あなたは
「子供が不登校になってしまった」
「誰かに相談したいけど、どこに相談したら良いかわからない」
「どうすれば解決できるの?」
などの疑問やお悩みをお持ちではないですか?
お子さんの不登校について誰かに相談できる施設を知っておくと少し安心ですよね。
結論から言うと、不登校について相談できる施設は沢山あり、相談することで解決の糸口になる可能性があります。
この記事では
- 不登校について相談するメリット
- 相談できる支援施設
- 相談施設の選び方
について解説していきます。
また、実際に相談するまでの流れについても解説していきますので、ぜひ最後までご覧いただければと思います。
この記事を参考に、お子さんの
- この記事の目次
-
- 1章:不登校について相談する5つのメリット
- 1-1:気持ちが楽になる
- 1-2:第三者に話すことで不登校解決の糸口となる
- 1-3:問題を家庭内で抱え込まずに済む
- 1-4:子供自身も頼れる人・居場所が見つかる
- 1-5:専門家の支援を受けられる
- 2章:不登校の相談先5つ
- 2-1:身近な人や親戚・友人
- 2-2:学校関係機関の相談窓口
- 2-2-1:担任の先生、生徒指導担当者
- 2-2-2:スクールカウンセラー、養護教諭
- 2-2-3:特別支援教育コーディネーター
- 2-2-4:教育支援センター(適応指導教室)
- 2-3:行政機関の相談窓口
- 2-3-1:【都道府県】児童相談所
- 2-3-2:【都道府県】青少年センター
- 2-3-3:【市区町村】児童家庭支援センター
- 2-4:病院の思春期外来
- 2-5:民間の相談窓口
- 2-5-1:フリースクール
- 2-5-2:個人のカウンセリングルーム
- 2-5-3:不登校親の会
- 3章:原因別相談窓口の選び方
- 3-1:不登校のきっかけが学校にある場合
- 3-2:家庭内に問題がある場合
- 3-3:子供自身が問題を抱えている場合
- 3-3-1:病気や発達障害
- 3-3-2:非行
- 3-3-3:無気力
- 3-3-4:生活習慣の乱れ
- 4章:不登校について相談するまでの流れ
- 4-1:学校関係機関の場合
- 4-2:行政機関の場合
- 4-3:病院
- 4-4:その他民間団体
- まとめ
1章:不登校について相談する5つのメリット
お子さんがある日突然不登校になってしまうと親としてとても心配な気持ちになりますよね。
不登校について誰かに相談したいけど、本当に相談して良いのか分からないという方も多いと思います。
そこで、この章では不登校について相談する5つのメリットについてお伝えしていきます。
実は、不登校の問題解決には周りの支援がとても大切になってきます。
ぜひ、問題を家庭内や親御さんだけで抱え込まず誰かに相談してみてくださいね。
不登校について相談する5つのメリットは以下の通りです。
- 気持ちが楽になる
- 第三者に話すことで解決の糸口となる
- 問題を家庭内で抱え込まずに済む
- 子供自身も頼れる人・居場所が見つかる
- 専門家の支援を受けられる
では、一つ一つ解説していきます。
1-1:気持ちが楽になる
不登校について誰かに相談する最初のメリットは「気持ちが楽になる」という点です。
不登校の子供を抱えた親御さんもまた、心にストレスを抱えていることがほとんどです。
誰かに相談したり、話を聞いてもらうだけでも親御さんの気持ちが楽になり、またお子さんに向き合おうという気力が湧いてくることがあります。
親御さんの気持ちが安定した状態でお子さんに向き合うことで、不登校のお子さんにも良い影響がでることもあります。
親子ともに心が安定した状態になることが出来れば、不登校解決のための具体的な行動を考え始めることができます。
このように、不登校について相談することは親子両方の気持ちを楽にしてくれるというメリットがあります。
1-2:第三者に話すことで不登校解決の糸口となる
不登校について誰かに相談する第二のメリットは、相談することで不登校解決の糸口になる場合がある、という点です。
誰かに相談することで、例えば
- 親子間だけでは気が付かなかった不登校の原因が見えてくる
- 親が解決のために行動することで子供の気持ちも変わってくる
など、様々な変化が出てくる場合があります。
このように、相談をきっかけに不登校問題が解決に向かう場合も多くあります。
不登校の早期解決のためにも、不登校になってしまった初期段階で誰かに相談することは大きなメリットがあります。
