あなたは、
「不登校受け入れ施設ってどういう所なんだろう?どんなメリットがあるんだろう?」
「良い不登校受け入れ施設を見つけたい」
などの悩みや疑問をお持ちではありませんか?
不登校児を受け入れる施設には、「フリースクール」「学習塾」「通信制高校」等があり、不登校の改善や学校の進度に合わせた勉強のサポートなどを目的に利用されます。
それぞれ異なる特徴を持っているため、「子供を預けたい・通わせたい」という場合は、それぞれのメリット、デメリットを知った上で、目的にあった施設を見つけることが大事です。
そこでこの記事では、
- 不登校の受け入れ施設とは?メリット・デメリットとは?
- 不登校を改善するためにはフリースクールがおすすめの理由
- お子さんに合う施設の探し方、受け入れの流れ
などについて詳しく解説します。
お子さんの不登校を改善するためには、お子さんに合った施設を見つけてあげることがとても重要になります。
この記事を最後まで読んで、これからの受け入れ施設探しに役立ててください。
- この記事の目次
-
- 1章:不登校の受け入れ施設とは
- 1-1:不登校の受け入れ施設は勉強のサポートや不登校改善のために必要
- 1-2:受け入れ施設として使われる3つの場所とメリット・デメリット
- 1-2-1:フリースクール
- 1-2-2:学習塾
- 1-2-3:通信制高校
- 2章:不登校改善にはフリースクールがおすすめ!
- 2-1:フリースクールの選び方フローチャート
- 2-2:学習支援タイプ
- 2-3:資格取得タイプ
- 2-4:相談・居場所タイプ
- 2-5:全寮制・共同生活タイプ
- 2-6:医療機関連携タイプ
- 2-7:フリースクール選びで大切なのはお子さんが自分らしく居られる場所であるかどうか
- 3章:子どもに合う受け入れ施設(フリースクール)を選ぶ基準
- 3-1:HPや資料請求で比較する
- 3-1-1:運営者の不登校対応の実績
- 3-1-2::施設でのイベントや過ごし方
- 3-1-3:資格取得やスキルの習得が可能か
- 3-1-4:在籍校を卒業できるか
- 3-2:施設スタッフとの面談で比較する
- 3-2-1:親への面談や説明に過不足がないか
- 3-2-2:子供への接し方は問題ないか
- 3-3:お子さん自身に合っているかで比較する
- 3-3-1:子供が自分らしく過ごせるか
- 3-3-2:前向きに入学できるか
- 3-3-3:お子さんのやりたいことができるか
- 4章:不登校受け入れ施設(フリースクール)に入る流れ
- 4-1:気になった施設に資料請求・問い合わせ
- 4-2:実際に施設を見学、説明会や相談会に参加
- 4-3:体験入校、面談を終えて入校
- まとめ
1章:不登校の受け入れ施設とは
それではこれから、不登校の受け入れ施設とはどういうものなのか、どういう所があるのかを解説します。
結論を先に言えば、お子さんの不登校を改善させたいならフリースクールをおすすめします。
フリースクールについては2章以降で詳しく解説しますので、フリースクールについて知りたい場合は2章からお読みください。
1-1:不登校の受け入れ施設は勉強のサポートや不登校改善のために必要
そもそも、「不登校の受け入れ施設に子供を行かせるべき?」とお悩みかもしれませんが、学校の外部の受け入れ施設を使うことは、不登校の改善や勉強のサポートのために非常に重要なのです。
子供の不登校は学年が上がるほど増加する傾向があり、特に小学校から中学に上がるころには2.5倍以上に増加します。
そして、不登校で学校から指導されている中学生の生徒のうち、改善しているのは46%だけです。
つまり、不登校になった子供のうち54%は、不登校になっても学校の力では改善されていない状況にあるのです。
(文部科学省「平成 29 年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」)
しかも、中学校であれば勉強のスピードも速くなりますので、不登校のうちに勉強についていけなくなり、進学にも影響することがあります。
したがって、学校の力だけでは改善できない不登校は、学校の外部の不登校受け入れ施設を活用する必要があるのです。
