content/1410392.pdf
1-3:無気力
次に本人の要因として挙げられるのが無気力です。
これは、何もやる気が起きない状態のことで、例えば、
- 学校に行こうとは思っているのに朝起きられない
- 勉強に対してやる気がでない
といった場合などがあります。
文部科学省の調査(※1)によると、不登校・引きこもりになった子のうち小学生では26.6%、中学生では30.0%、高校生では31.7%にこの傾向が見られました。
どの年代に置いても
無気力になると生活習慣が乱れたり、深夜に長時間ゲームをするなどして昼夜逆転してしまう場合があります。
昼夜逆転生活が続くと朝起きられなくなり、ますます学校に行けなくなってしまうという悪循環に陥る可能性がありますので、早めに対応したいところですね。
※1「平成30年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」より
https://www.mext.go.jp/content/1410392.pdf
1-4:不安
次に子供に不安の傾向がある場合です。この傾向がある子は
- 家から出るのが不安
- 学校低学年の場合では母親と離れるのが不安
- 成績が悪く進学できないのではないかという不安
- 友達に嫌われているのではないかという不安
などがある場合があります。
母親と離れる不安=母子分離不安については「5章:学年、学校別不登校の原因と対処法」でも詳しく解説しています。
文部科学省の調査(※1)によると、不登校・引きこもりになった子のうち小学生では35.9%、中学生では32.4%、高校生では25.9%にこの傾向が見られました。
また、高校生でも不安傾向を持つ子は無気力傾向についで2番目に多いことが分かりました。
※1「平成30年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」より
https://www.mext.go.jp/content/1410392.pdf
学校に通う事に不安がある場合は、同じような境遇の仲間が通っている通信制高校に通うことで、不登校・非行・引きこもりが改善できる場合があります。
詳しくは、6章をお読みください。
1-5:その他の要因
文部科学省の調査(※1)によると、不登校・引きこもりになった子のうち小学生では22.4%、中学生では15.0%、高校生では16.6%が上記4つの要因がなく、その他に分類されました。
その他の要因として考えられるのは例えば
- 発達障害や隠れた病気
- 自分でも原因がはっきりしない(なんとなく)
などです。
これらの子供の中にも例えば無気力だったり、不安感を知らず知らずのうちに持っている場合もあります。
お子さんが上記4つの要因に当てはまらない場合でも、普段の様子や言動などをしっかり見守ってあげることで不登校・引きこもりになる要因が見えてくる場合があります。
※1「平成30年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」より
https://www.mext.go.jp/content/1410392.pdf
いかがでしょうか。
ここまで、不登校・引きこもりの原因として子供本人の要因についてみてきました。
その結果,不安感・無気力といった要因が全体の6割程度の子供に見られることが分かりました。
お子さんがこのような傾向を持つ背景にはこれから説明していく学校や家庭、社会的な要因も絡んでいる場合があります。
ご家庭の事情やお子さん自身に当てはまる要因がないかどうか、振り返りながら読み進めて頂ければと思います。
2章:【不登校の原因②】学校の要因
1章では不登校・引きこもりの原因として本人の要因について解説してきました。
ここからは2章として学校の要因について解説していきます。
お子さんが不登校・引きこもりになってしまう学校の要因としては以下の3つが挙げられます。
- 人間関係
- 学業・進路への不安
- 環境ギャップ
では、それぞれについて解説していきます。
2-1:人間関係
学校での人間関係の問題もさらに以下の3つに分類できます。
- いじめ
- いじめ以外の人間関係
- 教職員との関係
では、それぞれについてみていきましょう。
2-1-1:いじめ
いじめについては多くの議論がなされており、不登校・引きこもりの原因となることも少なくないと考えられています。
しかし、実際の調査データ(※1)によるといじめが直接の原因で不登校・引きこもりになった児童の数は小学生では不登校・引きこもりの児童全体の0.8%、中学生では0.6%、高校生でも0.5%と低い数値でした。
では、学校における対人関係の問題で一番不登校・引きこもりに直結する問題はなんでしょうか。
