「何とか中学校は卒業できたけど、高校はちゃんと行けるのか?」
「せっかく進学できたのに、何となく様子がおかしい……。」
このように、あなたもお子さんの高校生活に不安があるのではないでしょうか。
結論から言うと、高校生の不登校の原因は大きく3つに分けられます。
そして、不登校になりやすい子供の特徴も判明しており、お子さんの不登校解決のために親や周囲が今すぐ取れる行動もあります。
この記事では
- 高校生が不登校になる原因
- 不登校になりやすい子供の特徴
- 高校生の不登校の注意点
- 不登校解決のために周囲が出来ること
について解説していきます。
また、不登校解決のための支援施設についても紹介していきますので、ぜひ最後まで読み進めて頂ければと思います。
ぜひ、この記事を参考に、お子さんの不登校解決のために今すぐ行動を起こしましょう。
- この記事の目次
-
- 1章:高校生の61人に1人が不登校!その原因とは?
- 1-1:【原因①】環境の変化
- 1-1-1:学習内容が難しくなる
- 1-1-2:これまでよりも自主自立が求められる
- 1-1-3:思っていた高校生活ではなかった
- 1-2:【原因②】人間関係の変化
- 1-2-1:友人関係の変化
- 1-2-2:親子関係の変化
- 1-2-3:学外の人間関係が増える
- 1-3:【原因③】将来への不安
- 1-3-1:進路選択の不安
- 1-3-2:受験への不安・プレッシャー
- 2章:不登校になりやすい子の3つの特徴とは?
- 2-1:【特徴1】感受性が強い
- 2-2:【特徴2】プライドが高い
- 2-3:【特徴3】気が弱い
- 3章:高校生の不登校の注意点とは?
- 3-1:義務教育でないため退学の可能性がある
- 3-2:学校復帰だけが不登校の解決ではない
- 4章:高校生の不登校の解決に向けて親がすべきこととは?
- 4-1:子供と向き合って話を聞く
- 4-2:子供の興味のある分野を伸ばす
- 4-3:子供の自己肯定感を高める
- 4-4:子供と将来に向けて話し合う
- 4-5:思い切って環境を変える(転校、留学など)
- 4-6:家庭環境を整える
- 4-7:子供に居場所を作る(学校に信頼できる人を作る、支援施設に頼るなど)
- 5章:高校生の不登校の子供への支援施設とその特徴とは?
- 5-1:学校(在籍校)
- 5-2:適応指導教室
- 5-3:病院・診療所
- 5-4:フリースクールなどの民間団体
- まとめ
1章:高校生の61人に1人が不登校!その原因とは?
平成30年度に行われた文部科学省の調査によると、全生徒数3,242,065人中、不登校となっている生徒数は52,723人。
これは全体の1.63%で、実に61人に1人が学校に行けていないのが現実です。(※)
しかも、少子化に伴って全体の生徒数が減ってきているにもかかわらず、不登校数は増えています。
人数は、前年に比べて約3,000人増。
全体に占める割合も、1.51%から1.63%と0.11ポイント増加しています。
また、義務教育と違い、高校は退学することもできますが、先に挙げた数字には中途退学者数が含まれていません。
つまり、不登校の実数はさらに多くなるのです。
ではなぜ、高校生の不登校の原因とはいったい何なのでしょうか?
この章では、高校生が不登校になってしまう原因について、以下の3つに分類して解説していきます。
- 環境の変化
- 人間関係の変化
- 将来への不安
それでは、一つ一つ見ていきましょう。
(※)平成 30年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について
1-1:【原因①】環境の変化
高校生が不登校になる理由として、まず挙げられるのが“環境の変化”です。
先ほどの文科省の調査では、不登校になった理由として17.6%の人が環境の変化を挙げています。
高校は、中学校とは大きく環境が変わります。
環境の変化がプラスに働くと、不登校に悩んでいた子が、順調に登校できるようになります。
実際、そのようなお子さんも少なくありません。
しかし、環境の変化を受け入れられず、不登校になってしまう子も多々いるのです。
どのように変わるのか、具体的に見ていきます。
1-1-1:学習内容が難しくなる
中学と違い、高校では学習内容はより専門的になります。
例えば中学校で“主要5教科”と呼ばれていたものは次のように分かれます。
(平成29・30年改定学習指導要領より【】内は必履修科目)
と、主要5教科の科目を見るだけで、もう頭がクラクラしてきませんか?