とは言え、不登校受け入れ施設にも様々なものがありますので、これからその種類とそれぞれのメリット・デメリットを紹介します。
1-2:受け入れ施設として使われる3つの場所とメリット・デメリット
一般的な不登校の受け入れ施設には、以下の3つの種類があります。
- フリースクール
- 学習塾
- 通信制高校
それぞれの特徴とメリット・デメリットを解説します。
1-2-1:フリースクール
不登校の受け入れ先として最も一般的なのが、フリースクールです。
フリースクールは、様々な事情で不登校になってしまった子供を受け入れ、
- 在籍校の卒業
- 学力向上
- 社会性の獲得
- 資格取得
- 就職支援
などの子供に必要なことを、総合的に提供する役割を持った施設のことです。
通学するものと全寮制のものがありますが、生活全般から見直したい場合などは、全寮制が利用されることが多いです。
子供にとっては、いきなり不登校改善のために、行動を強いられたり勉強をさせられたりすると、余計に学校から気持ちが離れてしまう可能性があります。
そのため、フリースクールに通って近い境遇の仲間と交流したり、生活リズムを整えること等から、少しずつもとの自分を取り戻していく、ということが行われます。
一例として、フリースクールでは下記のような活動が行われます。
- 子供へのカウンセリング
- 学習支援
- 通学支援
- 資格取得支援
- 在籍校の卒業支援
- 季節のイベント
- ゲーム、遊び
■フリースクールのメリット・デメリット
フリースクールのメリットをまとめると下記の通りになります。
【フリースクールのメリット】
- 不登校対応のスペシャリストによる、子供一人一人に合わせたサポートが可能
- 不登校の子供を持つ保護者へのサポートも充実
- 全寮制フリースクールなら、寮生活をしながら在籍校を卒業できる
フリースクールは、スペシャリストが総合的に支援してくれ、不登校を改善していける点に大きな魅力があります。
他の不登校受け入れ施設では、勉強のサポートが中心であることも多く、学力はある程度ついても根本的な子供の心の問題が解決されないこともあります。
そうなれば、一時的に学校に復帰できても、再び不登校になり、さらに悪化して引きこもりになるリスクすらあります。
そのため、不登校をなんとかして改善したいとお考えなら、フリースクール、それも生活全般をサポートしてもらえる全寮制の施設をおすすめします。
【フリースクールのデメリット】
フリースクールのデメリットとしては、下記のことがあげられます。
- ある程度の費用がかかる
- 通学であれば自宅の近くにない可能性がある(全寮制なら遠方でも問題ない)
フリースクールにも様々な種類がありますので、2章以降で詳しく解説します。
また、下記の記事でも詳しく解説していますので、参考にしてください。
全寮制フリースクールとは?メリットや選び方の3つのポイントを解説
1-2-2:学習塾
不登校の受け入れ施設として、学習塾があげられることもあります。
学習塾によっては不登校のお子さんの勉強をサポートすることを中心としている所もあり、また自宅から近く通いやすい、などの理由から選ばれることも多いようです。
最近では、
- 不登校で学校についていけなくなったお子さんの学び直し
- 不登校だが進学したいというお子さんへの受験指導
を専門にしている学習塾もあります。
■学習塾のメリット・デメリット
不登校のお子さんの受け入れ先として、学習塾には以下のメリットがあります。
【学習塾のメリット】
- 不登校に特化している学習塾なら、通常の学習塾よりもリラックスできる環境で勉強できる
- 特に心に問題を抱えておらず、勉強だけを進めたい子供にとっては勉強に集中できる
結論を言えば、学習塾は「今の学校が合わないだけ」「進学して環境が変われば問題なく通学できる」というようなお子さんに向いています。
こういったお子さんは特に心に問題を抱えているわけではないため、勉強に集中できる環境さえあれば良いからです。
ただし、学習塾には以下のデメリットもあります。
【学習塾のデメリット】
- 支援されるのは主に勉強面のみで、心のケアや社会性の習得、生活全般の管理などはカバーされない
当然ですが、学習塾で得られる支援は主に勉強面のみです。
そのため、心に問題があるお子さんにとって必要な心のケアや社会性の習得、生活管理などは支援されません。