1-3:問題を家庭内で抱え込まずに済む
不登校について誰かに相談することの第三のメリットは、「問題を家庭内だけで抱え込まずに済む」という点です。
不登校の解決のためには、家庭内だけでなくお子さんに関わる様々な施設の協力が必要と言われています。
不登校について相談し、問題を家庭内だけで抱え込まないようにすることは不登校解決のためにも大きなメリットとなります。
また、不登校問題については,両親や誰か一人だけで解決しようとすると共倒れになってしまう可能性があることが分かっています。
今まさに不登校問題で困っている方はすぐにでも誰かに相談してみることをお勧めします。
1-4:子供自身も頼れる人・居場所が見つかる
不登校について相談する第四のメリットは「子供自身も頼れる人や居場所が見つかる」という点です。
例えば、学校の先生やスクールカウンセラーに相談した場合、自分の不登校について知ってくれている人、気にかけてくれる人が学校内にいる、ということで子供自身も少しだけ登校に対するハードルが下がります。
また、学校以外の支援施設でも相談を受け付けている場所が多くあります。
そのような施設の中でお子さんに合う施設があれば、そこが学校以外のお子さんの居場所となり、不登校期間中も社会とのつながりを保てる大切な居場所となります。
不登校について相談することで、お子さん自身にも「助けてくれる人がいる」「自分にも居場所がある」という認識が生まれると不登校解決のための第一歩となる可能性があります。
1-5:専門家の支援を受けられる
不登校について相談する第五のメリットは「専門家の支援を受けられる」という点です。
不登校の相談施設にはそれぞれに専門家がおり、様々なアドバイスをしてくれます。
また、相談施設同士で相互に協力しあっていることも多いので、お子さんに合った支援が受けられる施設の情報を教えてくれたり、必要な専門スタッフを紹介してくれたりもします。
例えば、相談先に長年不登校問題に対応してきたスペシャリストがいれば今まで気が付かなかった不登校解決の道筋を示してくれるかもしれません。
他にも、心理カウンセラーなどの専門家から支援を受ければ、今現在不登校になってしまっているお子さんの心のケアをしてくれるかもしれません。
このように、不登校について一度どこかに相談することで、様々な施設や専門家からの支援を受けられるようになることは大きなメリットだと思います。
いかがでしょうか。
1章では、不登校について相談する5つのメリットについてお伝えしてきました。
不登校について誰かに相談することはたくさんのメリットがあることがお分かりいただけたかと思います。
では、次章では具体的な相談先についてお伝えしていきます。
2章:不登校の相談先5つ
1章では不登校について誰かに相談するメリットについて解説してきました。
少し誰かに相談してみようかなと思われた方もいらっしゃるでしょうか。
そこで、この章では、具体的な相談先についてお伝えしていきます。
不登校について相談できる相談先は大きく分けて以下の5つです。
- 身近な人や親戚・友人
- 学校関係機関の相談窓口
- 行政機関の相談窓口
- 病院の思春期外来
- 民間の相談窓口
では、一つ一つ解説していきます。
2-1:身近な人や親戚・友人
相談先として真っ先に思いつくのが身近な人や親戚、友人ではないでしょうか。
これらの人たちには思い立った時にすぐに相談できるというメリットがあります。
ただ、専門家ではないので専門的なアドバイスは受けられないという点は注意しましょう。
一方で、身近な人たちは家庭内の問題についても親身に聞いてくれることが多いので、相談するメリットは大きいと考えられます。
子供の不登校について少し誰かに話を聞いて欲しい、気持ちを楽にしたいという時にはぜひ身近な人に相談してみましょう。
2-2:学校関係機関の相談窓口
次に相談先として考えられるのが、学校関係機関の相談窓口です。
お子さんが通っている学校であれば、お子さんの学校での様子なども知っているので相談しやすいかと思います。
また不登校が解決した後も様子を見てくれたり、お子さんを気にかけてもらえるので相談するメリットは大きいと考えられます。
学校関係機関の相談窓口としては以下の4つが挙げられます。
- 担任の先生、生徒指導担当者
- スクールカウンセラー
- 養護教諭、特別支援教育コーディネーター
- 教育支援センター(適応指導教室)
では一つ一つ解説していきます。
2-2-1:担任の先生、生徒指導担当者