答えは次の「いじめ以外の人間関係」です。
※1「平成30年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」より
https://www.mext.go.jp/content/1410392.pdf
2-1-2:いじめ以外の人間関係
いじめ以外の人間関係の問題で不登校・引きこもりになってしまった子の割合は、小学生で21.7%、中学生で30.1%、高校生では19.8%でした。
※1「平成30年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」より
https://www.mext.go.jp/content/1410392.pdf
学校での対人関係が原因で不登校・引きこもりになってしまう場合はこのいじめ以外の人間関係が大きい割合を占めていることになります。
特に小学生から中学生までは思春期とも重なり,ちょっとした友人間でのトラブルが原因で不登校が始まってしまうこともあるようです。
いじめまで行かないような些細なことでも子供の様子が普段と違うと感じたら、早めに対応してあげた方が良いかもしれません。
1章でも触れましたが、人間関係が原因の不登校であれば、環境を変えることで不登校が改善され、お子さんが元の明るさを取り戻せる場合があります。
そのため、環境を変える方法の一つとして、通信制高校を検討してみてください。
詳しくは、6章で説明します。
2-1-3:教職員との関係
次に、学校での人間関係の問題として挙げられるのが、教職員との関係です。
調査の結果不登校・引きこもりの子供のうち小学生では4.5%、中学生では2.5%、高校生では1.3%にこの問題があることが分かりました。
※1「平成30年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」より
https://www.mext.go.jp/content/1410392.pdf
数値としては低いですが、学校で一番身近な大人である教職員との関係づくりがうまくいかないとそれも不登校・引きこもりの原因となってしまう可能性があることが分かります。
2-2:学業・進路への不安
対人関係以外での学校の要因として学力や進路への不安が挙げられます。
成績が良くなかったり、本当に進学できるのか、希望の会社に就職できるのかといった不安がストレスとなり、不登校・引きこもりに陥ってしまうことがあるようです。
この要因で不登校・引きこもりになってしまった子は小学生では16.3%、中学生では29.3%、高校生では28.6%でした。
※1「平成30年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」より
https://www.mext.go.jp/content/1410392.pdf
特に受験や就職について考えだす中学生や高校生でこの割合が高いことが分かります。
お子さんが勉強や進路について迷っていそうなときは積極的に話を聞いてあげると良いかもしれません。
2-3: 環境ギャップ
不登校・引きこもりになってしまう学校の要因として最後に挙げられるのが環境ギャップです。
これは入学や進級などで大きく環境が変わった時に、その変化に対応できずにストレスを抱えてしまう状態のことです。
環境ギャップを抱えやすいのは例えば以下のような場面です
- 入学・進級・転入
- 進学により校則が変わる(厳しくなる)
では、それぞれについてみていきましょう。
2-3-1:入学・進級・転入時の環境ギャップ
誰でも入学や進級時には多かれ少なかれストレスを抱えるものですが、多くの子供たちは徐々に環境に慣れて馴染んでいきます。
ただし、例えば受験に失敗して希望の学校ではない滑り止めに入学したとか、唯一仲の良い親友とクラスが離れてしまったとか、子どもそれぞれの抱えるストレスの大きさによっては環境に対応しきれずに不登校・引きこもりに陥ってしまう場合があります。
この問題で不登校・引きこもりになってしまった子供は小学生では4.5%、中学生では7.7%、高校生では13.1%でした。
※1「平成30年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」より
https://www.mext.go.jp/content/1410392.pdf
学年が上がるにつれ環境ギャップによる問題が大きくなっていることが分かります。
新学期や新年度などお子さんの学校での環境が大きく変わる時期は特に注意してお子さんの様子を見てあげたいですね。
2-3-2:学校の決まりをめぐる環境ギャップ
次に学校の決まり(校則)をめぐる環境ギャップです。