高校になると、科目はこんなにも細分化し、内容も高度になるのです。
さらに、高校からは「単位制」となり、単位を落とすと留年になる可能性も出てきます。
「授業について行けなかったらどうしよう?」
「成績が悪くて、先生に何か言われたらどうしよう?」
「単位を落としたらどうしよう?」
「留年してしまったらどうしよう?」
こんな「どうしよう?」と言う気持ちが渦巻いて、ストレスから不登校になってしまう生徒が出てくるのです。
1-1-2:これまでよりも自主自立が求められる
小中学校と違い、高校は義務教育ではありません。
成績や出席日数など、学校があらかじめ定めた基準をクリアしなければ、進級できません。
また、卒業後は進学するのか就職するのか、進学の場合、理系なのか、文系なのか、もしくは専門学校なのか?
目指す進路に合わせて、受けるべきカリキュラムも変わってきます。
学ぶべき内容を、自分の将来を見すえた上で、自分自身で決めていかなくてはならないのです。
それに合わせて、学習内容も高度に、かつ自らが考えて動くものに変わっていきます。
つまり、高校生活では、やるべき事を自分で考え、こなしていく能力が必要となってくるのです。
この能力が足りないと、どんなにやる気があっても高評価をもらうことが難しくなります。
頑張っても頑張っても、成績が上がらない……
このことがストレスになって、不登校になってしまう可能性があります。
1-1-3:思っていた高校生活ではなかった
中学の3年間、子どもたちは進路学習を通して自分なりの「高校生活」のイメージを作っています。
しかし、実際に入学してみると、その理想と現実のギャップに悩むことがあります。
例えば、高校ではある程度自分と同じ成績の子が集まるので、中学ではトップだった成績も下位になってしまうことがあります。
やりたかった部活や友達関係にしても「あれ?こんなはずじゃなかった」と感じることもあるはずです。
このようなギャップは誰しも感じることですが、それがあまりにも強すぎると、抑うつ状態に陥ってそこから不登校になることがあります。
また、高校受験に失敗した場合、滑り止めに入学した時点で「燃え尽き症候群」になっていることがあり、そこから不登校となるケースもあります。
1-2:【原因②】人間関係の変化
文科省の調査によると、不登校となっている生徒のうち、20.3%が友人関係の問題、15%が家庭内の問題と、合わせて全体の3分の1以上が対人関係の問題を理由に挙げています。
これら対人関係の悩みは、思春期特有のものが少なくありません。
大人から見れば「大したことない」ことでも、本人たちにしてみれば深刻な問題となるのです。
では、具体的にどんな問題があるにか見てみましょう。
1-2-1:友人関係の変化
思春期は、対人関係に大きな変化が訪れる時期です。
中学生頃から始まる、“親離れ”に伴い、仲間への依存度が急速に強くなってきます。
そういう状態にある中で、高校入学に伴い、友人関係は一度「リセット」されます。
新たな場所で新たな友人関係を構築しなければならないのです。
高校は、小中学校と違い1学年の人数も多く、自分の地元以外からも多くの生徒が集まってきます。
入った学校によっては、0から友人関係を作らなくてはいけないこともあります。
この時、気の合う友人を作ることができなかったり、クラスに上手くなじめなかったりすると、そこから不登校になることがあります。
それだけ、この年代は「ひとりぼっち」が耐えがたい子が多いのです。
1-2-2:親子関係の変化
思春期は、親への気持ちが揺れ動く時期です。
自立したいという気持ちと、依存する気持ち、相反するふたつの感情が渦巻いて、行動にも変化が現れてきます。
激しく親を批判してきたと思ったら、急に甘えてくる――そんなクルクル目まぐるしく態度に、親もどう接して良いか解らなくなります。
嵐のように揺れ動く気持ちを理解し、適度な距離感を保ちながら、子どものサポートをするのが理想的なのですが、なかなかそう上手くはいかないでしょう。
しかし、その距離感をつかめないと、子どもは親子関係に強いストレスを感じ、そこから不登校へと発展する可能性があります。
1-2-3:学外の人間関係が増える
