あなたは
「全寮制の学校ってどんなところだろう?」
「私の子は不登校だけど通えるかしら?」
「全寮制の学校とフリースクールって何が違うのかしら?」
こんな疑問やお悩みをお持ちではないですか?
不登校のお子さんを全寮制の学校やフリースクールに入れることに不安を持つこともありますよね。
結論から言うと、
全寮制の学校やフリースクールは不登校解決のためのひとつの手段となり、それらを利用することでお子さんの自立につながります。
この記事では
- そもそも全寮制の学校やフリースクールがどんなところか
- その種類と不登校のお子さんにあった選び方
- 実際に全寮制の学校、フリースクールに入学・入寮するまでの流れ
について解説していきたいと思います。
また、不登校のお子さんを全寮制の学校ではなく全寮制のフリースクールに入れる大きなメリットについても触れていきますので、ぜひ最後までご覧いただければと思います。
この記事を読み終えたころには全寮制の学校やフリースクールについての知識が深まり、問題解決の一つの選択肢になっていることと思います。
- この記事の目次
-
- 1章:不登校のお子さんに合った全寮制の学校の選び方
- 1-1:全寮制の学校とは、子供が親元を離れ寮生活を送りながら勉学に励む学校
- 1-2:全寮制の学校の3つのタイプ
- 1-3:お子さんの性格やタイプに合わせて学校を選ぼう
- 1-4:全寮制の高校にかかる費用はどのくらい?
- 1-4-1:全寮制の高校の初期費用は全日制高校の平均よりも最大95万割高
- 1-4-2:全寮制の高校の月額でかかる費用は全日制高校の平均よりも最大10万円割高
- 1-5:不登校のお子さんの新たな受け入れ先、全寮制のフリースクールとは?
- 2章:不登校のお子さんを救う全寮制フリースクールってどんなところ?
- 2-1:全寮制フリースクールとは、不登校のお子さんの自立への支援を行う施設
- 2-2:全寮制フリースクールの3つのメリット
- 2-2-1:不登校対応のスペシャリストによる、子供一人一人に合わせたサポートが可能
- 2-2-2:不登校のお子さんを持つ保護者へのサポートも充実
- 2-2-3:全寮制フリースクールで寮生活をしながら在籍校を卒業できる
- 2-3:全寮制フリースクールの学費相場はどのくらい?
- 2-3-1:初期費用の相場は10~50万円、入学後にかかる月額費用の相場は10万~24万
- 2-4:全寮制フリースクールに向いている子はどんな子?
- 3章:全寮制の学校、フリースクールへの入学、入寮までの流れ
- 3-1:全寮制の学校への入学までの流れ
- 3-2:全寮制のフリースクールへの入学までの流れ
- まとめ
1章:不登校のお子さんに合った全寮制の学校の選び方
1-1:全寮制の学校とは、子供が親元を離れ寮生活を送りながら勉学に励む学校
そもそも全寮制の学校って何?という疑問をお持ちの方もいるかもしれません。
全寮制の学校とは一言でいうと、子供が親元を離れて寮生活を送りつつ学校に通うというタイプの学校です。
全寮制の学校に通い寮生活を送ることで
- 寮での共同生活の中で協調性が養われる
- 親元を離れることで自立心が芽生える
- 友人とのやり取りの中でコミュニケーション能力が向上する
- 自分で考え、判断することで判断力・決断力が身につく
などそのメリットはたくさんあります。
最近、不登校の児童数が増えてきたことで、元居た地域から離れた全寮制の学校にお子さんを通わせようと考える親御さんも増えてきました。
文部科学省の調査結果(平成30年度)によれば(※1)不登校の児童数は小学生では全体の0.7%に当たる44、841人、中学生では全体の3.6%に当たる119、687人、高校生でも全体の1.6%に当たる52、723人いるとされています。
この数字は、小学生、中学生では、平成29年度の調査結果よりも約1万人、高校生でも3000人以上増加しています。
※1「平成 30 年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」より引用
