あなたは
「中学生の子供が不登校になってしまった」
「不登校の原因が知りたい」
「解決するためにはどうしたらいいの?」
といった疑問やお悩みをお持ちではないですか?
大切なお子さんが不登校になってしまうと親としてとても心配になりますよね。
結論から言うと、
中学生の不登校の原因は大きく3つに分けられます。
そして不登校になりやすい子供の特徴も判明しており、お子さんの不登校解決のために親や周囲が今すぐ取れる行動もあります。
この記事では
- 中学生が不登校になる原因
- 不登校になりやすい子供の特徴
- 中学生の学年別、不登校の原因
- 不登校解決のために周囲が出来ること
について解説していきます。
また、不登校のお子さんの学校以外でのお勧めの過ごし方についても紹介していきますので、ぜひ最後まで読み進めて頂ければと思います。
ぜひ、この記事を参考に
- この記事の目次
-
- 1章:中学生では27人に1人が不登校!その背景とは?
- 1-1:環境の変化
- 1-1-1:校則が厳しくなる
- 1-1-2:勉強が難しくなる
- 1-1-3:人間関係の変化
- 1-1-4:生活環境の変化
- 1-2:心の変化(思春期・反抗期)
- 1-2-1:周りとの違いが気になりだす
- 1-2-2:心理的な成熟度の違いが出てくる
- 1-2-3:親離れしたいが完全には出来ない葛藤
- 1-3:将来への不安
- 1-3-1:受験・進学など自分の将来についての不安
- 1-3-2:漠然とした不安(やりたいことが見つからない、学業不振)
- 2章:中学生で不登校になりやすい子の3つの特徴とは?
- 2-1:①感受性が強い
- 2-2:②プライドが高い
- 2-3:③気が弱い
- 3章:中学生の不登校の学年別の原因とは?
- 3-1:中学1年生
- 3-2:中学2年生
- 3-3:中学3年生
- 4章:中学生の不登校の解決に向けて親がすべきこととは?
- 4-1:子供と向き合って話を聞く
- 4-2:子供に無理強いしない
- 4-3:子供の興味のある分野を伸ばす
- 4-4:子供の自己肯定感を高める
- 4-5:子供と将来に向けて話し合う
- 4-6:家庭環境を整える
- 4-7:学校に信頼できる人をつくる
- 4-8:支援施設を頼る(子供に居場所を作る)
- 5章:中学生の不登校の子供にお勧めの過ごし方とは?
- 5-1:自宅学習
- 5-2:適応教室に通う
- 5-3:フリースクールに通う
- 5-4:今しかできない経験をさせる
- まとめ
1章:中学生では27人に1人が不登校!その背景とは?
大切なお子さんが不登校になってしまうと親としてとても心配な気持ちになりますよね。
文部科学省の調査結果によると、平成30年度の中学生の不登校児童は全国で119、687人いることが分かりました。
これは全体の3.6%に当たる人数で中学生の27人に1人は不登校ということになります。(※1)
※1「平成30年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」より
また、同じ調査により、小学生の不登校児童は144人に1人の割合だったので、中学校に上がると不登校の子供の数が急激に増加していることが分かります。
では、小学生から
この章では、中学生が不登校になってしまう原因について以下の3つに分類して解説していきます。
- 環境の変化
- 心の変化
- 将来への不安
それでは、一つ一つ見ていきましょう。
1-1:環境の変化
小学校から中学校に上がると、子供を取り巻く環境も大幅に変わってきます。
その中でうまく環境の変化に対応できないと子供がストレスを抱え、不登校の原因となってしまう場合があります。
小学校から中学校に上がることで生まれる環境の変化は例えば以下のようなものが挙げられます。
- 校則が厳しくなる
- 勉強が難しくなる
- 人間関係の変化
- 生活環境の変化
では、それぞれについて解説していきます。
1-1-1:校則が厳しくなる
まず、中学校に入学すると訪れる環境の変化として校則が厳しくなるということが挙げられます。
小学校では、制服がない学校がほとんどですが、中学校で制服決められているところが多く、みんなと同じ格好で登校することが求められます。