多くの場合、小学校→中学校→高校と進学するにつれ自分の事は自分でやるようにと指導されるようになり、自分を律することを求められるようになります。
しかし、思春期の子供たちは体は成長しても心理的にはまだ未成熟の場合もあり、そのような子にとって進学したタイミングですぐに規律や校則をしっかりと守ることが難しい場合があります。
この問題で不登校・引きこもりになってしまった子供は、小学生で2.6%、中学生では3.4%、高校生では4.5%でした。
※1「平成30年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」より
https://www.mext.go.jp/content/1410392.pdf
学年が上がるにつれ問題が表面化していくことが多いようです。
いかがでしょうか。
2章では不登校・引きこもりの原因となる学校の要因について解説してきました。
学校の要因としては
では3章では不登校・引きこもりの原因として家庭の要因について解説していきます。
家庭はお子さんにとって一日の3分の2を過ごす大切な居場所です。
ぜひ、ご自身の家庭環境を振り返りつつ読み進めて頂ければと思います。
3章:【不登校の原因③】家庭の要因
3章では不登校・引きこもりの原因としての家庭の要因について解説していきます。
家庭は子供にとって一日の大半を過ごす大切な居場所であり、
文部科学省の調査によるとこの家庭の要因によって不登校・引きこもりになってしまった子供の割合は、小学生で55.5%、中学生で30.9%、高校生で15.0%でした。
特に家庭環境に左右されやすい小学生、中学生でその割合が高いことが分かります。
不登校・引きこもりの原因となる家庭の要因としては以下の5つが挙げられます。
- 家庭内不和
- 両親からの愛情不足・過干渉
- 兄弟間格差
- 親子関係の問題
- 家庭環境の急激な変化
ではそれぞれについて解説していきます。
3-1:家庭内不和
家庭内不和とは例えば以下のようなものが挙げられます。
- 不倫
- 離婚
- 両親の不和
- 家庭内暴力
- 親のアルコール依存
この章の始めにお伝えしたように家庭とは特に子供にとって世界の半分を占める大切な場所です。
その家庭内が安定していないと子供は世の中すべてに対し絶望感を抱いてしまうことがあります。
その結果、世の中や自分の将来に希望が持てず、学校なんて行く気にならない、という結論に達し不登校・引きこもりになってしまう場合があります。
ご家庭内にこのような問題がある場合は、お子さんの不登校・引きこもりよりも先に家庭内の問題に対応することが必要です。
また、このようなケースでは家庭内の問題が解決すると自然と不登校・引きこもりも解決に向かう場合も多いようです。
3-2:両親からの愛情不足・過干渉
次に家庭の要因として挙げられるのが両親からの愛情不足や過干渉です。
これらは逆の位置にあるようで実は同じ方向性を持っています。
つまり、子供にとって「自分に目を向けてもらえない」という愛情不足も「自分の意志を組んでくれない」という親の愛情の押し付けとしての過干渉も、結局親は自分のことを信じてくれていない・愛してくれていないという気持ちを起こしてしまうのです。
実は、人間は誰しも愛情への欲求を持っていてその欲求が満たされていないと自己実現の欲求は現れないという考え方があります。(マズローの欲求5段階説)
ここで、両親が愛情を持ちつつ過干渉にならないように子供と向き合うことが出来れば子供の愛情への欲求が満たされて、学校へ行ってみよう、勉強してみようといった上位の欲求が出てきて不登校・引きこもりが解決に向かう場合があります。
保護者の方は今一度お子さんに対し愛情を持って接しているか、過干渉になっていないかご自身の行動を振り返っていただければと思います。
(愛情をもった接し方については6章を参照)
3-3:兄弟間格差
次に家庭の要因として挙げられるのが兄弟間格差です。
これは、保護者が意図した差別などではなくても、例えば
- 成績優秀な兄と常に比較されているというプレッシャーがある
- お兄ちゃんなんだから我慢しなさいといったような日常的なしつけ
これらによっても子供にとってストレスになる場合があります。
親が意識しなくても、学校では成績で比較され、家では兄弟間で比較されると子供が感じると、子供にとって家庭が安心して落ち着ける居場所でなくなり、結果として不登校・引きこもりに陥ってしまう場合があります。
このようなプレッシャーは保護者が気づかずに与えている場合も多いので、兄弟がいるご家庭では意識して兄弟を平等に扱うようにしましょう。
3-4:親子関係の問題
次に親子関係の問題です。