学校の相談先として真っ先に思いつくのが担任の先生や生徒指導担当の先生ではないでしょうか。
特に担任の先生はお子さんの普段の様子を知っているので相談しやすいと思います。
また、学校によっては生徒指導担当の先生が不登校の生徒に対しても家まで迎えに来てくれるといった支援をしてくれている場合がありますので、担任の先生を通して確認してみても良いでしょう。
担任の先生に相談しておくことで、保護者と先生の間で情報共有が出来るようになれば、お子さんが学校に復帰した後でも継続的な支援が受けやすくなります。
また、不登校の原因が学校に合った場合も担任の先生と二人三脚で問題解決に向けて動くことをお勧めします。
ぜひ、情報共有のためにもまずは担任の先生に相談してみてはいかがでしょうか。
2-2-2:スクールカウンセラー、養護教諭
次に学校の相談窓口としてよく挙げられるのがスクールカウンセラーです。
スクールカウンセラーとは、学校内で心理学の知識を持ち子供たちの心のケアなどを行ってくれるスタッフです。
業務内容として子供へのカウンセリングの他に保護者との面談も行っています。
お子さんが学校復帰後に、まずは教室ではなくスクールカウンセラーのいる相談室に登校するといった事例も多くあります。
このような場合には、事前にスクールカウンセラーと保護者が面談しておくことで情報共有ができ、お子さんの学校復帰がスムーズになる場合があります。
まずは相談室登校から、と考えている場合はぜひ一度お子さんの不登校についてスクールカウンセラーに相談してみましょう。
ただし、学校によってはスクールカウンセラーがいないところもあるので利用したい場合は一度担任の先生に確認してみましょう。
養護教諭とはいわゆる保健室の先生です。
保健室も、相談室と並んで、不登校の子が学校の教室以外で過ごす場所として挙げられることが多くあります。
保健室登校から始める場合は、ぜひ養護教諭とも一度面談をして情報共有の体制を作っておくことをお勧めします。
2-2-3:特別支援教育コーディネーター
次に学校の相談窓口として挙げられるのが、特別支援教育コーディネーターです。
特別支援教育コーディネーターとは、発達障害や疾患を抱えて通常のクラスで授業を受けるのが難しい児童の支援をしてくれるスタッフです。
学校内外の支援施設との連携などをサポートしてくれます。
お子さんの不登校の背景に障害や病気などがありそうな時は、特別支援教育コーディネーターに相談してみるのもお勧めです。
この場合は学校内に特別支援教育コーディネーターがいるかどうか担任の先生に確認してみましょう。
2-2-4:教育支援センター(適応指導教室)
次に学校関係の相談窓口として挙げられるのが教育支援センターです。
こちらは適応指導教室と呼ばれることもあり地域によって名称が異なりますのでご注意ください。
この施設は学校内ではなく、地域の教育センターの中などにあり、主に不登校の子供たちに対しての学習面やカウンセリングでの心のケアなどの支援を行っています。
その業務内容の中には保護者からの相談への対応も含まれており、90%以上の施設で行われています。
令和元年5月13日文部科学省「教育支援センター(適応指導教室)に関する実態調査」結果より
https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2019/05/20/1416689_002.pdf
また、こちらの施設は教育員会の管轄する施設のため、在籍校と連携して、この施設にお子さんが通うことで在籍校の出席扱いになることも多いようです。
お子さんが在籍校に通うのが難しい場合はこちらの施設に相談し、通ってみるのも選択肢の一つになるかと思います。
教育支援センターは教育委員会が設置している教育センターという施設内にあることが多いです。
もし利用を検討する場合は以下のHPを参考にお住いの近くの教育センターに問い合わせてみることをお勧めします。
都道府県・政令指定都市・中核市教育センター一覧
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kenkyu/1225078.htm
いかがでしょうか。
ここまで、学校関係の相談窓口について解説してきました。
学校はお子さんが長く時間を過ごしている場所でもあるため、普段からのお子さんの様子が分かっているという点で相談しやすい施設かと思います。