また、それ以外にも頭髪検査や持ち物検査があったり、身だしなみにも一定の規則が設けられます。
さらに、小学校時代よりも授業時間増加し、その分休み時間が減ります。
これらの校則の厳しさが小学校から上がってきた子供にとって大きな負担となり不登校になってしまう場合があります。
また、小学校から中学校に上がった段階で親や先生からも「自分のことは自分でやりなさい」といった自主自立を求められることがあり、このような周囲の態度の変化が子供にとってストレスになり不登校の原因となる場合もあります。
1-1-2:勉強が難しくなる
次に、中学校に上がった際の環境の変化として挙げられるのが、勉強が難しくなるということです。
小学生の間は勉強についていけた子でも中学校に入って難易度が上がると成績が落ちてしまう子もいます。
さらに、定期テストでも点数や学年の順位などが出るようになり、そこで周りとの比較に落ち込んでしまう場合があります。
勉強が難しくなり、ついていけなくなると授業がつまらなく感じるようになり、集中力が途切れ、さらに勉強が分からなくなるという悪循環に陥ってしまいます。
そうなると、退屈で分からない授業を聞いていることがストレスとなり不登校になってしまう場合があるようです。
1-1-3:人間関係の変化
次に、中学校入学後に訪れる環境の変化として人間関係の変化が挙げられます。
中学校は、それまでの小学校と違い学年やクラスの人数増加が増加する傾向にあります。
また、その中での友人関係も変化していき、小学校の間はみんなで仲良くしていた子供たちも、自分の趣味や嗜好と似た友人だけと深く付き合うようになり少人数のグループが出来ることが多いようです。
さらに中学生になると、
- 部活が本格的になる
- 塾など学外の人間関係が出来る
こともあり、クラス以外でも新たな人間関係を築いていく必要があります。
加えて、小学校のクラス担任制から教科担任制へと変わる中学校では教師との関係も新たに築いていかなくてはなりません。
中学校でも担任の先生はいますが、担当教科の時間とホームルームでしか顔を合わせないため、小学校のクラス担任とはまた距離感が変わってくることもあるでしょう。
このように小学校から中学校に上がることで様々な人間関係を新たに築くことが必要になります。
ここで、新たな人間関係づくりが上手くいかなかったり、元々人間関係づくりに苦手意識がある子などは大きなストレスを抱えて不登校になってしまう場合があります。
1-1-4:生活環境の変化
最後に、中学生に上がることで訪れる環境の変化として生活環境の変化が挙げられます。
1-1-3でも少し触れたように、中学生になると部活や塾などに通う子供も増えてきます。
そのため、今までよりも夜帰るのが遅くなり生活リズムが変わることもあるでしょう。
生活リズムが変わることでそれまで保っていた睡眠リズムが崩れ、昼夜逆転生活に陥ってしまう場合があります。
実は不登校になってしまった子が中々学校復帰できなかった理由として、朝起きられなかったからという子が34%もいることが分かっています。(※2)
※2「不登校に関する実態調査 ~平成18年度不登校生徒に関する追跡調査報告書~」より
このように生活環境の変化も不登校に直結する原因となる場合があります。
1-2:心の変化(思春期・反抗期)
次に、中学生が不登校になってしまう原因として挙げられるのが心の変化です。
中学生に上がるころにはほとんどの子供が思春期を迎えており、同時に親への反抗心も高まってくる時期です。
中学生の心の変化は例えば以下のようなものが挙げられます。
- 周りとの違いが気になりだす
- 心理的な成熟度の違いが出てくる
- 親離れしたいが完全には出来ずに葛藤する
では、これらの心の変化がどのように不登校の原因となってしまうのか一つ一つ解説していきます。
1-2-1:周りとの違いが気になりだす
第一の心の変化として、周りとの違いが気になりだすという点が挙げられます。
中学生は、思春期とともに第二次性徴期を迎えて身体も大人へと近づいていきます。
しかし、その成長は個人差があり遅い子や早い子様々います。
この時期の子供は友達との些細な違いも気になってくるので、人よりも成長が遅い早いということが過剰に気になってしまうとそれがストレスになる場合があります。