最近では娘と母親の距離感が近い友達親子のような関係の家庭も増えてきています。
これが一概に悪いことではありませんが、親が幼すぎると感じたり、逆に威厳をもった父親が厳しすぎるしつけをしたりすることで子供の心が不安定になる場合があります。
特に思春期では緩いしつけの親に対し過度に反抗する子が現れることがあります。
その子供の心の裏にはしっかりと叱ってほしいという気持ちが隠れている場合もありますので、距離感が近すぎたり、または遠すぎたりしないよう特に思春期のお子さんに対しては適切な距離感で接するようにしましょう。
3-5:家庭環境の急激な変化
家庭の要因として最後に挙げられるのが、家庭環境の急激な変化です。
これは例えば、引っ越しや両親の転職、失業などそれまでの生活が一変するような変化のことです。
生活の基盤である家庭環境が変化することで子供が大きなストレスを感じ、そのストレスをうまく解消できずに不登校・引きこもりという行動に現れる場合があります。
このような環境の変化が起きた際は親同士だけでなく、お子さんにも家庭の事情をしっかりと説明してあげましょう。
そうすることで子供も安心でき、不登校・引きこもりが解決に向かう場合もあります。
いかがでしょうか。
3章では不登校の原因として家庭の要因についてみてきました。
この章を参考に今一度ご自身の家庭環境を振り返っていただければと思います。
では、次に不登校・引きこもりの原因としての社会的な要因について解説してきます。
4章:【不登校の原因④】社会的要因
次に不登校・引きこもりの原因として社会的要因について解説していきます。
文部科学省の調査によると(※1)不登校・引きこもりの児童数は年々増加し、平成30年度には小学生で全児童数の0.7%、中学生では3.6%、高校生では1.6%もの子供たちが不登校・引きこもりになっていることが分かりました。
少子化で子供の数自体は減っているにも関わらず、小中学生ではH29年度の調査よりも約1万人、高校生でも3000人増加していました。
このような不登校・引きこもりの児童数の増加には、これまで解説してきた子供本人、学校、家庭での要因のほかにも社会の変化が背景にある可能性が考えられます。
そこで4章では、不登校・引きこもりの原因としての社会的要因について解説していきます。
社会的要因については以下の2つが挙げられます。
- 学校の魅力の低下
- 社会全体のルールを守る意識の低下
では、それぞれについて解説していきます。
4-1:学校の魅力の低下
現代は様々なメディアが発達し、それに伴い価値観の多様化が進んでいます。
その中で子供たちも様々な情報に触れる機会が増え、合理的に考えて学校に行く必要があるのか?という疑問にたどり着く場合があります。
実はこれは誰にも答えられない質問です。
なぜなら、学校で勉強する意義は実際に勉強し、知識を身につけて、その知識を活かしたときに初めて感じられるものだからです。
まだ知識を身につけていない段階の子供たちにはその意義を言葉で説明することはできても、実際に実感を持って感じさせることはできないのです。
そうなると、子供たちには学校へ行く意義が感じられず、学校へ行くことの魅力が半減します。
これが学校の魅力の低下です。
さらに、現代では家に居ながら勉強よりも面白いゲームやテレビなどの遊びができる環境が整っています。
これらのネット環境も子供の不登校・引きこもりの増加の一因となっている可能性があります。
お子さんが学校へ行く意味や勉強する意義が分からないといった質問をしてきたときには、6章も参考に適切に対応してあげることで不登校・引きこもりを防ぐことが出来るかもしれません。
4-2:社会全体のルールを守る意識の低下
次に不登校・引きこもりの原因としての社会的要因として挙げられるのが、社会全体のルールを守る意識の低下です。
もちろん不登校・引きこもりそれ自体が悪いわけではなく、子供にとってそれが必要な期間である場合も多くあります。
しかしながら、本来なら学校へ行くべき年齢の子供たちが不登校・引きこもりになっているということは、社会的にもそれを容認するような、学校へ必ずしも行かなくても良いという風潮が出来てしまっている可能性があります。
身近な大人(親や親せきなど)が学校なんて行く必要がない、と考えている場合、子供はその影響を大きく受けて不登校・引きこもりになるハードルが下がります。
その結果として生まなくてよい不登校・引きこもり児童を生んでいる可能性については周りの大人たちはよく知っておくべきでしょう。
いかがでしょうか。
4章では不登校・引きこもりの原因としての社会的要因について解説してきました。
社会環境の変化の結果として、不登校・引きこもりの児童数が増えている可能性が分かりました。
お子さんの不登校・引きこもりを解決するためにはこのような