したがって、心に問題を抱えるお子さんを学習塾に通わせるだけでは、不登校が改善できない可能性が高いです。
一見心に問題を抱えていなそうでも、実は問題があるという場合もありますので、親の独断で勉強だけに集中させようとするのは禁物です。
一度、フリースクールのような心の問題までケアできるスタッフがいる施設にも相談して決めていくことをおすすめします。
1-2-3:通信制高校
お子さんが高校生の場合、不登校の受け入れ施設としては、通信制高校もあります。
通信制高校とは、課題・レポートやスクーリング、定期試験などの条件を満たせば高校卒業資格を得られる教育機関のことです。
毎日通学せず、自宅学習と数ヶ月に1回程度のスクーリングだけで高卒資格が得られるため、不登校の子供が通うことが多いです。
■通信制高校のメリット・デメリット
不登校で通信制高校を利用することには、以下のメリットがあります。
【通信制高校のメリット】
- 単位を取得すれば、高校卒業資格が得られる
- スクーリングでは同年代の子供と触れ合う機会が得られる
一番大きいのは、不登校で学校に行きたがらないお子さんでも、単位さえ取得すれば高校の卒業資格を得ることができるという点です。
「せめて高校卒業の資格は取らせたい」と考えている場合は、通信制高校も一つの手段です。
ただし、以下のデメリットもあります。
【通信制高校のデメリット】
- 3年間で卒業できる生徒は少ない
- 社会性を身につける機会が少なく、引きこもりになる可能性がある
通信制高校は、基本的には自宅で独学で学習を進めなければなりません。
そのため、お子さんのやる気・意志力がなければ勉強が続かず、そもそも単位を取得できないという可能性もあります。
また、自宅で学習を続けることで社会から孤立し、その後の進学、就職などの社会復帰のハードルを更に上げてしまう可能性もあります。
そのため、通信制高校は、
「家族ともうまくコミュニケーションが取れていない」
「引きこもりになりつつある」
というような、心に問題を抱えているような不登校のお子さんには向いていません。
整理すると、学習塾や通信制高校は、学校が合わないだけのお子さんには向いていますが、心に問題を抱えて不登校になったお子さんにはフリースクールが向いているのです。
それではこれから、不登校の改善にフリースクールがおすすめの理由と、フリースクールの種類・選び方について詳しく説明します。
2章:不登校改善にはフリースクールがおすすめ!
不登校の受け入れ施設としてフリースクールがおすすめなのは、フリースクールにはさまざまなタイプがあり、
「不登校を改善しつつ勉強も進めたい」
「子供の居場所を作ってあげたい」
「共同生活する中で社会性を身に付けさせ、不登校の改善だけでなく将来社会生活するための力をつけさせたい」
など、目的に合わせて活用できるからです。
特に不登校のお子さんの中でも、
「引きこもりになりつつある」
「何を聞いても答えてくれない、コミュニケーションが取れない」
「暴言や暴力を振るうようになった」
などのひどい不登校のお子さんの場合、プロのスタッフが一緒に暮らしながら生活全般をサポートしてくれる、全寮制のフリースクールがおすすめです。
これから、フリースクールのタイプを解説していきます。
2-1:フリースクールの選び方フローチャート
まずは、フリースクールの選び方をフローチャートで紹介します。
わかりやすくタイプを分けましたが、他のタイプの施設で出来ることがこちらのタイプの施設では全くできない、という訳ではないので、A・Bどちらの方により興味があるか気軽な気持ちでチェックしてみてください。
2-2:学習支援タイプ
学習支援タイプのフリースクールでは、ひとりひとりが学校の勉強でつまずいてしまったところまで立ち返り習熟度別に学習支援してくれます。
「なんらかの理由で不登校になってしまったけれど、勉強は好き」
「高校は卒業したい」
「進学したい」
と思っているお子さんにおすすめです。
学習支援タイプのフリースクールでは、
- 苦手科目を克服して基礎学力を向上させる
- 高卒認定取得の支援をしてくれる
というところもあります。
また、フリースクールでの出席日数のカウントを利用することにより、在籍校の卒業認定を受けることも可能です。