また、身体の成長について友人から言われた些細な言葉が深く心を傷つけてしまう場合もあり、そのことがきっかけとなり不登校になってしまう場合もあります。
1-2-2:心理的な成熟度の違いが出てくる
次に、心の変化として挙げられるのが、心理的な成熟度の違いが出てくるという点です。
先ほどもお伝えしたように、この中学生という時期は身体も大きく成長してくる時期です。
その身体の成長に対して心の成長が未熟であった場合や、逆に心は大人に近づいているのに身体の成長が追い付いていない場合は子供に大きなストレスがかかる場合があります。
さらに、友人との間で心理的な成熟度に違いが出てくると、それもストレスの原因となります。
例えば、本人は真面目に授業を受けたいと思っているのに、友人たちは「真面目に授業を受けるなんて格好悪い」などと思っていると、周りと自分の気持ちとのギャップに悩んでしまう場合があります。
このように自分自身の中や周りの友人たちとの間で心理的な成熟度に違いが出てくると、そのストレスが積み重なり不登校になってしまう場合があります。
1-2-3:親離れしたいが完全には出来ない葛藤
次に、中学生の心の変化として「親離れしたいが完全にできない葛藤がある」ということが挙げられます。
小学生の内は親の保護の下で安心して生活していた子でも、中学生になると自立心が芽生えてくることがほとんどです。
このこと自体は子供が大人になる過程としてとても重要な成長の一環ですが、実際には中学生という立場で完全に親の保護下を抜けて生活できる子はほとんどいません。
親離れしたいけれど、自分にまだその力が育っていないという状況は子供の心にストレスを与えます。
そのことに加えて例えば家庭環境に問題があったりすると、子供の心が不安定になりやすく不登校につながる原因となってしまう場合があります
1-3:将来への不安
ここからは、原因の3つ目として将来への不安について解説していきます。
中学生の子供が抱える将来への不安は例えば以下のようなものが挙げられます。
- 受験・進学など自分の将来についての不安
- 学業不振・やりたいことが見つからないという漠然とした不安
では、一つ一つ解説していきます。
1-3-1:受験・進学など自分の将来についての不安
中学校までは義務教育のためほとんどの子が卒業できます。
しかし、その後高校に進学するためには受験が必要になったり、就職する子は就活をすることになります。
これらの受験や就活に対する不安が子供にとってストレスとなり不登校になってしまう場合があります。
また、受験や進学に対する不安があると、学校での勉強に前向きに取り組むことができず、結果として学業不振になってしまう場合もあります。
そうなると、より受験、進学への不安感が大きくなりストレスを抱えきれずに不登校になってしまう場合もあります。
1-3-2:漠然とした不安(やりたいことが見つからない、学業不振)
次に中学生が抱えやすい将来への不安として漠然とした不安があります。
これは進学などを控えて周りの友人が進路を決めていく中で、自分にはやりたいことがないとか、成績が良くなくて希望の進路が選べないなど様々な不安が重なって起こります。
また、思春期特有の気分の変調などでも漠然とした不安を抱えてしまう場合があります。
これらの不安感が長く続くと勉強やそれ以外の趣味などに関してもやる気がなくなっていき、学校へ行く意欲が低下し不登校になってしまう場合があります。
実際に不登校になってしまった中学生への調査によると、不安感や無気力感を持っている子の割合は6割を超えていることが分かっています。(※1)
※1「平成30年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」より
いかがでしょうか。
ここまで中学生の不登校児童数の増加の背景について
- 環境の変化
- 心の変化
- 将来への不安
の3点に分類して解説してきました。
しかし、同じような背景を持った子供でも不登校になってしまう子とそうでない子がいます。
では両者の違いはいったい何なのでしょうか。
そこで、2章では不登校になりやすい子供の特徴について解説していきます。
ぜひ、2章も参考にしてお子さんが不登校になってしまった原因について理解を深めていきましょう。
2章:中学生で不登校になりやすい子の3つの特徴とは?