高校になると、人間関係も親の想像以上に広がってきます。
総務省の令和元年度版情報通信白書によると、2018年度の13~19歳のSNS利用率は実に75%。
前年の68.4%から明らかに増加しています。
LINEやTwitter、Instagramといったメジャーなものから、MixChannelのようなライブ配信サービスまで、さまざまなSNSが数限りなく存在し、若い世代ほどこれらを上手く使いこなし、交友関係を広めて行きます。
また、オンライン以外でも、交友関係は広がっていきます。
2020年度から始まる大学入学共通テストでは、部活やボランティア活動などの課外活動も、合否の判断基準のひとつとなります。
そのため学校側でも、そういった活動への参加を勧めており、学外でボランティアを始める生徒も増えてきています。
また、バイトを始める子もおり、学校とはまったく異なる社会人のコミュニティで友人を作る機会も出てきます。
このように、高校生になると立場や年齢の違う人間と接する機会が格段に増えるのです。
学校外のコミュニティに強い魅力を感じ、高校への興味を失って不登校となる可能性もあります。
もともと仲間への依存度が高い年代です。
広がる交友関係には、さまざまなリスクが潜んでいることは言うまでもありません。
1-3:【原因③】将来への不安
文科省の調査によると、不登校となっている生徒のうち、28.6%が学業・進路への不安を理由としています。
どういったことを不安に感じるのか、具体的に見てみましょう。
1-3-1:進路選択の不安
中には中学の段階から自分の進路を決め、それに合わせたカリキュラムを学べる高校に進学している子もいますが、ほとんどの子はそうではありません。
「成績にあったから」
「通いやすいから」
「やりたい部活があったから」
多くの子が、将来よりももっと手近な理由で、高校を選択しているのではないでしょうか。
しかし、高校卒業後の進路は違います。
もっと具体的に、はっきり決めないと行けなくなってきます。
やりたいことが見つからない、この進路で本当に良いのか?
将来への答えを見つけられないプレッシャーから、強いストレスを感じ、不登校になってしまうことがあります。
将来への答えを見つけられず、それが不登校の原因になっているという場合は、通信制高校に転校する選択肢もあります。
多くの通信制高校では、自宅学習ができたり、通学日数を自由に決めることができるため、不登校のお子さんでも通いやすいです。
さらに、一部の通信制高校ではお子さんが好きなことを追求できるように、様々なコースが用意されています。
高卒資格を取得するだけでなく、将来に繋がる専門性を見つけることもできるため、進路に迷い不登校になっているお子さんにおすすめなのです。
詳しくは、以下の記事でも解説しています。
不登校・引きこもりの子供が通信制高校に通うメリットと学校の選び方
1-3-2:受験への不安・プレッシャー
受験するだけの成績は足りているのか、志望校に合格できるのか、という不安から来るストレスは計り知れません。
さらに今、現役の高校生は、新しい「受験制度」への不安でより強いストレスを感じています。
2020年度から始まる大学共通入試テストは、申込み準備が始まる直前に英検導入が中止になるなど、混乱が続いています。
「一体どんな入試」になるのか、多くの受験生が不安を感じています。
入試制度の運用が固まり、方向性が見えてくるまでは、新しい入試制度への不安に悩む生徒が減ることはないでしょう。
現役の高校生は、ただでさえ強い受験へのストレスに、新しい制度への不安も加わって、不安定な状態になっているのです。
ここまで、高校生が不登校になってしまう背景を見てきました。
SNSの広がりや、入試改革の影響など、不登校になる要因が増えてきているのもご理解いただけたでしょうか。
高校生を取り巻く環境は、過酷と言えます。
しかし、全ての子が不登校になるわけではありません。
多くの子どもたちは、しっかりと学校に通えています。
何が違うのでしょうか?
次は、「学校に通える子」と「通えない子」、その違いは何かを見ていきたいと思います。
2章:不登校になりやすい子の3つの特徴とは?