このような背景もあり、全寮制の学校が注目されるようになってきました。
この章では全寮制の学校について
- どんな種類があるのか
- 不登校のお子さんに合った選び方
- 学費の相場
について詳しくお伝えしてきます。
1-2:全寮制の学校の3つのタイプ
一口に全寮制の学校と言ってもその種類は様々です。ここでは運営スタッフが独自に調査した結果から全寮制の学校を3つのタイプに分類しました。
それが以下の3タイプです。
- 進学校タイプ
- アスリート育成タイプ
- 不登校受け入れタイプ
では、それぞれについて簡単にみていきましょう。
1、進学校タイプ
こちらはその名の通り難関大学の合格を目指すタイプの学校です。
特徴としては中高一貫校が多く、人気の高い学校では高校からの転入・編入を受け入れていない場合もあります。
生徒自身も勉強に対する意欲が高く、寮生活を通じ互いに切磋琢磨することでより学力を伸ばしていける環境があるようです。
2、アスリート育成タイプ
こちらもその名の通り、主に運動の分野で成績優秀な子供たちを集めて将来のアスリートを育成していくタイプの学校です。
寮生活でも一年次には先輩と同室となるなど、体育会系な一面があります。
こちらも全国から様々な分野の才能を持つ生徒を集め、互いに競わせることで運動能力の向上につながる環境があるようです。
3、不登校受け入れタイプ
こちらは主に中学生の頃に不登校だったり、何らかの理由で学校になじめなかったりした子供のために転入や編入も受け入れているタイプの学校です。
特徴としては生徒たちも不登校経験者が多く、互いに理解しあえる友人ができる可能性があります。
ただし、このタイプは全寮制の学校の中でもごく少数に限られています。
この中で不登校のお子さんに合っているタイプの学校は言うまでもなく③の不登校受け入れタイプかと思います。
ただしお子さんの性格や得意なことによっては①の進学校タイプや②のアスリートタイプでもうまくやっていける可能性があります。
学校選びの際はこの記事の「1-3:お子さんの性格やタイプに合わせて学校を選ぼう」も参考に、お子さんとよく話し合ってみることをお勧めします。
1-3:お子さんの性格やタイプに合わせて学校を選ぼう
1-2で全寮制の学校の3つのタイプ
- 進学校タイプ
- アスリート育成タイプ
- 不登校受け入れタイプ
についてお伝えしました。ではどんなお子さんにどのタイプが合っているのでしょうか。
まず①の進学校タイプに向いているのは、今まで勉強を頑張ってきて学力に関しては問題のないお子さんです。
学校の勉強は好きだけど人間関係の悩みや高校受験失敗などがきっかけで不登校になってしまったお子さんは、この学校でうまくいく可能性があります。
ただし、お伝えしたようにこちらの学校の生徒は元々意欲のある子たちの集まりです。
転入した後にお子さんが再び挫折を味わう可能性がありますので、その点に関しては注意が必要です。
次に②のアスリート育成タイプの学校です。
こちらの学校に向いているのは今まで何かスポーツを頑張ってきて何らかの大会で入賞などの実績があるお子さんです。
学校にもよりますが、実績があるお子さんであれば転入・編入に関しても柔軟に対応してくれるところもあるかもしれません。
ただし、①と同様にこの学校にも全国から有力な生徒たちが集まっています。
ブランクがあるお子さんの場合、周りとの差に挫折してしまう可能性があるので、注意しましょう。
最後に③の不登校受け入れタイプの学校です。
こちらは不登校を経験している生徒が多いので、①、②の学校と比べて周りとも共感しやすい環境にあるでしょう。
お子さんが①、②の学校は合わなそうと考えるのであれば選択肢はこちらの学校一択になるかと思います。
ただし、お伝えしたようにこのタイプの全寮制の学校は
■ごく少数に限られており入学が難しい点
また不登校を受け入れている学校であるとはいえ、教育機関でもあるので
■高校の場合は単位を落とせば退学などもある点
この2点については十分に注意が必要です。
1-4:全寮制の高校にかかる費用はどのくらい?