ただし、お子さんによっては不登校になった時点で学校への不信感を持っている場合もあるので、実際に相談するときはお子さんの心理面にも配慮するようにしてあげましょう。
次に、学校以外の相談窓口についてお伝えしていきます。
2-3:行政機関の相談窓口
学校関係以外の不登校の相談窓口として、まず行政機関の相談窓口が挙げられます。
行政機関の相談窓口としては以下の3つが挙げられます。
- 【都道府県】児童相談所
- 【都道府県】青少年センター
- 【市区町村】児童家庭支援センター
では、一つ一つ解説していきます。
2-3-1:【都道府県】児童相談所
まずは、都道府県が設置している児童相談所です。
こちらは不登校に限らず子供に関する様々な相談を受け付けています。
児童相談所にはカウンセラーや医療関係者、児童福祉士などの専門スタッフがおり、お子さんの必要に応じて様々な支援を受けることができます。
また、保護者からの相談にも対応しており、専門のスタッフが相談に乗ってくれて必要なアドバイスをしてくれます。
さらに、お子さんの様子や必要に応じて他の支援施設の情報なども提供してくれる場合があります。
ただし、相談に行く際は予約が必要なことが多く、今すぐに相談に行くということは難しい場合が多いです。
多くの施設では事前に電話で面談の予約を摂る必要がありますので、気になるようであれば以下のHPを参考に、お近くの児童相談所に問合せしてみることをお勧めします。
全国児童相談所一覧|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/zisouichiran.html
2-3-2:【都道府県】青少年センター
次に都道府県が設置している青少年センターです。
ここは、子供や若者の支援をしたり地域の様々なイベントなどを行っている施設です。
不登校についての相談にも対応しており、小中学生などの子供から30代くらいの若者までの不登校・ひきこもりなどの様々な相談に乗ってくれます。
保護者からの相談も受け付けていますので、気になる場合は施設に問い合わせてみましょう。
また、施設によっては電話相談も受け付けているところがありますので、詳しくはお近くの青少年センターを調べてみることをお勧めします。
「都道府県名 青少年センター」で検索するとお近くの青少年センターが検索できます。
2-3-3:【市区町村】児童家庭支援センター
次に児童家庭支援センターです。こちらは市区町村が設置している相談窓口で、地域の子供に関する様々な相談に対応しています。
こちらは児童相談所をサポートする施設として設置されており、必要に応じて児童相談所や児童福祉施設などへの紹介もしてくれます。
保護者からの子供に関するあらゆる相談を受け付けているので気になるようであればお近くの施設に問合せしてみましょう。
また、電話や対面での相談が可能な施設もあるようです。
「地域名 児童家庭支援センター」で検索するとお近くの児童家庭支援センターが検索できます。
ただし、東京都では子供家庭支援センターという名称で運営されているのでご注意ください。
いかがでしょうか。
ここまで、行政機関の相談窓口についてお伝えしてきました。
学校に相談しても中々不登校が解決に向かわないという場合は、行政の窓口に相談してみても良いかもしれません。
また、多くの行政窓口では匿名での相談も可能なので、周りに知られたくないなどの事情がある場合は学校よりも先に相談してみても良いかもしれません。
では、次に病院の相談窓口について説明していきます。
2-4:病院の思春期外来
一部の病院では思春期外来が設置されています。
不登校の原因として思春期が関係することも多いといわれています。
思春期外来では情緒不安定や不登校、摂食障害など思春期の子供の様々な相談を受け付けています。
こちらは基本的にはお子さんと保護者が同伴で受診する形になります。
また、学校や行政機関と異なり基本的に費用がかかる点にも注意が必要です。
専門医の元での治療が必要な場合や、医師によるカウンセリングを受けたい場合はこのような思春期外来を利用してみても良いかもしれません。
ただし、お子さん自身も一緒に受診する必要があるので、受診前には親子でしっかりと話し合っておく必要があります。
また、病院なので受診前には予約が必要になります。
病院によっては人気で予約が取りづらい可能性もあるので、利用したいと考えている場合は一度予約状況について病院に問い合わせてみることをお勧めします。
2-5:民間の相談窓口
では、最後に民間の相談窓口について説明していきます。