1章では中学生の不登校児童数の増加の背景について以下の3つの要素に分けて解説してきました。
- 環境の変化
- 心の変化
- 将来への不安
しかし、同じような不安や環境の変化にさらされても不登校になる子とならない子がいます。
では、両者の違いとはいったいなんのでしょうか。
そこで、この2章では不登校になりやすい子の特徴について解説していきます。
不登校になりやすい子供の特徴として以下の3点が挙げられます。
- 感受性が強い
- プライドが高い
- 気が弱い
では、一つ一つ解説していきます。
2-1:①感受性が強い
不登校になりやすい子供の特徴の一つ目として「感受性が強い」ということが挙げられます。
感受性が強い子は、周囲の環境の変化や自身の不安感に敏感なため、1章で解説したような不登校の原因に心身ともに振り回されやすい場合があります。
また、感受性の強い子は、変化していく人間関係の中で友人の目が気になりやすくそこにもストレスを抱えてしまう場合があります。
1章で解説したように中学生になると、それまでよりも多くの場面で新たな人間関係を築いていく必要があります。
そこにストレスを抱えやすい子は不登校になってしまう可能性がほかの子供よりも高いと言えます。
このように感受性が強い子はそうでない子に比べて不登校になる可能性が高いと言えます。
2-2:②プライドが高い
次に不登校になりやすい子供の特徴として「プライドが高い」ということが挙げられます。
このような子は、成績などで比べられることに耐えられなかったり、周りと比較して未熟な自分を感じやすいといった場合があります。
1章で解説したように中学生になるとそれまでよりも勉強が難しくなり、定期テストなどで周りとの成績が比較されるようになります。
その時に過度にプライドが高い子は、ストレスを抱えやすく、そうでない子に比べて不登校になってしまう可能性が高くなります。
2-3:③気が弱い
次に不登校になりやすい子供の特徴として挙げられるのが「気が弱い」ということです。
このような子は、中学生に上がり、人間関係が複雑化すると自分の思ったことや考えを言えずにストレスを抱えてしまう場合があります。
また、このような特徴を持つ子は親に対しても心配をかけたくないという気持ちが強い場合が多く、不安を抱えていても両親に頼ることができないケースが多くあります。
このように、気が弱いという特徴を持つ子は、複雑化する人間関係の中でストレスを一人で抱え込んでしまい、ある日突然爆発して不登校になってしまう可能性があります。
いかがでしょうか。
ここまで、不登校になりやすい子供の特徴について以下の3点を挙げて解説してきました。
- 感受性が強い
- プライドが高い
- 気が弱い
このような特徴を持つ子は、1章で解説したような不登校の原因でストレスを感じやすく、特徴を持たない子に比べて不登校になってしまう可能性が高いと言えます。
ただし、これらの特徴を持つ子供にとって不登校の期間とは一概に悪いことではなく、自分を見つめ直したり、環境の変化に対応するために必要な期間の場合もあります。
そこで、もし今お子さんが不登校になってしまっている場合には、この機会をうまく活用し、親子でお子さんの将来について考える期間にして頂ければと思います。
その際のお子さんとの向き合い方については4章を、不登校のお子さんにお勧めの過ごし方については5章をご参照ください。
それでは、次章では中学生の不登校の学年別の原因について解説していきます。
3章:中学生の不登校の学年別の原因とは?
ここまで1章では、中学生で不登校児童数が増加している背景について、2章では不登校になりやすい子供の特徴について解説してきました。
ここからの3章では、中学生の不登校の学年別の原因について解説していきます。
中学生の不登校の学年別の原因は以下のように分類できます。
- 中学1年生:環境の変化に適応できない
- 中学2年生:燃え尽き症候群、周りとの比較
- 中学3年生:受験、進学など将来への不安
それでは一つ一つ解説していきます。
3-1:中学1年生
中学1年生の不登校の原因になりやすいのが、環境の変化に適応できないという要因です。
中学1年生は、小学校から始めて中学校に入学し、子供たちは様々な環境の変化に対応していくことになります。
そのため、2章で解説したような特徴を持つ子は環境の変化にうまく対応できない場合が多く、そのまま不登校になってしまう可能性があります。
また、中学1年生で不登校になってしまった子は7月~9月の間に不登校になる割合が高いことが分かっています。
4月に入学し、環境に適応しようと頑張ったものの疲れてしまい夏季休暇の前後で不登校になってしまうことが多いのだと考えられます。(※2)
※2「不登校に関する実態調査 ~平成18年度不登校生徒に関する追跡調査報告書~」より
3-2:中学2年生
次に中学2年生で不登校になってしまう原因です。こちらは主に以下の2の原因が考えられます。
- 勉強や部活などで燃え尽き症候群