全寮制の学校を検討するにあたって次に気になるのがその学費ですよね。
ここからは先ほどお伝えした3つのタイプの学校の中でも特に③不登校受け入れタイプの学校について説明していきます。
寮のある学校での必要な費用は大きく分けて2種類あります。
- 入学時にかかる費用
- 入学後にかかる費用
それぞれについて運営スタッフが独自に調査した結果をお伝えします。
なお、今回の以下の調査結果は寮のある【高校】についてのものになります。
中学校についてもおおむね同様の傾向があると考えられますが、気になる学校がある場合はぜひご自身で資料請求してみることをお勧めします。
1-4-1:全寮制の高校の初期費用は全日制高校の平均よりも最大95万割高
入学時にかかる費用は3種類に分けることができます。
- 入学金
- 施設費
- 入寮費
それぞれの費用の調査結果は以下の表の通りです。
またこれ以外にも制服代や教科書代が入学時の費用として必要になります。
ちなみに、文部科学省の調査結果(※2)によると、入学金、施設費などを合算した学校納付金等の平均費用は公立高校で55、360円、私立高校で215、999円でした。
全寮制の学校の入学時にかかる費用は、
- 寮がある分施設費がかさむ
- 通学制の学校では必要のない入寮費も必要
なため、全日制私立高校の平均額と比べても10万~80万ほど割高なようです。
※2「平成30年度子供の学習費調査結果」より引用
1-4-2:全寮制の高校の月額でかかる費用は全日制高校の平均よりも最大10万円割高
次に入学後にかかる費用についてです。
こちらも
- 授業料
- 寮管理費
- 食費
の3種類に分けることができます。それぞれの費用の調査結果は以下の通りです。
なお、先ほどの文部科学省の調査結果(※2)によると、授業料の年間の平均費用は公立高校では25、378円私立高校では230、026円でした。
※2「平成30年度子供の学習費調査結果」より引用
こちらも全日制の学校の平均よりもかなり費用が高くなっています。
やはり、通学制の生徒には不要な寮管理費・食費が大きな割合を占めているようです。
さらに、今回の調査で対象となった高校については授業料のみを見ても全日制の高校の平均よりも割高な結果となりました。
全寮制の学校では通学定期などの費用が不要な場合がほとんどですが、その額を差し引いても全寮制の学校は全日制の学校の平均よりも学費が割高なことが多いようです。
学校によって必要な費用も様々のため、気になる学校がある場合は必ず資料請求や問い合わせをしてしっかりと費用を調べることをお勧めします。
1-5:不登校のお子さんの新たな受け入れ先、全寮制のフリースクールとは?
ここまで全寮制の学校についてお伝えしてきました。
実は、全寮制の学校を検討中の方にぜひ知ってほしい施設があります。
それが全寮制のフリースクールです。
全寮制のフリースクールでは、不登校対応のスペシャリストが子供たちと一緒に寝泊まりすることできめ細かいケアを行い、子供たちの心のケアや得意なことを伸ばしていけるような働きかけをしています。
また、フリースクールでは以下のような様々な視点から子供たちの支援を行っています。
- 在籍校の卒業
- 学力向上
- 社会性の獲得
- 資格取得
- 就職支援
お伝えしてきたように全寮制の学校で不登校のお子さんを積極的に受け入れている学校はまだまだ少数です。
さらに、それらの学校も学費などの費用が割高なため利用できる人も限られています。
また、もし運よく転入・編入できた場合でも教育機関である以上、一定の成績や授業の出席などがなければ退学になる可能性があります。
不登校のお子さんを最初から全寮制の学校に通わせるのではなく、まずはフリースクールで不登校という心の傷を癒しつつ将来について考えるという時間も必要かもしれません。
次章からは全寮制の新たな選択肢であるフリースクールについて詳しくお伝えしていきます。
2章:不登校のお子さんを救う全寮制フリースクールってどんなところ?