こちらは、それぞれのフリースクールによって年間や週間の登校日数にも違いがある他、授業開始時間を10時からなど遅めに設定している学校もあります。
お子さんの生活習慣に合わせた、スクールの選択ができそうです。
2-3:資格取得タイプ
資格取得タイプとは、自分の好きなことや個性に合わせた学習ができるフリースクールです。
例えば、
- 音楽やアニメを選考するコース
- コンピュータに関する資格(Word、EXCEL、サイト制作、プログラミング等)の取得を目指す
- 英検、漢検、秘書検定の取得を目指す
といったコースが準備されていることがあります。
資格を取得したり、自分の好きなことにとことん打ち込むことは、お子さんの自信を取り戻すためにもとても大切な経験です。
取得可能な資格・スキルはスクールによってさまざまで、就職に直結する商業系、工業系の資格が取得できるスクール、英検、数検などの資格取得支援を行っているスクールや、プログラミングの専攻コースがあるスクールなど多岐にわたります。
お子さん自身が将来のために手に職をつけたいと思っていたり、やりたいことがはっきりしている場合は、資格取得が可能なフリースクールをおすすめします。
2-4:相談・居場所タイプ
相談・居場所タイプとは、フリースクールが相談先として、またお子さんの居場所としての役割を持つタイプのことです。
あえて区別して紹介していますが、多くのフリースクールには相談・居場所としての役割を兼ね備えています。
フリースクールは、不登校などで学校に行けなくなったお子さんたちの受け入れ施設ですので、お子さんの心理面をサポートすることもとても大事な役割です。
そのため、
「親にも相談できないことが相談できる」
「学校や自宅でリラックスできない子供が自分らしくいられる居場所になる」
という場所であることが重要です。
フリースクールのタイプによって、手厚さには差があるとは思われますが、多くのフリースクールには心理カウンセラーなどの専門スタッフがいて、お子さんたちの心理的ケアを行っています。
また、フリースクールでは、
- ゲーム
- ミーティング
- 月1、2回の食事会
など施設ごとにさまざまなイベントを行っており、これらのイベントを通して子供の居場所を作る工夫がなされています。
さらに、フリースクールまで来られないお子さんたちのために、家庭を訪問してカウンセリングや学習支援を行っている施設もあります。
特に、自宅でリラックスできない、自宅を自分の居場所と感じられないというお子さんの場合は、自宅から離れて全寮制フリースクールで暮らすことで、そこを居場所として感じられるようになるため、おすすめです。
2-5:全寮制・共同生活タイプ
フリースクールは大きく分けて、通学するタイプと全寮制で共同生活するタイプとがあります。
結論から言えば、不登校のお子さんが、
「社会性、コミュニケーション能力がなく将来が心配」
「引きこもり気味である(すでに引きこもりになっている)」
「親への暴言、暴力行為や非行に走っている」
等の場合は、全寮制フリースクールをおすすめします。
全寮制フリースクールとは、
- 不登校の専門家による手厚いサポートが受けられる
- 24時間体制でお子さんの生活すべての面倒を見てくれる
という特徴のフリースクールです。
数ヶ月単位で他の子供達と共同生活し、勉強し、復学、進学、就職などの社会復帰を目指していく施設です。
全寮制には全寮制ならではの、メリットがあります。
- メリット①生活全般の立て直しが可能
たとえば昼夜逆転、ゲーム依存など不登校生活で生活が崩れてしまっている場合も、24時間スタッフがいる全寮制なら立て直しが可能です。
- メリット②社会性を身につけられる
不登校のお子さんには、親を含む他人との人間関係を作るのが得意ではないお子さんが多いですが、全寮制フリースクールには同じようなお子さんも多いです。
またお子さんの心の問題をよく知るスタッフがサポートするため、しっかり人間関係を作れるようになり、社会復帰の準備を作ることが可能です。
- メリット③寮から学校への通学支援もあり
施設によっては、寮での学習期間も含めて在籍校からの出席認定をもらうことで、高校卒業資格の取得も可能です。