- 自分への焦り、周りとの比較
中学2年生になると子供たちは部活や委員会などで中心的な役割を果たしていくことになります。
その役割を果たし切ったところで燃え尽き症候群となり、やる気がなくなって不登校になってしまう場合があります。
また、この時期は成績なども気になり始める時期です。
また、先ほど説明したように部活動などでも中心的な役割を担う時期でもあります。
その中で自分の思うような結果が出せなかったり、周りとの比較で悩んでしまうとそれがストレスになり不登校になってしまう場合があります。
このケースでも2章で解説したような特徴を持つ子が持たない子に比較し不登校になる可能性が高いと言えます。
3-3:中学3年生
最後に中学3年生で不登校になってしまう要因として挙げられるのが受験、進学など将来への不安です。
この学年では受験が間近に迫り、子供たちも自分の進学や将来について考え始める時期です。
その時に、成績が伸び悩んだり思うような結果が出ていないと子供たちは大きなストレスを抱えてしまいます。
また、2章で解説したようなプライドが高い子や感受性の強い子は周りと自分の状況を比較し、さらに不安になってしまうことがあります。
このような受験、進学などの将来への不安がこの時期に不登校になってしまう大きな要因となっています。
後ほど詳しく解説しますが、中学生で不登校になってしまうようなお子さんの場合は、通信制高校に進学することも一つの選択肢として考えることをおすすめします。
ご両親からすれば「普通の高校に通わせたい」と思われるかもしれませんが、普通高校に進学すると不登校が悪化することも多いのです。
そのため、無理なくマイペースに通える通信制高校も、選択肢の一つとして考えてみてください。
詳しくは、4章で解説します。
いかがでしょうか。
この章では中学生が不登校になってしまう原因について学年別に解説してきました。
もちろん、これらの原因は全ての不登校の子供に当てはまるわけではありませんが、お子さんの学年に当てはめて不登校となってしまった原因を考えてみる材料にはなるのではないでしょうか。
では、次章ではお子さんが不登校になってしまったときに親や周囲が解決に向けて出来ることについて解説していきます。
ここまでの原因と併せてお読みいただき、不登校解決の手掛かりにして頂ければと思います。
4章:中学生の不登校の解決に向けて親がすべきこととは?
ここまで1章では、中学生の不登校児童数が増加している背景について、2章では不登校になりやすい子供の特徴について、3章では中学生の学年別不登校の原因について解説してきました。
ここからは、実際にお子さんが不登校になってしまった際、その解決のために周囲ができることについて解説していきます。
今現在お子さんの不登校に悩んでおられる方はぜひこの章をお読みいただきお子さんとの関わり方を考える機会にして頂ければと思います。
中学生のお子さんの不登校解決に向けて親がすべきこととして以下の8点が挙げられます。
- 子供と向き合って話を聞く
- 子供に無理強いしない
- 子供の興味のある分野を伸ばす
- 子供の自己肯定感を高める
- 子供と将来に向けて話し合う
- 家庭環境を整える
- 学校に信頼できる人をつくる
- 支援施設を頼る(子供に居場所をつくる)
それでは一つ一つ解説していきます。
4-1:子供と向き合って話を聞く
まず、お子さんが不登校になってしまったときに一番最初にして頂きたいのがお子さんと向き合って話を聞くということです。
不登校になってしまったお子さんは自分自身でも心に不安を抱えています。
その状態で親から「学校へ行かないの?」などと言われてもとても受け入れられません。
そこで、まずはお子さん自身の気持ちを言葉にしてもらうことが大切です。
そのためにも、親御さんはお子さんに言葉をかけるのではなく、しっかりと向き合ってお子さんの話を聞いてあげるようにしましょう。
もしお子さんが親と話したくないという雰囲気であれば、まずは1日5分で良いのでお子さんと向き合うためだけの時間を作ってあげてください。
その時間は片手間ではなくお子さんのみと向き合うようにしてあげましょう。
親が自分の話を聞いてくれそうだと感じると、子供も話してみようかな?という気持ちになる場合が多くあります。
お子さんが、話してくれるようになったら注意して頂きたい点が3つあります。
- 否定しない
- 説得しない
- ただ興味を持って子供の話に耳を傾ける
先ほど説明したように大事なことはお子さん自身の気持ちを言葉にしてもらうことです。
そのため良かれと思ってアドバイスしてもお子さんの心理状態によっては
「やっぱり話を聞いてくれない」
「自分のことを分かってくれない」
という気持ちになってしまう場合があります。
お子さんの話を聞くときはただ興味を持ってお子さんの話に耳を傾けるということを意識しておきましょう。
4-2:子供に無理強いしない