こちらは学校や行政機関と違い、完全に民間団体が運営している施設が多いです。
そのため、不登校について第三者視点での相談ができ、解決のための方法が見つかる場合もあるかもしれません。
また民間の相談窓口には不登校問題に長年取り組んできたスペシャリストが在籍している場合が多いので、学校や行政機関に相談しても解決しなかった場合でも解決策を見つけてくれる場合があります。
お子さんの不登校がどうしても解決しない場合や不登校に対する手厚いサポートを希望する場合はこれらの施設に相談してみても良いかもしれません。
民間の相談窓口としては例えば以下のような施設があります。
- フリースクール
- 個人のカウンセリングルーム
- 不登校親の会
2-5-1:フリースクール
フリースクールとは、不登校の子供たちへの支援施設です。ここでは、不登校の子供たちに向けて学習支援やカウンセリング、体験学習やイベントなど施設ごとに様々な取り組みを行っています。
最近では、不登校の子供たちの学校以外の貴重な居場所として文部科学省もフリースクールへの支援を行うようになってきました。
また、多くのフリースクールでは保護者に対しても面談やカウンセリングを行い、お子さんの様々な問題に対する相談に乗っています。
最近では、在籍校と連携することで、子供たちがフリースクールに通うことで在籍校の出席認定が取れる制度も整ってきました。
不登校のお子さんが学校以外の施設に通ってみたいとか、学校以外で相談できる場所を探している場合は、フリースクールへの相談も検討してみてはいかがでしょうか。
2-5-2:個人のカウンセリングルーム
次に個人のカウンセリングルームなどの施設です。
こちらは、心理カウンセラーや児童福祉士などの資格を持った個人が運営している場合が多く、まず最初に保護者からの相談に乗っていることが多いようです。
カウンセリングルームでは学校や行政の相談窓口とは違い、1回の相談に多くの時間を取ってくれる施設も多いようです。
ただし、フリースクールやカウンセリングルームは民間団体のため相談は有料の場合もあります。
気になる施設がある場合にはまずはHPや問い合わせで相談に乗ってもらえるか確認するようにしましょう。
その際に、費用についても確認しておくことをお勧めします。
2-5-3:不登校親の会
次に不登校親の会です。
こちらはフリースクール等が運営している場合と保護者自身が運営している場合があります。
こちらでは、同じ不登校の子を持つ親同士が相談しあえる環境になっています。
不登校を解決できた先輩保護者や今現在子供の不登校で悩んでいる保護者同士で情報交換できるため、親御さんも「自分の子供だけじゃない」ということが分かり、気持ちが楽になる場合があります。
また、実際の経験談や利用した施設についても情報共有できるので不登校解決に向けた具体的な方法を知ることが出来る可能性があります。
ただし、親の会に所属しているのはあくまで一般の親御さんのため専門的なアドバイスなどはしてくれない点には注意が必要です。
いかがでしょうか。
民間の相談窓口も様々な種類があることがお分かりいただけたかと思います。
民間団体に相談するメリットは、
- 学校などと違い完全に第三者視点で相談に乗ってもらえること
- 施設によっては長年不登校問題に取り組んでいたスペシャリストが在籍していることがあり、そのような専門家の手厚い支援が受けられること
など多くあります。
一方で民間団体の施設の場合、学校や行政機関とは異なり相談費用が掛かる場合もあるので、相談前にはその点を確認しておくことが必要です。
ここまで、不登校の相談窓口について解説してきました。それぞれの窓口に特徴があることがお分かりいただけたかと思います。
では、次章ではお子さんの不登校の原因別に、どの相談施設を利用するべきか、相談施設の選び方について解説していきます。
3章:原因別相談窓口の選び方
ここまで、不登校について相談するメリットと具体的な相談先施設について解説してきました。
この章では、不登校の様々な支援施設の中からどのように相談する施設を選べばよいかを、不登校の原因別に解説していきます。
ぜひ、この章を参考にお子さんや家庭の事情に最も合う相談施設を選んでいただければと思います。
不登校の原因別のお勧めの相談窓口は以下の通りです。
- 不登校のきっかけが学校にある場合
→学校関係機関、第三者である民間団体
- 家庭内に問題がある場合
→身近な人、問題が深刻な場合は行政機関