親元を離れての生活は、親子ともに最初は抵抗が大きいと思いますが、同じ不登校という悩みを抱えたお子さん同士が、共同生活することで互いに理解しあうことができ、良い刺激となることも多いようです。
全寮制フリースクールについて、詳しくは下記の記事でも解説していますので、ぜひご覧ください。
全寮制フリースクールとは?メリットや選び方の3つのポイントを解説
2-6:医療機関連携タイプ
不登校のお子さんの中には、発達障害やうつ病など一見分かりづらい特性や疾患を持っているお子さんも、多くいると考えられています。
そのようなお子さんたちの場合、医療機関と連携して心理面のケアや専門家の視点を取り入れたサポートが必要です。
そのため、フリースクールの中には、専門の医療機関や検査機関と連携している施設もあるのです。
フローチャートには載せていませんが、お子さんが発達障害等の特性を持っていると考えられる場合は、こちらの医療機関連携タイプのフリースクールも選択肢の一つです。
ただし、最近では障害や病気に対する理解が広まってきたことで、この医療機関連携タイプ以外の施設でも、発達障害などのお子さんを受け入れているスクールは数多くあるようです。
気になるフリースクールがある場合は、まずは一度問い合わせしてみることをおすすめします。
2-7:フリースクール選びで大切なのはお子さんが自分らしく居られる場所であるかどうか
ここまで紹介してきたように、フリースクールは、不登校の受け入れ施設として広く受け入れられるようになり、さまざまなタイプが生まれてきました。
2章で紹介してきたタイプも、それぞれきっちりと分類できるものではなく、さまざまな特徴を併せ持つものが多いです。
ただし、どのようなフリースクールでも良いわけではありません。
フリースクールを選ぶ上で最も大切なことは、その施設がお子さんにとって
- 自分らしく通える場所
- 自分の状態に合わせて安心してすごせる場所
- 自分がやりたいこと、楽しいと思えることをする場所
なのです。
そこで次に、不登校の受け入れ施設として、フリースクールを選ぶ場合の基準を紹介します。
3章:子どもに合う受け入れ施設(フリースクール)を選ぶ基準
2章で紹介したように、フリースクールにはさまざまなタイプがありますが、「どこが子供に向いているのか分からない」という場合もあると思います。
繰り返しになりますが、フリースクールは、あなたのお子さんに合った施設を選ぶことが重要です。
そこで次に、以下の段階別に具体的な選ぶ基準を紹介します。
- HPや資料請求で比較する
- 施設スタッフとの面談で比較する
- お子さん自身に合っているかで比較する
では、それぞれについて具体的にみていきましょう。
3-1:HPや資料請求で比較する
まずはフリースクールを調べてみて、HPを見たり資料請求をしたりする中で、チェックするべきポイントを紹介します。
3-1-1:運営者の不登校対応の実績
不登校のお子さんの、受け入れ先としてのフリースクールのメリットは、不登校対応の専門家からお子さん一人一人に合わせたきめ細かい支援が受けられるという点です。
そこで、まずはHPや資料請求などで、その施設の運営者やスタッフの不登校対応の実績を確認してみましょう。
歴史の長い施設であるほど、今まで対応した不登校の児童数や、その実績について詳しく記載されている場合が多いです。
そこで運営者の実績を確認することができれば、施設選びの一つの目安になります。
3-1-2::施設でのイベントや過ごし方
次に、HPや資料請求で確認していただきたいのが、施設でのイベントや過ごし方です。
一年中変わらないスケジュールなのか、それとも毎月のようにイベントがある施設なのか、これはどちらが良い悪いではありませんが、お子さんの性格に合わせて施設選びをする際の参考になります。
また、施設によっては全てのお子さんが週末には実家に帰るとか、3か月は一切実家には帰らずに寮生活をする、といった決まりがある場合がありますので、その点も併せて確認しておきましょう。
3-1-3:資格取得やスキルの習得が可能か
HPや資料請求では、お子さんが取りたい資格やスキルの習得が、可能なのかどうか確認することも大事です。
例えば
- 高卒認定試験を受けられるかどうか
- 英検、パソコンの勉強などの希望にあったコースがあるか、専門スタッフがいるか