「学校に通えない子」不登校になりやすい子には、共通する特徴があります。
その特徴とは、下記の3つです。
- 感受性が強い
- プライドが高い
- 気が弱い
この3つの特徴をもつ子どもは、新しい環境になじみづらく、結果、不登校となってしまうことが多いのです。
1つずつ、詳しく見ていきましょう。
2-1:【特徴1】感受性が強い
感受性の強い子は、言い変えれば人の反応を気にしやすい子です。
これがプラスに働けば“気の利く子”ですが、気が利きすぎて、人の顔色ばかりをうかがってしまいがちです。
「こんなことすると、気分を悪くさせちゃうかな」
「こんなこと言うと、悲しくさせちゃうかな」
このような気持ちが先走って、自分の本当の気持ちを上手く表現できなくなります。
1-1 で述べましたが、小中と違って高校は環境や立場が激変します。
そのため、感受性の強い子は、、新しい環境に強いストレスを感じ、不登校を起こしやすくなります。
しかし、高校には単位制や通信制など、強い感受性を持った子どもでも通いやすいものがあります。
感受性が強く、小中と引きこもりがちだった子でも、高校になったら普通に通学できるようになったケースも少なくありません。
志望校を選ぶときは、その子にあった学校を選ぶことも大切ですが、途中で違ったかな?と感じたら、高校は小中学校と違って“やり直す”ことも可能です。
高校は「逃げ道」「回り道」がいくらでもあることを示してあげれば、高校生活で感じるストレスもだいぶ改善されます。
2-2:【特徴2】プライドが高い
そもそもプライドの高い子は、高校生になったときに注意が必要な性格でもあります。
さまざまなレベルが集まる小中学校と違い、高校は一定のレベルでまとまります。
ハイレベルな学校に入った場合、勉強にしろ運動にしろトップクラスだったものが、平々凡々どころか、下位レベルになってしまうこともあり得ます。
そこで大きな壁、挫折と向き合うことになります。
自己評価と実際の評価が離れれば離れるほど、挫折感も大きくなります。
その結果、学校への興味を失ってしまうおそれがあります。
そこに感受性の強さを合わせ持つと、より大きなストレスを抱えることになります。
周りに合わせてしまう自分を、知らず知らずのうちに責めてしまう傾向があるからです。
「なんで、あの時、思ったことを言えなかったんだろう?」
そう考えても、結局、何もできずに終わってしまいます。
気を遣って、周りに合わせてしまう。→ そのことを後悔する
学校生活を送る中で、このループを無限に繰り返していくことになります。
そのストレスが極限まで達してしまうと、不登校の状態になってしまうのです。
2-3:【特徴3】気が弱い
気が弱いというのは、自己肯定感が低く、自分に自信がないということです。
同時に、とてもストレスがたまりやすいことを意味しています。
ストレスは、どこかに吐き出せれば楽になります。
しかし、気が弱いゆえに吐き出し先を見つけられず、ストレスをどんどんため込んでしまうのです。
その結果、不登校やひきこもりになってしまうのです。
高校生は思春期後期、思春期の最終段階にあり、「自分は自分、他人は他人」という自覚が芽生える時期でもあります。
こういう精神的な成長の課程で、不登校も改善していく場合があります。
しかし一方で、精神的成長に至る過程での激しい葛藤で、不登校が悪化する場合もあります。
どちらにしろ、今まで以上に親のサポートが、重要になってくる時期であることに間違いはありません。
次章では、子どもが不登校になってしまったとき、親が注意しなければならないことをご紹介します。
3章:高校生の不登校の注意点とは?
3-1:義務教育でないため退学の可能性がある
高校は小中学校と違い、義務教育ではありません。
小中学校では、入学したら必ず卒業できます。
数日しか登校しなくても、テストをまったく受けなくても卒業できるのです。
しかし、高校は違います。
学校が定めた出席数に満たなかったり、成績が基準に満たなかった場合は、留年になります。
そして留年も限度があり、留年を繰り返すと退学になります。
つまり、高校は不登校から退学になってしまう可能性があるのです。
留年を防ぐためには、早い段階で学校の担任と連携を取り、欠席や成績のリミットを確認するといいでしょう。
学校によっては出席情報を郵送で定期的に通知してくれたり、オンラインで確認することもできます。
しかし、その学校で卒業したいという希望があるのなら、情報の共有という面でも、担任とはしっかり連絡を取ることをお勧めします。
3-2:学校復帰だけが不登校の解決ではない
不登校は、お子さんにとって無意味ではありません。
この学校で本当に良かったの?