- 子供自身が問題を抱えている場合
→学校関係機関や病院、行政機関、民間団体
では、一つ一つ解説していきます。
3-1:不登校のきっかけが学校にある場合
まずは、不登校の原因やきっかけが学校にある場合です。
これは例えば以下のようなケースが考えられます。
- 学校での人間関係が原因
- いじめ
- 成績不振
このように不登校の原因が学校に合った場合にはまずは、学校関係機関に相談することをお勧めします。
担任の先生などに相談することで、特に小学校低学年などの内は先生が友達関係の調整役になってくれる場合もあります。
またいじめが原因の場合でも先生から注意してもらうことで解決する場合もありますので、学校との連携は重要だと考えられます。
ただし、子供自身が学校や担任の先生に不信感を抱いている場合や,何度相談しても問題が解決しない場合などは、第三者の機関である民間団体への相談も検討しても良いかもしれません。
民間団体は学校とは独立した機関のため、新たな視点から不登校を解決に導いてくれる場合もあります。
また、一定の要件を満たせば民間のフリースクールに通うことで在籍校の出席認定をとり、卒業することも可能なので、学校に通わずに卒業することもできます。
お子さんが学校復帰を目指す場合もそうでない場合もフリースクールであれば、どちらの支援も行っている施設がほとんどなので一度相談してみてはいかがでしょうか。
3-2:家庭内に問題がある場合
次に、不登校の原因として家庭内に問題がある場合です。
実は不登校は家庭内の問題もその原因となることが分かっています。
家庭内の問題としては例えば以下のようなものがあります。
- 厳しすぎるしつけ、または緩すぎるしつけ
- 家庭内不和
- 家庭内暴力
このような家庭内の問題がある場合は、不登校よりも先にそちらの問題を解決することが重要です。
このような問題がある場合の相談先としては、まずは身近な人が挙げられます。
例えばご自身の親や親戚、親しい友人などに家庭内の問題を聞いてもらい解決に向けたアドバイスをもらっても良いと思います。
ただし、問題が深刻な場合には専門の行政機関などに頼り早期の解決を目指すことをお勧めします。
家庭内が安定していない状態ではお子さんの心も不安定なままで、不登校解決のための行動を起こすことは難しいと考えられます。
ぜひ、このような問題がある場合にはそちらの解決を優先するようにしましょう。
3-3:子供自身が問題を抱えている場合
次に子供自身が問題を抱えている場合です。
子供自身の問題とは具体的には以下の4つに分類できます。
- 病気や発達障害
- 非行
- 無気力
- 生活習慣の乱れ
では、それぞれについて解説していきます。
3-3-1:病気や発達障害
お子さんの不登校の背景に病気や発達障害が隠れていそうな場合は、まずは適切な支援や治療を受けることが重要です。
実は最近の不登校の児童数増加の背景には、子供自身が抱える病気や発達障害などの特性も一つの原因としてあるといわれています。
このような場合は思春期外来などの専門病院への相談を検討しましょう。
また、病気や障害のために学校での学習に支障が出ている場合は学校内の特別支援教育コーディネーターに相談しても良いでしょう。
特別支援教育コーディネーターに相談することでお子さんに合わせた学習環境を整えるサポートをしてもらえます。
3-3-2:非行
次にお子さん自身に非行などの傾向がある場合です。
非行まで行かなくても例えば
- 深夜徘徊
- 未成年飲酒、喫煙
などがある場合がここに当てはまります。このような場合には、まずは担任の先生や生徒指導担当の先生に相談してみましょう。
ただし、学校はあくまで教育機関のため学外の非行や深夜徘徊などにどこまで対応してくれるかは学校ごとに異なります。
非行が目立つような場合には、重大な犯罪に巻き込まれる前に早期に行政機関に相談することをお勧めします。
ただし、行政機関でもお子さんの事だけを24時間見てくれるわけではないので、行政機関に相談しても解決しない場合には民間団体への相談も検討しても良いでしょう。
民間団体の例えば全寮制のフリースクールなどは、お子さんを親元から預かり集団で寮生活することでお子さんの生活面すべてをサポートしてくれます。
親元では非行や不登校といった行動を起こしていた子でも、第三者であるフリースクールのスタッフが間に入ることで問題行動が収まっていく場合もあるようです。
お子さんに不登校以外にも非行などの問題がある場合は民間団体の利用も検討してみることをお勧めします。