2-1:全寮制フリースクールとは、不登校のお子さんの自立への支援を行う施設
まず第一に、全寮制のフリースクールってどんなところ?という疑問をお持ちになるかと思います。
全寮制のフリースクールとは一言でいうと、
不登校対応のスペシャリストや専門スタッフが子供たちと寝食を共にすることで心のケアをし、生活のサポートをしながら自立への支援をしていく施設です。
そもそもフリースクールとは、不登校の子供たちへの支援施設であり、貴重な居場所となる場所です。
そこでは、一例として以下のような活動を行っています。
- 子供へのカウンセリング
- 学習支援
- 通学支援
- 資格取得支援
- 在籍校の卒業支援
- 季節のイベント
- ゲーム、遊び
全寮制のフリースクールでは、これらの活動を寮で共同生活を行いながらやっていきます。
寮での共同生活は1章でもお伝えしたように
- 集団生活の中で協調性が養われる
- 親元を離れることで自立心が芽生える
- 人とのかかわりの中で社会性が向上する
- 自分で行動することで決断力・判断力がつく
などたくさんのメリットがあります。
全寮制のフリースクールでは上記のようなメリットに加えて、不登校のお子さんが通うにあたり全寮制の学校にはない様々なメリットがあります。
では次に、全寮制のフリースクールのメリットについて詳しくみていきましょう。
2-2:全寮制フリースクールの3つのメリット
2-2-1:不登校対応のスペシャリストによる、子供一人一人に合わせたサポートが可能
全寮制の学校にはなくてフリースクールにはある最大のメリット、それはずばり不登校対応のスペシャリストがおり、お子さん一人一人に合わせたサポートが可能という点です。
現在運営されている全寮制のフリースクールは歴史が長いところが多く、不登校対応のスペシャリストたちが数多くの実績を残しています。
また、そうした不登校対応の専門家やカウンセラーが常駐している施設がほとんどで、不登校になってしまったお子さんの心のケアを積極的に行っています。
全寮制の学校はあくまでその位置づけは教育機関ですが、全寮制のフリースクールは元々不登校の子供たちへの支援施設であり貴重な社会との接点となる場所です。
そのため、不登校のお子さんそれぞれの事情に合わせてのサポートを受けることができます。
- カウンセリングによる心のケア
- 生活習慣が乱れている子には生活のサポート
- 学習意欲のある子には学習支援
といった一人一人に合わせたきめ細かいサポートが可能です。
そういった点でも、不登校のお子さんには全寮制の学校によりも、不登校についての理解が深く、心のケアから行ってくれる全寮制のフリースクールの方が、敷居が低いのではないでしょうか。
2-2-2:不登校のお子さんを持つ保護者へのサポートも充実
全寮制のフリースクールのメリットの2点目は、保護者へのサポート体制も充実しているという点です。
フリースクールではお子さんを預かることで精神面や生活面、学習面のサポートを行っていますが、それはすべてを施設に任せるのではなく、あくまで親御さんとの二人三脚で取り組む、という姿勢の施設が多いです。
そのため、入学・入寮前には保護者との面談が必須な施設がほとんどで、入学後も定期的に保護者との面談を行っている施設が多いようです。
また、寮生活でのお子さんの様子をフィードバックしてくれたり、卒寮後にも定期的にお子さんの様子を確認してくれるなど継続的なサポートを行っている施設もあるようです。
大切なお子さんを預ける施設で施設側と保護者側とがしっかりと連携していける、という点は安心できる材料ではないでしょうか。
2-2-3:全寮制フリースクールで寮生活をしながら在籍校を卒業できる
全寮制のフリースクールのメリットの3点目はフリースクールを利用することで今まで通っていた学校が卒業できる、という点です。
今通っている学校から全寮制の学校に転入となると学費の負担や子供環境の変化による負担も大きいですよね。
実は、全寮制のフリースクールでは、フリースクールを利用しつつ今の在籍校を卒業することも可能です。
例えば、全寮制のフリースクールでは通学支援を行っているところもあり、学校に通いたいお子さんは、寮から通学することが可能です。
朝起きられないことが原因で不登校になっているお子さんが全寮制のフリースクールで生活することで生活習慣が改善し再び学校に通えるようになったというケースもあるようです。
さらに、フリースクールで学習することでそれが在籍校の出席認定となり、学校を卒業できる場合もあります。
これには一定の要件が必要ですが、フリースクールによっては入学・入寮の際に在籍校と連携を図りこの出席認定を取りやすくしてくれるところもあるようです。
このような在籍校を卒業するための支援があると安心してフリースクールを選ぶことができますね。
また、現在学校に通っていない子に関しても高卒認定試験に向けた学習支援やそのほかの資格取得のなどもあり、学習したい子、目標がある子に対してのサポート体制は整っている施設が多いようです。
2-3:全寮制フリースクールの学費相場はどのくらい?