次に、お子さんが不登校になってしまった際に気を付けて欲しいのが、子供に無理強いしないということです。
大切なお子さんが不登校になってしまうと、多くの親御さんがなんとか学校に行かせなければと思ってしまいます。
しかし、2章の最後でも少し触れたように、子供によってはこの不登校期間が成長や自身を見つめ直すために必要な期間である場合があります。
そのため、子供が行きたくないのに学校に無理やり行かせることは不登校の根本的な解決のためにはかえって逆効果になる場合があります。
お子さんが不登校になってしまった場合は、まずは「4-1」でお伝えしたようにお子さん自身の気持ちをしっかりと聞いてあげ、決して無理強いはしないようにしましょう。
4-3:子供の興味のある分野を伸ばす
次に、不登校解決に向けてして欲しいことが、お子さんの興味のある分野を伸ばすということです。
これは勉強に限らず、お子さんの興味があることや好きなもの、趣味など何でも構いません。
お子さんが熱中しているものがあればそれを親も一緒に楽しんでみたり、知識を深められるように促してあげましょう。
例えば、音楽好きなお子さんであればコンサートに連れて行ってあげるとか、生き物が好きなお子さんであれば動物園に行くとか、そのようなことで大丈夫です。
大切なことはお子さん自身が楽しんで過ごせるということです。
お子さん自身が楽しんで過ごすことで不登校になってしまった心の傷が癒え、前向きな気持ちが戻ってくる場合があります。
また、そうやって過ごす中で、例えば音楽の勉強をもっとしたいから、音大を目指してみようかな?とか、生物について知識を深めたいので学校復帰してもっと勉強しようかな?とかお子さん自身が新たな目標を見つけられるかもしれません。
このように学校の勉強と一見関係ない趣味などを楽しむことも、実は不登校解決のための近道となる場合があります。
お子さんが好きなことを見つけられるように、通信制高校に進学するのもおすすめです。
なぜなら、一部の通信制高校では不登校や引きこもりのお子さんが好きなこと、興味のあることを見つけられるように様々なコースが用意されているからです。
好きなことを見つけたいお子さんにおすすめなのが以下の通信制高校です。
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-
高卒資格がゴールじゃない。なりたい大人になるための学校。
KTCおおぞら高等学院の特徴 - 自分の個性や興味に合わせて 3つの学科から選べる!
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興味を追求する「みらい学科」には、プログラミング、ネイル、マンガなどの専門コースがあり、
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大学進学コース、アメリカ大学進学コース、ニューヨークダンス留学コース、通学ゼロで夢を追いながら高卒資格取得を目指すコースなどがあり、
「海外に行きたい」
「レベルの高い大学に進学したい」
「やりたい夢がある」
といったお子さんに向いています。
資料請求は無料ですので、ぜひ一度検討してみてはいかがでしょうか?
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週5日通学するコースから、通学日数を自分で選択できるコースまであるため、お子さんに無理のない範囲で通学させ、マイペースに学習しながら高校生活を送りたいという場合に向いています。
詳しくは、公式HPからご確認ください。
4-4:子供の自己肯定感を高める
次に、お子さんの不登校解決に向けてして頂きたいのが、お子さんの自己肯定感を高めるということです。
「4-1」でお伝えしたように、不登校になってしまうと子供自身も心に不安を抱えて自己肯定感が低くなってしまいがちです。
このような心理状態では学校復帰や別の道を探ることも困難になります。
そこで、ぜひお子さんの自己肯定感を高めるような働きかけをしてあげてください。
自己肯定感とは例えば以下のような感情のことです。
「自分はやればできる」
「親は自分がどんな状態でも愛してくれる」
まずは、親御さんは、お子さんがどんな状態であれ大切なわが子に代わりないということを言葉や態度で示してあげましょう。
その際はここまでの4章で解説してきたこともぜひ参考にしてください。
また、「4-3」で解説したようにお子さんの興味のある分野を伸ばしてあげて、ほめてあげるというのも子供の自己肯定感向上に繋がります。
お子さんの自己肯定感が高まると、
「多少失敗しても親は自分を見捨てたりしない」
「うまくいかなくても次回は大丈夫」
と思えるようになり、学校復帰やその他の道にも進んでみようかなという前向きな気持ちがでてきます。
この前向きな気持ちは不登校解決のためにとても重要な第一歩となります。
4-5:子供と将来に向けて話し合う
お子さんの中に少し前向きな気持ちが出てきた際にして頂きたいのが、お子さんと将来に向けて話し合うということです。