3-3-3:無気力
次にお子さんに無気力な傾向がある場合です。
これは例えば、
- 学校に行く気が起きない
- 勉強に対するやる気が起きない
- 好きなことも楽しめない
といった状態の事です。
不登校の初期段階ではこのような状態になる子も大勢います。
ここで大切なことは無理やり学校に行かせようとしないことです。
不登校の解決には早期の対応が重要ですが、お子さん自身が心にストレスを抱えた状態で無理やりに学校に行かせても根本的な解決にはなりません。
このような場合には、まずは学校のスクールカウンセラーや養護教諭などに相談し、学校内に教室以外にもお子さんの居場所を作ってあげることが重要です。
保健室登校や相談室登校が出来るようになれば、そこから少しずつ教室への登校もできるようになる可能性があります。
また、学校へは行きたくないけれど何かしら社会との接点をもたせてあげたい場合は民間のフリースクールも検討しても良いかもしれません。
フリースクールは学校以外の子供たちの日中の居場所という機能も持っています。
そこでフリースクールのスタッフと話したり、ゲームをしたり、やる気がでれば学習したりといった活動をすることで不登校の期間中でも社会とのつながりを持つことが出来ます。
このように社会との接点を持っておくことは、いざ学校へ復帰しようと思ったときの復帰をスムーズにしてくれる可能性があります。
3-3-4:生活習慣の乱れ
最後にお子さん自身に生活習慣の乱れがある場合です。
実は、不登校期間が長期にわたっている子供たちの中には、学校へ行きたくても朝起きられないという子供が多くいることが分かっています。
この朝起きられない原因は、日中に寝て深夜に活動するという昼夜逆転生活です。
このように生活リズムが乱れていると不登校期間が長引いてしまう可能性があります。
生活習慣が乱れている子におすすめの相談先は病院や生活習慣すべてのサポートをしてくれるフリースクールです。
実は生活習慣の乱れの背景には起立性調節障害という病気が隠れている場合があります。
この病気が原因で朝起きられない場合には病院で適切な治療をすることで朝起きられるようになる可能性があります。
お子さんが朝起きられない原因が病気の場合には病院の受診を検討しましょう。
一方、病気が原因ではなく朝起きられない場合には、生活面のサポートをしてくれるフリースクールに相談することがお勧めです。
特に、先ほど3-3-2でも出てきた全寮制のフリースクールでは、お子さんを預かって寮で共同生活することで生活リズムの改善もサポートしてくれます。
親御さんが何度言っても朝起きられないなどの場合にはフリースクールも検討してみることをお勧めします。
いかがでしょうか。
ここまで、不登校の原因別相談窓口の選び方についてお伝えしてきました。
ぜひ、この章を参考にご家庭やお子さんに合った相談窓口を選んでいただければと思います。
では、次章では実際に相談窓口を利用する際の手順について解説していきます。
4章:不登校について相談するまでの流れ
ここまで、不登校について相談するメリットと実際の相談窓口、そして相談窓口の選び方について解説してきました。
そこでこの章では、実際に相談窓口に不登校についての相談をするまでの流れについて説明していきます。
相談窓口の利用方法は大きく分けて4つあります。
- 学校関係機関の場合
- 行政機関の場合
- 病院の場合
- 民間団体の場合
では、それぞれについて解説していきます。
4-1:学校関係機関の場合
まず、学校関係機関に相談する場合です。この場合多くのケースではまず担任の先生に相談することになります。
担任の先生に電話などで連絡を取り、相談、その後各関係者や施設へ取り次いでもらうというのが一般的な流れになります。
担任の先生以外の例えばスクールカウンセラーや養護教諭に相談したい場合も、まずは窓口となってくれる担任の先生に問い合わせてみることをお勧めします。
ただし、お子さんが担任の先生に不信感を持っている場合などはしっかりとお子さんと話し合ってから先生に連絡を取るか、もしくはスクールカウンセラーなどに直接連絡を取る方法もあります。
また、在籍校に連絡を取りづらい場合は教育委員会が管轄している教育センターなどに連絡を取る方法もあります。
ご家庭の事情に合わせて臨機応変に対応しましょう。
都道府県・政令指定都市・中核市教育センター一覧
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kenkyu/1225078.htm