次に気になってくるのが全寮制のフリースクールにかかる費用ですよね。
全寮制のフリースクールにかかる費用も、全寮制の学校と同じく大きく2種類に分けることができます。
- 入学、入室前にかかる初期費用
- 入学、入室後にかかる費用
それぞれについてみていきましょう。
2-3-1:初期費用の相場は10~50万円、入学後にかかる月額費用の相場は10万~24万
ここからは運営スタッフが独自に調査した結果をお示ししていきます。
まず、全寮制のフリースクールの入学、入室前にかかる初期費用の相場は10万~50万と幅がありました。
これは全寮制の学校での入学金、施設費、入寮費に当たる費用です。
次に入学、入室後にかかる費用ですが、こちらは主に3種類に分けることができます。
- 授業料
- 食費
- 寮管理費
ここは全寮制の学校とほぼ同じような構成になっていますした。
その総額の相場は月額10~24万とこちらも幅がありました。
以上の結果をまとめた表を以下にお示しします。比較のために1-4でお伝えした全寮制の高校の費用の表も一緒にお示しします。
いかがでしょうか。
初期費用は高校よりもフリースクールの方がやや安く、月額の費用はやや高い印象ですね。
ただし、高校の場合は初期費用としてこれ以外にも制服代や教科書代がかかる場合がほとんどで、月額の費用のほかにも修学旅行の積立金などがかかる場合があります。
また、フリースクールでもこちらの費用以外にイベント費や交通費などがかかる場合があります。
必要な費用を年間の総額に計算しなおすと、フリースクールでは130~338万、学校は132~220万でした。
かなり高額な費用の印象ですが、学校では奨学金があったり、フリースクールによっては独自の減免制度を設けているところもあるようです。
気になる施設がある場合は実際の費用についてしっかり調べてみることをお勧めします。
2-4:全寮制フリースクールに向いている子はどんな子?
では、全寮制のフリースクールにはどんな子が向いているのでしょうか。
1-3で、全寮制の学校に向いている子の3つのタイプについてお伝えしました。比較のため改めてこちらにお示しします。
【進学校タイプ】
- 学力に問題のない子
- 周りと競争ができる子
【アスリート育成タイプ】
- 運動能力が高い子
- ブランクがあっても周りについていける子
【不登校受け入れタイプ】
- 上記2つの学校に向いていないと思う子
- 授業には真面目に出席できる子
ではフリースクールに向いている子とはどんな子かというと、上記3つのタイプに当てはまらない不登校のお子さん全員です。
こういうと、本当かしらと思われるかもしれませんが、2-2:全寮制のフリースクールの3つのメリットでお伝えしたように、フリースクールには不登校対応のスペシャリストがいます。
様々なタイプの不登校のお子さんと接し、その問題を解決してきた専門家であれば、どのようなタイプの不登校のお子さんでも受け入れが可能です。
以下に特に全寮制のフリースクールを検討してほしいお子さんの特徴として3つの例を挙げてみました。
- 生活面での自立が全くできていない
- 親子の信頼関係が崩れている
- 不登校が長期間続いている
それぞれの特徴についてみていきましょう。
1、生活面での自立が全くできていない
こちらは例えば昼夜逆転で朝全く起きられない、夜中にずっとゲームをしているなどのタイプのお子さんです。
このようなお子さんの場合、全寮制のフリースクールで専門家の24時間のサポートを受けることで生活習慣の乱れを改善できる可能性があります。
また、寮生活では基本的にテレビゲームなどはないか、あっても時間が決められているのでゲーム離れにも良い環境です。
生活習慣の乱れが改善すると、朝起きられるようになり日中の活動量が増え、心身ともに健康な状態に近づくことができます。
2、親子の信頼関係が崩れている
こちらは、例えば家庭内暴力があったり、親子間での話し合いが全くできない、親の言うことを全く聞かないといったタイプのお子さんです。