もっと違うことがやりたいかもしれない……
自問自答して、自分を見つめ直すための必要な時間にもなるのです。
高校進学は、お子さんにとって選択肢のひとつであり、絶対ではありません。
もし、やりたいことが、高卒資格を必要とするものだったら、高卒認定試験に合格するという方法もあります。
わざわざ高校に行かなくても、高卒資格は取れるのです。
毎朝、同じ時間に起きて学校に行くことが苦痛でも、できれば高校に行きたいという気持ちがあれば、通信制や単位制の高校に入り直すという方法もあります。
これらの高校には、成人した後、学校に入り直した生徒も普通に学んでいます。
無理して今、学校に行かなくても、いくらでもやり直せるチャンスはあるのです。
100人いれば、100通りの解決方法が存在します。
大切なのは、何が一番の解決方法なのか、親子で一緒になって探っていくことです。
そのために、親としてやるべき事を、次章で解説します。
4章:高校生の不登校の解決に向けて親がすべきこととは?
4-1:子供と向き合って話を聞く
通常、思春期のピークは14歳頃と言われていますが、そのピークが遅れてくると、高校に入ってから不登校を起こしやすくなります。
思春期は、生まれたときから築いていた親子関係の総決算です。
あなたはどんな親でしたか?
子どもにどれくらい時間を割いていましたか?
親にしてみれば些細なことでも、子どもにとってはとても深刻で重要だったことが少なくありません。
子どもの話を聞こうとすると、相手は長い間抱えていた不満を一気にぶつけてくることがあります。
「死んじゃえばいい」というような、きつい言葉も浴びせられるでしょう。
もちろん、本心ではありませんが、聞かされる方もたまったものではありません。
それでも、ちゃんと向き合って、話を聞いてあげて下さい。
お子さんも、傷だらけになりながら発している言葉です。
そして、話を聞く時は
- 最後まで話を聞く
- 話の内容に共感する
- お子さんが言っていることを認めてあげる
この3点を心がけて下さい。
傾聴・共感・承認はコーチングでよく聞く言葉ですが、本人も気づいてない本当の気持ちを引き出すには有効な手段です。
親として言いたいことがあるかもしれません。
明らかに間違っていることを、言っている時もあるかもしれません。
でも、まずは話を聞いてあげること。
そして、言っていることを認めてあげること。
そうすることで、今まで見えてこなかった問題が見えてくるのです。
4-2:子供の興味のある分野を伸ばす
不登校となる子どもたちは、絵や文章、歌や演奏など、芸術的な分野への感受性が高いことが多くあります。
実際、私が知っている子どもたちも、ミュージカルの舞台に立ったり、イラストや小説を投稿サイトに発表したりしています。
学校に行けない間は、こういうお子さんが興味を持つ分野をどんどんやらせてあげましょう。
子どもと一緒に楽しむことで、親子のコミュニケーションも深まります。
お子さんが興味あることをやることは、傷ついた心の癒やしとなります。
また、承認欲求や肯定感を満たすこともできます。
さらに、好きな分野を将来どう活かすかと言った、未来のビジョンも見えてくることもあります。
お子さんが興味のあることを見つけるために、通信制高校に進学するのもおすすめです。
なぜなら、一部の通信制高校では不登校や引きこもりのお子さんが好きなこと、興味のあることを見つけて追求できるように様々なコースが用意されているからです。
好きなことを見つけたいお子さんにおすすめなのが、以下の通信制高校です。
- KTCおおぞら高等学院
-
高卒資格がゴールじゃない。なりたい大人になるための学校。
KTCおおぞら高等学院の特徴 - 自分の個性や興味に合わせて 3つの学科から選べる!
- 進学・プログラミング・マンガ・ネイルなど多様なコース!
- 海外体験プログラムも!