中学生という時期は子供が徐々に大人になっていく時期でもあり、子供自身が大きく成長する時期でもあります。
また、1章や3章で解説したように将来への不安が不登校の原因となっている場合も多くあります。
ぜひ、この機会にお子さんが本当にやりたいことは何なのか、将来なりたいものはあるのか、そしてどうしたら夢を実現していけるのか親子で話し合ってみましょう。
そこで、例えば学校復帰するのではなく、海外に留学したいとか、高校は専門性のあるところに行きたいとかお子さん自身の希望が分かる場合もあります。
また、お子さんにまだ漠然とした希望しかない場合でも、親が自分の将来について真剣に話し合ってくれるということは子供にとって大変嬉しいことでもあります。
ぜひ、この機会にお子さんの将来について親子で真剣に話し合ってみることをお勧めします。
そうすることで、お子さんごと、ご家庭ごとの不登校解決の道が見えてくるはずです。
お子さんの将来に対する考えによっては、前述のように通信制高校に進学し、のびのびと高校生活を送らせるということもおすすめです。
普通の高校への進学という進路にとらわれず、お子さんと十分に話し合ってみてください。
4-6:家庭環境を整える
ここまでは主にお子さんとの向き合い方についての解説でしたが、ここからは親御さん自身に行動して頂きたいことをお伝えしていきます。
お子さんの不登校解決のため、まず第一に家庭観環境を整えてあげましょう。
実は、子供の不登校の原因として家庭環境もその大きな要因となっていることが分かってします。
実際の調査データで中学生の不登校のうち30.9%もの子が、家庭環境が原因で不登校になってしまっていることが分かりました。(※1)
※1「平成30年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」より
家庭内に例えば以下のような問題がある場合は先にそちらの問題を解決するようにしましょう。
- 家庭内不和
- 両親からの愛情不足・過干渉
- 兄弟間格差
- 親子関係の問題
- 家庭環境の急激な変化
(※詳しくは「不登校 原因」で解説しています)
このような家庭内の問題が落ち着くと、お子さんの心も安定し、そのまま不登校解決につながる場合もあります。
4-7:学校に信頼できる人をつくる
次に、お子さんの不登校解決のために親御さんにして頂きたいのが、学校内に信頼できる人をつくるということです。
不登校の解決方法として学校復帰を目指す場合やお子さんに学校復帰の意思がある場合は、学校内に信頼できる人を作っておくことで復帰がスムーズにいくケースが多くあります。
学校内の人は例えば以下のような人々のことです。
- 担任の先生
- 保健室の養護教諭
- 心理カウンセラー
- 信頼できる友人
これらの誰か一人、または複数の人と事前にお子さんについて情報共有し、学校復帰後も見守ったり継続的な支援を受けられるようにしておきましょう。
そうすることで、復帰後に何か気になることがあればすぐに相談することができ、お子さんにとっても学校復帰への一つの安心材料となります。
ただし、お子さんによっては不登校になってしまったことで学校の先生や友人に不信感を持っている場合もありますので、これらの人と情報共有する前にはしっかりとお子さんとも話し合っておくようにしましょう。
4-8:支援施設を頼る(子供に居場所を作る)
最後に、お子さんの不登校解決のためにして頂きたいのが支援施設を頼るということです。
これまで解説してきたように不登校の原因は様々あり、家庭内だけ解決することが困難な場合もあります。
そのような際には問題を家庭内だけで抱え込まず、不登校の支援施設も活用するようにしましょう。
また、これらの施設は不登校の子供たちの学校以外の居場所として開放されている施設も多くあります。
お子さんがすぐに学校復帰することが難しい場合には、まずは学校と家庭以外の第三の居場所として支援施設に通ってみるのも不登校解決の一つの手段となる場合があります。
不登校の支援施設としては例えば以下のような施設があります。
- 適応教室
- フリースクール
- 塾・家庭教師
これらの施設については次の5章でも詳しく紹介していきますので、ご参照ください。
いかがでしょうか。
ここまで、子供の不登校解決のために周囲が出来ることについて解説してきました。
ぜひ、出来るところから実行しお子さんの不登校解決のための一歩として頂ければと思います。
では、次章ではこの記事の最後として中学生の不登校の子供にお勧めの過ごし方について紹介していきます。
繰り返しになりますが、お子さんにとって今の不登校の期間は自分の人生を見つめなおすためにとても大切な期間である場合があります。
ぜひ、この期間を親子で有意義なものとできるようここまでの記事や次章を参照に親子で話し合っていただければと思います。
5章:中学生の不登校の子供にお勧めの過ごし方とは?