このタイプのお子さんの場合、親がいくら子供と向き合おうとしてもすぐには難しい場合があります。
全寮制のフリースクールを利用し、親子それぞれが互いと離れる時間を持つことで、落ち着いて話し合いができるようになる可能性があります。
また、いったん子供と離れることで親自身も悩みや不安が軽くなり子供の気持ちに寄り添えるようになる場合もあります。
子供も寮生活で身の回りのことを自分でしなければならない環境になると今までの親への感謝の気持ちが生まれることもあるようです。
3、不登校が長期間続いている
親としてやってあげられることは全てしても不登校が解決しない場合があります。
不登校が長期間になっているお子さんは、お子さん自身も不安を抱えつつ、どうしてよいか分からなくなってしまっていることが多くあります。
このような時に全寮制のフリースクールを利用すると、家庭以外の居場所が見つかった安心感で子供の心が落ち着く場合があります。
専門家がしっかりと心のケアを行うことで、お子さんの気持ちも落ち着き、例えば学校に行ってみようかな、とか資格の勉強をしてみようかな、とか前向きな目標ができる場合もあります。
いかがでしょうか。
この他にも
- 感情的になってしまい話し合いができない
- 親として他にもうどうしていいかわからない
そのようなお子さんこそ、専門家に預けて一旦親と離れる時間が必要です。
全寮制のフリースクールは、他のフリースクールとは違い、完全に親御さんと離れる時間ができます。
その中で、不登校対応のスペシャリストや心理カウンセラーなどの専門家がお子さんをしっかりとケアし、生活のサポートを行っていきます。
親も子も互いに一旦離れることでそれまで見えてこなかった問題分かったり、お互いに理解しあえたりすることもあるようです。
ただし注意していただきたいのが、ほとんどの全寮制のフリースクールではお子さんが望んでいないのに無理やり入学させることは断っているようです。
できれば、フリースクールへの入学、入室に関しては親子でよく話し合いお子さんが前向きになった段階で検討していくことをお勧めします。
また、親子間での話し合いが難しい場合はフリースクールのスタッフが代わりにお子さんと話してくれる場合もあるようです。
保護者からの相談は無料で受け付けている施設がほとんどなので、気になる施設がある場合はそちらもあわせて相談してみることをお勧めします。
では、次章からは実際の学校やフリースクールへの入学、入室までの流れについてお伝えしていきます。
3章:全寮制の学校、フリースクールへの入学、入寮までの流れ
3-1:全寮制の学校への入学までの流れ
全寮制の学校への入学、入室寮までの流れは主に以下のようになります。
ただしこちらは学校ごとに多少異なってきますので、気になる施設に関してはHPなどで実際の入学、入室方法を調べてみることをお勧めします。
- オープンキャンパス、学校見学
- 願書提出
- 入学選考 (学科試験や受験生及び保護者面接、体験入学)
- 合格発表、入学手続き(入学納付金)
- 入学・入寮説明会
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
1、オープンキャンパス、学校見学
全寮制の学校では、通学制と異なり入学後は1年のほとんどを学校内で過ごすことになります。
そのため、オープンキャンパスや学校見学に必ず参加し、実際の生徒たちの様子や寮の様子を見ておくことをお勧めします。
また、学校によってはこのオープンキャンパスに参加しないと出願を受け付けていなかったり、出願のための書類をオープンキャンパスの会場でのみ配布しているところもあります。
2、願書提出
願書提出の時期や締め切りは学校ごとに異なります。
出願に必要な書類もそれぞれ異なりますので、必ずHPなどで確認するようにしましょう。
また、転入、編入を受け付けている学校では随時出願を受け付けている学校と学期ごとに受け付けている学校があるため、検討している学校の出願受け入れ時期についてもしっかり確認しておくようにしましょう。