1章から4章までで不登校・引きこもりの4つの要因について解説してきました。
この4つの要因はお子さんの年齢や学年によってもその影響力が異なります。
そこで、次章では学年・年齢別の不登校・引きこもりの原因とその対処法について解説していきます。
ぜひ、お子さんの年齢に該当する箇所を読んでいただければと思います。
5章:学年・学校別不登校の原因と対処法
1章から4章までは不登校・引きこもりの原因を4つに分類して解説してきました。
ここからは、学年や年齢別に表れやすい不登校・引きこもりの原因とその対処法について解説していきます。
ここでは小学生から高校生までを以下の3つの時点に分類して解説していきます。
- 小学校低学年
- 小学校高学年から中学校
- 高校
ではそれぞれの時期についてみていきましょう。
5-1:小学校低学年
小学校低学年のうちに現れやすい不登校・引きこもりの原因が母子分離不安です。
実は、この年代では1年生の4月に不登校・引きこもりになる子が多いことが分かっています。
それまで母親と毎日一緒に過ごしてきた子供が初めて自分一人で登校し、きちんと教室で椅子に座り、知らない子供たちと授業を受けるという環境は子供にとってかなりストレスのかかるものだと想像できます。
このように母親と離れるのが不安で不登校・引きこもりになってしまう子は少なからずいることが分かっています。
このケースで不登校・引きこもりになってしまった場合には無理やり学校に行かせるのではなく、しっかりと子供を安心させること、子供の話を聞くことが重要です。
子供が母親の傍を離れても大丈夫と自分自身で思えるようになれば、不登校・引きこもり解決はすぐそこです。
5-2:小学校高学年~中学校
この頃の子供たちはいわゆる思春期に突入し、自分の身体の成長に心の成長が付いていかなかったり、友達と自分の些細な違いが気になったりしてくるようになります。
多くの子供がその変化に戸惑いつつも徐々に受け入れていきますが、他の子よりも心理的な成長が遅い子・早い子はストレスが大きくなる場合があります。
頭の良い子、それまでは優等生だった子などがある日突然不登校・引きこもりになってしまうのはこの心理的な成長のスピードが他の子に比べて早いということも原因の一つとなっています。
また、この時期の不登校・引きこもりはGWや夏休みなどの長期休みの前後に起こりやすいことが分かっています。
思春期を迎え、学校での人間関係に不安を抱きながら夏休みなどの長期休みに入ると、休み明けに登校を嫌がるようになり、それをきっかけに不登校・引きこもりになってしまう子が多いようです。
このケースでも、最初は無理に学校へ行かせないことが重要です。
他の子に比べて心理的成熟が遅い・早いの問題は時間が解決してくれることも多々あります。
このケースでは学校や勉強そのものが嫌になったわけではないので、進級や進学が不登校・引きこもり解決の一つのきっかけになる場合もあります。
また、普通の高校の雰囲気が合わないお子さんもいらっしゃいますので、そのようなお子さんには通信制高校に進学することをおすすめします。
通信制高校であれば、同じような境遇のお子さんが多く、普通の高校が合わないお子さんでも無理なく、マイペースに高卒資格を得ることができます。
さまざまなコースが準備されている所も多いですので、まずはお気軽に資料請求してみることをおすすめします。
詳しくは、以下の記事で解説しています。
不登校・引きこもりの子供が通信制高校に通うメリットと学校の選び方
5-3:高校
最後に高校で不登校・引きこもりになってしまう場合です。
このケースでは環境ギャップが大きな原因となることが多くあります。
進学先の高校が合わない、第一志望ではない高校に進学したなどの場合では自身の置かれた環境に多くの子供たちがストレスを抱えることになります。
また、この時期には将来への不安や進学できるかどうかといった学力への不安なども不登校・引きこもりの原因となる場合があります。
高校の場合は、小中学校の義務教育とは違い、不登校・引きこもりの子は留年したり通信制高校に転校したりすることも多いので数値としては現れづらいですが、潜在的な不登校・引きこもりの子供の数は調査結果よりも多いと推測できます。
このようなケースでは、親子でしっかりと将来について話し合うことが有効です。
大学には何の目的で行くのか、将来何がしたいのか、お子さんの考えによっては就職の道を選ぶことももちろん可能ですし、大学に行くことで将来について考える時間を持ってもよいと思います。
将来どうしたいかという問いに万人共通の答えは無いので、
お子さんが高校生である場合は、環境を変える方法として通信制高校をおすすめします。