KTCおおぞら高等学院は、2002年に設立されて以降、全国にキャンパス(サポート校)を展開してきた大手の通信制高校です。
興味を追求する「みらい学科」には、プログラミング、ネイル、マンガなどの専門コースがあり、
「とにかく高卒資格は取得させたい」
「好きなことを見つけて不登校を改善させたい」
「将来役立つ専門性を見つけてほしい」
といった場合に向いています。
資料請求は無料ですので、ぜひ一度検討してみてはいかがでしょうか?
一ツ葉高等学校は、2008年に設立された通信制高校です。
大学進学コース、アメリカ大学進学コース、ニューヨークダンス留学コース、通学ゼロで夢を追いながら高卒資格取得を目指すコースなどがあり、
「海外に行きたい」
「レベルの高い大学に進学したい」
「やりたい夢がある」
といったお子さんに向いています。
資料請求は無料ですので、ぜひ一度検討してみてはいかがでしょうか?
クラーク記念国際高等学校は、全国で1万人もの生徒がいる最大の高校であり、通学できる拠点も全国にあります。
週5日通学するコースから、通学日数を自分で選択できるコースまであるため、お子さんに無理のない範囲で通学させ、マイペースに学習しながら高校生活を送りたいという場合に向いています。
詳しくは、公式HPからご確認ください。
4-3:子供の自己肯定感を高める
不登校となった子どもたちは、自分に自信がなくなっています。
些細なことでもいいので、とにかくお子さんを褒めてあげましょう。
最初のうちは、何を褒めて良いのか解らないかもしれません。
褒めるところを見つける、というのがゲームになることもあります。
我が家の不登校児などは、「はい、私の良いところ10個言って」と、いきなり勝負を挑んでくることがあります。
朝起きたら、「ちゃんと起きられてえらいね」というひと言でもいいのです。
とにかく、褒めるところを見つけて褒めるのです。
褒めることと同じくらい大切なことは、「ありがとう」を言うこと。
日が暮れて暗くなった部屋の電気を付けたり、冷暖房を付けたりすることは自分の為かもしれません。
でもお子さんが自分で何かしたら、「○○してくれてありがとう」と言ってみてください。
自分がやったことは、誰かの役に立っていると感じることは、自信に繋がります。
自信が出てくることで、心の力も回復して、次の段階へ進めるようになります。
4-4:子供と将来に向けて話し合う
高校は、絶対に行かなくてはいけないものではありません。
しかし、高卒資格が、いろいろなところで必要になることも否定できません。
おぼろげながら、何かやりたいことがあるならば、それは高卒資格が必要なのか、学歴問わずできるものなのかで、とるべき選択肢が変わってきます。
高校は行きたくないけれど、大学や専門学校には行ってみたいと言われたら、高卒資格認定試験というものもあります。
また高校は中学と違い、3年経ったら絶対卒業、ということにはなりません。
休学することもできるからです。
学校に行けない、でも、何をどうしたらいいのか解らない?
お子さんがそんな状態であれば、休学して学校生活を一時停止し、この先をゆっくり考える時間を作ることもできます。
お子さんが不登校になったとき、取るべき方法はいろいろあります。
大切なのは、お子さんにとって何が一番なのかを考えることです。
そのためには、お子さんとしっかり話し合うことが必要です。
4-5:思い切って環境を変える(転校、留学など)
先ほど述べたように、高校生にはいろいろな選択肢があります。
少し休んだら、元の学校に戻れるケースももちろんあります。
しかし、進学した学校が、実はお子さんに合っていない場合もあります。
もし、「この学校は無理だ」と感じたら、思い切って学校を変えてみるという方法もあります。
進学校で、勉強が苦痛に感じていれば、普通校に変えて負担を減らすことができます。
朝起きて、同じ時間に登校するのが苦痛でしたら、単位制や通信制の高校に変えるという方法もあります。
また、海外に興味があるのでしたら、留学してみるのも1つの方法です。
海外留学することで視野が広がり、自立心もつきます。
海外留学専用の奨学金もあるので、思ったよりハードルも低く実行できます。
ガラリと環境を変えることで、学校生活を楽しめるようになり、普通に登校し卒業できる子どもたちも少なくありません。
頑張って入学したんだからと、同じ学校に通い続けることに固執せず、新しい環境に変えることも視野に入れてみてはいかがでしょうか。