などをお子さんの希望に合わせて確認することが大事です。
3-1-4:在籍校を卒業できるか
在籍校を卒業したいと考えている場合は、出席認定が取れるかどうかもしっかり確認しておきたいです。
施設によっては、入寮時に在籍校と連携を図り、施設での学習に対する出席認定を取りやすくしてくれるところもあるようです。
こちらも、HPや施設資料に記載があるかもしれないので、しっかりと確認しておきましょう。
また、施設によっては、HPに在籍校の卒業率やその後の進学率について記載されている場合もあるので、併せてチェックしておきましょう。
3-2:施設スタッフとの面談で比較する
HPや資料請求で候補の施設を絞り込んだら、次に施設スタッフと面談して比較することが大事です。
実際にスタッフと話してはじめて分かる情報や、スタッフの印象を感じることができるからです。
これから、具体的な基準を解説します。
3-2-1:親への面談や説明に過不足がないか
施設スタッフとの面談の際は、保護者への説明に過不足がないか確認しましょう。
例えば、
- 施設の利用にかかる費用
- 寮への交通手段
- 親子間の連絡の頻度
といった、親として気になることをしっかりと説明してくれるかどうかは確認しておきましょう。
また、説明に不足があっても、あなたが気になることを質問したときに、丁寧に答えてくれるのであれば問題ありません。
ただし、施設での子供たちの過ごし方や費用に関する質問に対し、あいまいな答えを返されるようであれば施設選びを考え直してもよいかもしれません。
また、少数ですが、入寮前に親との面談がない施設もあります。
そのような施設では、スタッフの人柄や雰囲気を確認できないためあまりおすすめできません。
3-2-2:子供への接し方は問題ないか
面談の際に、お子さんも同席する場合は、こちらも必ずチェックしておきましょう。
施設で実際に生活するのはお子さん自身です。
そこで施設のスタッフが、お子さんに対しどのように接しているのかは、確認しておきたいポイントです。
ここで、お子さんの気持ちを汲み取って接してくれるようなスタッフなら、親御さんとしても安心してお子さんを預けることができるのではないでしょうか。
また、お子さん自身にとっても、この面談で施設スタッフと一度会っていると、入寮の際も知っているスタッフが居る、ということで安心材料にもなります。
3-3:お子さん自身に合っているかで比較する
施設選びで最も重要なのが、お子さん自身が前向きに施設に入りたいと思えるか、という点です。
不登校の場合、お子さんの不登校を改善すること、社会性を取り戻すことが大事ですが、そのためにはお子さん自身が楽しく過ごせること、前向きに毎日の生活を送れることなどがとても大事だからです。
お子さん自身に合っているかを、チェックする基準を紹介します。
3-3-1:子供が自分らしく過ごせるか
資料請求や実際にスタッフと会ったり、施設を見学したりして得た情報をもとに、お子さんが本当に自分らしく過ごしていけるか、あらためて考えてあげましょう。
「自分らしく」とは、現在の問題を抱えた状態だけではなく、「元気な時のお子さんの様子や性格」も考えてあげることが重要です。
今、お子さんは、不登校という劣等感や心の傷を抱えた状態です。
しかし、フリースクールで過ごし心の傷が癒えた時には、徐々にいつもの元気なお子さんに戻っていくはずです。
そうなった時に、子供がやりたいことが出来るのか、自分らしく過ごしていけるのか、選んだ施設にはその環境があるのか、よく吟味するようにしましょう。
3-3-2:前向きに入学できるか
不登校のお子さんを預けるためには、お子さん自身が前向きに入校、入寮を考えているかどうかがとても大事です。
全寮制のフリースクールでは、お子さん自身が入寮を拒否している場合は、入寮できないとしているところも多いです。
そのため、お子さんが前向きに入校、入寮できるかどうか、親子でしっかり話し合い、親がフリースクールに行くことを強いないことがとても大事です。
ただし、親子関係が崩れてしまっている場合は、その話し合い自体が難しい場合もあります。
そんな時には、フリースクールのスタッフが、親子の間に入り話し合いのサポートをしてくれる場合もあります。
気になる施設がある場合は、一度相談してみることをおすすめします。