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-
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いかがでしょうか。
5章では学年・年齢別の不登校・引きこもりの原因とその対処法についてお伝えしてきました。
最後に次章では、不登校・引きこもりのお子さんのために周囲が今すぐ出来ることについて解説していきます。
ぜひ、今までの原因と併せてお読みいただき、お子さんの抱えた問題に一緒に向き合っていきましょう。
6章:不登校解決のための7つの対策
1~5章までで、不登校・引きこもりの原因についてお伝えしてきました。
この章では、お子さんの不登校・引きこもりの解決のために周囲が出来ることについて解説していきます。
お子さんが不登校・引きこもりになってしまうと、最初はなんとかお子さん自身を変えようとしてしまいがちですが、実は周囲の対応や環境を変えることで不登校・引きこもりが解決に向かう場合も多くあります。
ぜひ、この章を参考にお子さんの周りの環境を整えてあげましょう。
不登校・引きこもり解決のために出来ることは大きく分けて以下の7つです。
- 子供の話を聞く
- 家庭環境を整える
- 子供の生活習慣を整える
- 思い切って環境を変える
- 子供と将来について考える
- 身近な大人との信頼関係を築く
- 専門機関の支援を受ける
では、ひとつひとつ解説していきます。
6-1:子供の話を聞く
まず、何よりも初めにして頂きたいのが、子供の話に耳を傾けることです。
不登校・引きこもりになってしまった子供は自分自身でも不登校・引きこもりになってしまったという大きな不安やストレスを抱えています。
これまでお伝えしてきたように、不登校・引きこもりは様々な原因で起こることが分かっています。
まずは、お子さんの気持ちによりそい話を聞いてあげてください。
もしお子さんが親と話したくないという態度だった場合は、一日5分で良いのでお子さんのためだけの時間を作ってあげてください。
その時間は片手間ではなく、しっかりとお子さんと向き合うようにします。
親のそのような態度を見て、お子さんが少しだけ話してみようかなという気持ちになることもあります。
そして、お子さんが話してくれるようになったら以下の点に注意して話を聞いてあげてください。
- 否定しない
- 説得しない
- ただ興味をもって子の話に耳を傾ける
ここで良かれと思ってアドバイスをしても、お子さんによっては「話を聞いてくれない。わかってくれない」という気持ちになってしまう場合があります。
まずは、お子さん自身の気持ちを言葉にしてもらうことを優先しましょう。
ただし、ここでお子さんが自身を否定するようなことを言った場合は、「そう思ったんだね。でも私はそう思わないよ」などと返すようにしましょう。
このように親子でキャッチボールをするうちにお子さんの気持ちが落ち着き、不登校・引きこもり解決への一歩となることがあります。
6-2:家庭環境を整える
次にして欲しいのが、家庭環境を整えることです。
3章でお伝えしたように家庭環境によっても子供が不登校・引きこもりになってしまう場合があります。
家庭内に不和や不倫、親のアルコール依存などの問題がある場合はそちらの解決をまずは優先しましょう。
また、親子の関わり方も子供の年齢とともに変わっていきます。
今のお子さんに一番あった親子の距離感はどのくらいなのか、定期的見直すとよいと思います。
家庭環境を整える際に気を付けて欲しいことは、家庭は子供が一日の半分以上を過ごす大切な場所であるという意識を常に持つことです。
子供が安心して帰れる居場所をつくる、安心して過ごせる場所があるということは子供の心の安定にとても重要です。
6-3:子供の生活習慣を整える
次に、お子さんの生活習慣を整えてあげましょう。
不登校・引きこもりになった後に、その不登校・引きこもりが長引いてしまう原因の一つとして「朝起きられない」ということがあります。
この朝起きられない原因となるのが、生活習慣の乱れからくる昼夜逆転生活です。
不登校・引きこもりになる前でもなってしまってからでも、生活習慣を整え朝にしっかりと起きるということはとても重要です。
しっかりと朝起きられるようになると、日中も活動に入りやすく、また日中の活動によって夜にしっかり睡眠がとれるようになるので昼夜逆転生活が改善されることがあります。
昼夜逆転生活が改善すると、朝起きられないという問題がなくなり不登校・引きこもり解決への第一歩となります。
現在、昼夜逆転してしまっているお子さんの生活リズムをすぐに改善するのは難しいかもしれませんが、まずは朝起きる時間になったらカーテンを開けてあげるなど小さいところから始めてみてはいかがでしょうか。