3、入学選考
入学選考の方法も学校によって様々です。
学科の試験を行う学校もありますが、寮生活への体験入学や保護者、生徒との3者面談が選考になっている学校もあります。
学科試験がある場合は学力面での対策も必要になってくるので、行きたい学校の入学選考の方法に関してもしっかりと調べておくようにしましょう。
4、合格発表、入学手続き(入学金納付)
入学選考に合格すると、入学金などの学費の振込が必要になります。
入学金の振込も合格発表後1週間以内など締め切りがある場合があるので試験前にしっかりと確認しておくようにしましょう。
5、入学・入寮説明会
入学が決まると入学・入寮説明会があります。
こちらの日程も学校ごとにさまざまですので、HP、募集要項などでしっかりと確認しておくようにしましょう。
入学金を振り込んだ後でも、この説明会を欠席した場合入学辞退とみなされる場合もあるので注意しましょう。
3-2:全寮制のフリースクールへの入学までの流れ
全寮制のフリースクールへの入学、入寮までの流れは主に以下のようになります。
ただしこちらも施設ごとに異なってきますので、気になる施設に関してはHPなどで実際の入学、入寮方法を調べてみることをお勧めします。
- 電話相談
- 保護者との面談
- 本人へのアプローチ
それぞれについてみていきましょう。
1、電話相談
多くの全寮制のフリースクールでは問合せ窓口があり、そこに問い合わせることで入学・入寮までの流れを説明してもらうことができます。
また、この電話で②の保護者との面談の日程を決めたり、現在親として不安に思っていることなどを相談することができます。
この電話相談は無料で行っている施設がほとんどですので、少しでも気になる施設がある場合は問合せしてみることをお勧めします。
2、保護者との面談
全寮制のフリースクールでは、お子さんへのアプローチの前に保護者とフリースクールのスタッフとでの面談を行うことが多いようです。
この面談で、お子さんの様子や配慮が必要な点などを保護者とスタッフの間で共有していきます。
また、このタイミングでフリースクールへの具体的な質問や預けるにあたり不安なことなどを相談することができます。
普段からのお子さんの様子で気になることや施設利用に関する具体的な質問などがあれば事前にリストアップしておくことをお勧めします。
3、本人へのアプローチ
保護者との面談が終わると、日程を決めて施設のスタッフが本人を迎えに来てくれます。
家をでるところから施設スタッフが来てくれるのは心強いですね。
また本人と保護者との間で話し合いが難しい場合は、このタイミングで施設スタッフが間に入り話し合いの手助けをしてくれることもあるようです。
いかがでしたでしょうか。ここまで全寮制の学校、フリースクールへの入学・入寮までの一般的な流れについてお伝えしてきました。
全寮制の学校は、一般的な高校の入学方法とあまり変わらない印象でした。
一方、全寮制のフリースクールでは、個別での相談や面談、家まで迎えに来てくれるなど対応が手厚い印象でした。
全寮制の学校でも全寮制のフリースクールでも、そこに入学、入寮するとお子さんはほとんどの時間をその施設で過ごすことになります。
どちらにもメリットデメリットがあると思いますが、この記事を参考に入学、入寮に前にはお子さんとしっかりと話し合いをしておくことをお勧めします。
まとめ
全寮制の学校は全国にあるが、不登校を受け入れているタイプの学校はやや少ない。
不登校のお子さんへの、手厚いサポートを期待する場合は、フリースクールを検討してもよいかもしれない。
特に
- 生活面の自立が出来ていない子
- 親子の信頼関係が崩れている子
- 不登校が長期間続いている子
全寮制のフリースクールがおすすめです。
重要なことは、全寮制の施設を利用する前に、お子さんとしっかり話し合うことです。
お子さんの不登校解決への第一歩として、全寮制の学校やフリースクールを、検討してみてはいかがでしょうか。