3-3-3:お子さんのやりたいことができるか
3-3-1にも少し関わるところですが、お子さん自身にやりたいことや希望がある場合は、それが本当に実現できるフリースクールかどうかもしっかりと確認しておきましょう。
例えば、
- 今は不登校だけど学校に復帰したい
- 高卒認定試験に向けた勉強をしたい
- 将来に向けて手に職をつけたい
といった希望がお子さんにある場合には、通学の支援がある施設や学習支援、資格取得支援、就職支援などの体制が整っている施設を選ぶ必要があります。
そのため、これも親子で話し合ってお子さんの本当の希望を聞いてあげることが大事です。
それを聞いた上で、その希望が最大限マッチする施設を見つけてあげましょう。
不登校受け入れ施設として、フリースクールを選ぶ基準は、参考になったでしょうか。
「実際、これからどういう流れで行動したら良いのかな?」
という疑問もあるかもしれませんので、最後に不登校受け入れ施設としてフリースクールを探し、入寮するまでの流れを紹介します。
4章:不登校受け入れ施設(フリースクール)に入る流れ
施設による違いもありますが、フリースクールに入学、入寮するまでの流れはおおむね以下のようになります。
- 気になった施設に資料請求・問い合わせ
- 実際に施設を見学、説明会や相談会に参加
- 体験入校、面談を終えて入学
順番に説明します。
4-1:気になった施設に資料請求・問い合わせ
まずは、いろいろな施設をインターネットで調べて、資料請求をしてみましょう。
インターネット上だけでは情報が少ないことも多いため、気になった施設はすべて資料請求することをおすすめします。
入校、入寮を検討している場合は、フリースクールのスタッフに電話相談できることが多いです
実際に、現状やお子さんの様子、抱えている問題について相談して、フリースクールを利用すべきか検討することができます。
4-2:実際に施設を見学、説明会や相談会に参加
資料請求や電話相談の後、実際に施設を見学し説明会や相談会に参加します。
実際に施設の雰囲気や入校、入寮している他の子どもたちを見たり、スタッフと話すことで分かることも多いはずです。
質問があれば、このときにリストアップしておくことをおすすめします。
例えば、以下のような質問が考えられます。
- 施設利用の費用はいくらか
- 親子間での連絡はできるのか
- 自分の子と同じような子への支援実績はあるか
- 配慮が必要な子に対するケアは万全か
複数の施設を見て回っても良いと思いますが、最終的に決断できたら、お子さんの体験入校や面談、そして最終的な入校、入寮に進むことになります。
4-3:体験入校、面談を終えて入校
施設によっては、正式に入校する前に体験入校できる場合もあります。
お子さんと話した上で、お子さんが前向きに入りたいという場合は、体験入校や面談をしてみて様子を見ることができます。
お子さんが前向きであれば、実際に入校、入寮する手続きをすれば完了です。
また、全寮制のフリースクールで自宅から遠方にある場合は、自宅までスタッフに迎えに来てもらえることもあります。
お子さんの心の準備ができていない場合は、施設のスタッフが保護者とお子さんの間に入って、サポートしてくれることもあるようです。
このように、お子さんの不登校の受け入れ先としてフリースクールを選ぶのであれば、お子さんに無理がないようにしっかり調べ、検討することが大事なのです。
特に全寮制のフリースクールは、不登校改善や社会復帰のためにとてもいい施設ですが、お子さんにとっては今までと全く違う環境で生活することになるため、心の準備が必要です。
この記事を参考に、親子でしっかり話し合って、受け入れ施設を見つけて行ってください。
まとめ
いかがでしたか?
最後に今回の内容をまとめます。
■不登校受け入れ施設の種類
- フリースクール
- 学習塾
- 通信制高校
■フリースクールのタイプ
- 学習支援タイプ
- 資格取得タイプ
- 相談・居場所タイプ
- 全寮制・共同生活タイプ
- 医療機関連携タイプ
■受け入れ施設を選ぶ基準
- HPや資料請求で比較する
- 施設スタッフとの面談で比較する
- お子さん自身に合っているかで比較する
あなたのお子さんが明るく、自分らしく社会生活を送れるように、この記事を参考にして施設を探してみてください。