6-4:思い切って環境を変える
思い切って今の環境を変えてしまうのも一つの手段です。
特に、不登校の原因が学校にある場合(2章参照)にはお子さんを転校させることによって問題が解決する場合があります。
ただし、この方法を取るとお子さんにとっては新たな学校に転校することで環境が変わるので、環境ギャップ(2-3参照)により再び不登校・引きこもりになってしまうこともあります。
転校など、お子さんの環境を大きく変える方法をとる場合には実行する前によく親子間で話し合いをするようにしましょう。
6-5:子供と将来について考える
次に、お子さんと将来について考える、という対応方法です。
これは特に学業や進路への不安から不登校・引きこもりになってしまっている子(2-2参照)や無気力で不登校・引きこもりになってしまっている子(1-3参照)に行って欲しい対応方法です。
お子さんが将来何になりたいのか、どんな職業につきたいのか親子で話し合うことで夢が具体的になり、そこに向かって頑張ろうという気持ちが起きる場合があります。
また、その話し合いの中で進路が決まったり、今の学校にこだわらないなどの気持ちがお子さんに出てきたりした場合には転校などの手段をとることもできます。
このように、お子さんがこの先どうしていきたいのか親子で共有することで不登校・引きこもりの解決につながる場合がありいます。
6-6:教師(身近な大人)・友人との信頼関係を築く
最近の研究結果で、学校に信頼できる大人(教師)や友人がいると一度不登校・引きこもりを経験した子でも再び通い続けられるようになる、ということが分かってきました。
お子さんが不登校・引きこもりになってしまっている場合は、学校の先生やスクールカウンセラーなどに相談し、学校内に子供にとって信頼できる大人を作ることが重要です。
学校に身近な信頼できる人をつくることが出来れば、その人が不登校・引きこもり解決の糸口になってくれる可能性があります。
6-7:専門機関の支援を受ける
最後に専門機関の支援を受ける方法です。
不登校・引きこもりそれ自体は悪いことではありません。
お子さんによってはそれが必要な期間である場合もあります。
ただし、長く社会から離れて生活しているとそこに再び戻ることが難しくなる場合があります。
そんな時に頼れるのが学校外の支援機関です。
例えば、適応教室や家庭教師、フリースクールなどがあります。
適応教室は,通常の学校ではありませんが、教育委員会が運営している教室で、主に不登校・引きこもりの子供たちの支援をしてくれる施設です。
学校のように時間割などが決まっている場合もあり、同じく不登校・引きこもりの子たちと少人数で授業を受けれるような環境です。
家庭教師は,家や塾に通って主に勉強面のサポートをしてくれます。
不登校・引きこもりによる勉強の遅れの心配があれば利用を検討してもよいと思います。
また、最近では不登校・引きこもりの子向けの家庭教師もあるようなので気になるようであれば一度調べてみることをお勧めします。
フリースクールは、学校以外の子供たちの日中の居場所となる施設です。
最近では不登校・引きこもりの子供たちの新たな受け皿として広がっており、官民が連携して運営している施設もあります。
また、多くのフリースクールでは学習の支援を行っており、それ以外にもカウンセリングや体験活動などを通して不登校・引きこもりの子供たちの心のケアを行っている施設もあります。
こちらも気になる場合は一度調べてみることをお勧めします。
これらの支援施設に共通することはお子さんが不登校・引きこもりの状態でも社会とのつながりを持てるという点です。
不登校・引きこもりで家に引きこもってしまっている場合には、このような施設を利用することで外出の機会を作ることが不登校・引きこもり解決への第一歩になる可能性があります。
また、お子さんが施設の利用を嫌がっている場合は家まで出向いてお子さんのカウンセリングを行ってくれる場合もありますので、利用してみたい施設がある場合は一度問い合わせてみることをお勧めします。
いかがでしょうか。
6章では不登校・引きこもり解決に向けて周囲ができることについてお伝えしてきました。
ぜひ、この記事を参考にお子さんが前向きになり不登校・引きこもりが解決できるように出来ることから始めてみてはいかがでしょうか。
まとめ
- 不登校・引きこもりは悪いことではない、誰にでも起こる可能性がある
- 不登校・引きこもりの解決のために重要なことは周りの環境を整え、子供自身が前向きに将来について考えること
- 学校への復帰が第一の目標ではなく、子供が自分で選択した道を歩めるように手助けを
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