4-2:行政機関の場合
次に行政機関に相談する場合です。
行政機関には児童相談所・青少年センター・児童家庭支援センターなどがあります。
この場合には施設ごとに連絡先が異なりますのでご自身で連絡先を調べる必要があります。
多くの行政機関ではまずは電話で相談の予約をし、後日施設を訪問して対面で相談という流れになります。
また、一部の施設では電話相談やメールでの相談も受け付けている場合がありますので、利用したい場合はお近くの施設はどのような相談方法があるのか調べておくことをお勧めします。
注意点として、これらの相談機関は、電話受付の日時が決まっている場合もあるので問合せ前に一度利用したい施設のHPなどで調べておきましょう。
全国児童相談所一覧|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/zisouichiran.html
青少年センター|都道府県
「都道府県名 青少年センター」で検索するとお近くの青少年センターが検索できます。
児童家庭支援センター|市区町村
「市区町村名 児童家庭支援センター」で検索するとお近くの児童家庭支援センターが検索できます。
ただし、東京都では子供家庭支援センターという名称で運営されているのでご注意ください。
4-3:病院
次に病院に相談する場合です。
病院の思春期外来を利用する場合は一般的な病院の受診と同じく受診予約をし、受診という流れになります。
ただし、思春期外来では予約・問い合わせ可能な日時が指定されている病院もあるようなので、まずは受診したい病院のHPで予約・問い合わせ可能日時を確認することをお勧めします。
また、病院によっては人気で予約を取れるのも数か月後という場合もあるので、病院を利用しようと考えている場合には早めに動き始めることをお勧めします。
4-4:その他民間団体
最後に、その他の民間団体に相談する場合です。
民間団体にはフリースクールや個人のカウンセリングルーム、不登校親の会などがあります。
これらは施設によっても相談までの流れが異なりますが、一般的には問合せ・資料請求をしてから無料電話相談などを行い、面談日を決めて面談という流れが多いようです。
また、施設によっては電話相談でも料金がかかる場合もありますので、資料請求やHPなどで価格については事前に調べておくことをお勧めします。
いかがでしょうか。
この章では、それぞれの相談施設ごとに相談するまでの流れについて説明してきました。
どちらの施設でも最初は問合せから始めることが多いようです。
不登校について誰かに相談することに最初は抵抗があるかもしれません。
しかし、その一歩を踏み出すことで解決の糸口になる可能性があります。
今現在お子さんの不登校に悩んでいる方は、ぜひこの記事を参考にお子さんやご家庭に合った施設へ不登校について相談してみてはいかがでしょうか。
まとめ
不登校について誰かに相談することで解決の糸口になる
不登校についての相談先は大きく分けて5つ
- 身近な人や親戚・友人
- 学校関係機関の相談窓口
- 行政機関の相談窓口
- 病院の思春期外来
- 民間の相談窓口
不登校の解決のためにも、問題を家庭内だけで抱え込まず、適切な相談施設を利用しよう。
不登校の相談窓口一覧
【学校関係】
- 担任の先生、生徒指導担当者
- スクールカウンセラー、養護教諭
- 特別支援教育コーディネーター
- 教育支援センター(適応教室)
都道府県・政令指定都市・中核市教育センター一覧
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kenkyu/1225078.htm
【行政機関】
- 児童相談所
- 青少年センター
- 児童家庭支援センター
全国児童相談所一覧|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/zisouichiran.html
青少年センター|都道府県
「都道府県名 青少年センター」で検索するとお近くの青少年センターが検索できます。
児童家庭支援センター|市区町村
「市区町村名 児童家庭支援センター」で検索するとお近くの児童家庭支援センターが検索できます。
ただし、東京都では子供家庭支援センターという名称で運営されているのでご注意ください。
【病院】
- 思春期外来
【民間団体】
- フリースクール
- 個人のカウンセリングルーム
- 不登校親の会