ここまで、
- 中学生の不登校児童数が増加している背景
- 不登校になりやすい子供の特徴
- 中学生の不登校の学年別の原因
- 不登校解決のために周囲が出来ること
について解説してきました。
そこで、この章ではこの記事の最後として中学生の不登校の子供にお勧めの過ごし方について解説していきます。
不登校は子供によっては自分の人生を見つめなおす良い機会となる場合があります。
この期間をその後の長い人生の糧とするためにもぜひ、この章を参考に有意義な過ごし方を親子で考えて頂ければと思います。
不登校のお子さんにお勧めの過ごし方として以下の4つが挙げられます。
- 自宅学習
- 適応教室に通う
- フリースクールに通う
- 今しかできない経験をさせる
では、一つ一つ解説していきます。
5-1:自宅学習
まず、不登校のお子さんにお勧めの過ごし方が自宅学習です。
ただし、不登校になってしまった最初の頃はお子さんも勉強に対するやる気が中々でないかもしれません。
そんな時は4章を参考にお子さんが前向きになれるよう働きかけをしてあげましょう。
そして子供自身も何かしようかなと思ったときに一番初めやすいのが自宅学習です。
これは単に勉強の遅れを取り戻すという意味だけでなく、お子さんが何かに一生懸命取り組むことで心にも良い影響があります。
自宅学習の際におすすめの支援サービスとしては家庭教師や通信教育などがあります。
また、自宅学習の習慣がついてきたら塾などに通ってみるのも学校復帰の練習となるのでお勧めです。
最近では、不登校児童専門の家庭教師や塾も増えているので、もしご興味があれば調べてみることをお勧めします。
自宅学習の習慣がついていると、いざ学校へ復帰した時も勉強がストレスになることなく、スムーズに学校に馴染める可能性が高くなります。
5-2:適応教室に通う
次に、不登校のお子さんにお勧めの過ごし方が適応教室に通うという方法です。
適応教室とは教育委員会が設置している教室で、不登校の児童を集めて少人数で授業を受けられます。
学習の遅れを取り戻せるというだけでなく、自分と同じく不登校の子供たちと一緒に授業を受けることで自分だけじゃないのだと感じられ、子供の心が軽くなる場合があります。
ただし、適応教室は授業形式のため学校のカリキュラムに近い形で通うことになります。
そのため、学校の授業についていけないなどの理由で不登校になっている子供にとっては中々通い始めるハードルが高いことがありますので、その点にはご注意ください。
5-3:フリースクールに通う
次に不登校の子供にお勧めの過ごし方としてフリースクールに通うという方法があります。
フリースクールとは、不登校児童数が増えている現在、学校と家庭以外の子供たちの第三の居場所として注目されており、文部科学省もその施設運営を後押ししています。
また、一定の要件を満たすことでフリースクールに通った日数が在籍校の出席日数となり、フリースクールに通うことで元居た学校を卒業できる場合もあります。
フリースクールは様々な種類があり、まずは通いたいときだけ通う、週に3日だけ通うなど利用方法も柔軟に選ぶことができます。
また、フリースクールは不登校や引きこもりの子供たちへの支援施設であるため、学習支援の他にも、ほとんどの施設で子供にカウンセリングを行い心のケアもしてくれます。
すぐに学校に復帰が難しい場合や適応教室が合わない場合は、子供一人一人に合わせたサポートが選べるフリースクールに通ってみるのも一つの手段としてお勧めです。
フリースクールについて詳しくはこちらの記事でも解説しています。
【タイプ別】不登校のためのフリースクールの特徴や費用を徹底解説
5-4:今しかできない経験をさせる
最後に不登校の子供にお勧めの過ごし方として今しかできない経験させるという方法があります。
これは、例えば旅行、ボランティア活動、サマースクール、短期留学、地域の行事への参加、遠くの祖父母宅に泊まるなど様々なことが挙げられます。
不登校期間というとネガティブなイメージを持ってしまうかもしれませんが、お子さんにとって大切な将来の夢を見極める期間と考えると、この間に学校に通っていては出来ないような経験をさせてあげることは大変有意義なことだと思います。
もちろん、これらの経験はお子さん自身が望んでいるということが前提になります。
お子さんが前向きにやりたいことが出来るようにぜひ4章を参考にお子さんへの働きかけをしてあげましょう。
いかがでしょうか。
この章では、中学生の不登校の子供にお勧めの過ごし方として以下の4つについて解説してきました。
- 自宅学習
- 適応教室に通う
- フリースクールに通う
- 今しかできない経験をさせる
ぜひ、この章を参考にお子さんの将来のためにもこの不登校期間に出来ることを親子で話し合ってみてはいかがでしょうか。
そして、その先にお子さんごと、ご家庭ごとの不登校解決を目指していただければと思います。
まとめ
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