4-6:家庭環境を整える
1章でも挙げていましたが、不登校となっている高校生のうち15%は、家庭内の問題を原因としています。
このうちのほとんどは、前述したとおり親子関係から来るものです。
しかし、親子関係以外にも兄弟との関係、祖父母との関係なども問題になることがあります。
特に、高校生ぐらいになってくると、祖父母が要介護の状態になってくる場合もあり、家族関係の変化が新たな問題になる可能性もあります。
まずはお子さんの話をしっかり聴き、何が問題となっているのかを理解する必要があります。
そうすることで、お子さんが少しでも居心地を良くするには、どうしたら良いのかが解ってきます。
4-7:子供に居場所を作る(学校に信頼できる人を作る、支援施設に頼るなど)
不登校を、親子の力だけで解決するには限界があります。
元いた学校に戻るという目標があれば、学校との連携は不可欠ですし、お子さんだけでなくご両親が相談できる場所も必要です。
特に、思春期のお子さんは親の言うことは聞かなくても、第三者の意見なら素直に聞く傾向があります。
そう言った意味でも、お子さんが信頼できる第三者の存在も必要不可欠です。
次章では、どういう支援があるのか解説します。
5章:高校生の不登校の子供への支援施設とその特徴とは?
5-1:学校(在籍校)
文科省の調査のよると、半数近い43.9%の生徒が、自分の学校の養護教諭やスクールカウンセラーに相談や指導を受けているそうです。
メリットとしては、“勝手知ったる”ところなので、相談する方も相談を受ける方もスムーズに行くという点です。
養護教諭やスクールカウンセラーなら、担任に言えないことも相談しやすく、学校復帰後も引き続き支援してもらえます。
ただ、まず学校に行かないと相談できないので、学校への拒否感が強いと利用できません。
また、スクールカウンセラーが常駐しているところは少なく、相談日に限りがあるため、話を聞いて欲しいときに聞いてもらえないこともあります。
5-2:適応指導教室
適用教室は教育委員会が設置している不登校児童生徒の支援施設です。
本来は小中学生のための施設ですが、高校生も受け入れ可能なところがあります。
実際、相談先として0.5%の高校生がこの適応指導教室を挙げています。
勉強の支援をしてもらえたり、カウンセラーに相談できるという利点があります。少人数制なので、人間関係に疲れた生徒にも利用しやすいでしょう。
ただ、小中学生であれば、通級することで出席扱いにしてもらえますが、高校生はそのような措置がないことが多いので注意してください。
5-3:病院・診療所
起立性調節障害や睡眠リズム障害など、思春期の子どもが起こしやすい病気で不登校になっていたり、発達障害を持っている場合、専門医の治療や投薬が必要になります。
文科省の調査では、12.9%が病院や診療所を利用しています。
デメリットは、思春期外来や睡眠外来といった専用の診療科の数が少なく、予約も取りにくいことです。
また、本人や親が診察に抵抗感があり、病院に行かないケースや、そもそも治療が必要なことに気づいていない場合などがあり、治療が必要なお子さんはさらにいると考えられます。
5-4:フリースクールなどの民間団体
フリースクールは不登校の児童生徒を支援する民間の団体です。
不登校対応のスペシャリストが在籍しているのが特徴で、一人一人に合わせた手厚いサポートを受けられます。
高校生では、不登校者数の0.6%がフリースクールを利用しています。
適応指導教室同様、条件がそろえば出席扱いとなりますが、基本的に小中学生対象の制度のため、高校生の場合は、欠席扱いとなることがほとんどです。
フリースクールは、適応指導教室と違い、復学だけを目的としていません。
高卒資格認定試験合格や大学受験に向けてのサポートや、通信制高校卒業のサポートなども行っています。
高校に行くのは難しいけれど、高卒資格は欲しい、大学には行きたいという子に向いています。
このように、支援施設にもさまざまな種類があります。
もちろん、複数の支援を受けることも可能です。
大切なのは、お子さんが継続できることです。
お子さんにとって最適な支援が受けられるよう、各種支援施設の情報は事前に調べておくと良いでしょう。
まとめ
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