あなたは
「小学生の子供が不登校になってしまった」
「小学生が不登校になる原因ってなに?」
「不登校解決のための方法が知りたい」
といった疑問やお悩みをお持ちではないですか?
大切なお子さんが不登校になってしまうととても心配ですよね。
結論から言うと、
小学生の不登校の原因は主に3つに分けられます。
そして、不登校になりやすい子供の特徴も判明しており、お子さんの不登校解決のために親や周囲が今すぐ取れる行動もあります。
この記事では
- 小学生が不登校になる原因
- 不登校になりやすい子の3つの特徴
- 小学生の学年別不登校の原因
- 不登校解決のために周囲ができること
について解説していきます。
また、不登校解決に向けてぜひ知っていただきたい支援施設の種類と利用するメリットについてもお伝えしていきますので、ぜひ最後までご覧いただければと思います。
この記事を参考に、
- この記事の目次
-
- 1章:小学生の144人に1人は不登校!その背景とは?
- 1-1:環境の変化
- 1-1-1:両親(主に母親)と長時間離れるストレス
- 1-1-2:規律正しい集団生活を送るストレス
- 1-1-3:友人関係の変化によるストレス
- 1-2:学業不振
- 1-2-1:集中力が持たず、勉強についていけない
- 1-2-2:テストの点数で比較される
- 1-3:病気、発達障害などの特性
- 2章:不登校になりやすい子の3つの特徴とは?
- 2-1:①感受性が強い
- 2-2:②プライドが高い
- 2-3:③気が弱い
- 3章:小学生の不登校の学年別原因とは?
- 3-1:小学校低学年(1-2年生):環境の変化、母子分離不安
- 3-2:小学校中学年(3-4年生):対人関係、学習面での遅れ
- 3-3:小学校高学年(5-6年生):思春期、親への反抗
- 4章:小学生の不登校解決に向けて親ができることは?
- 4-1:子供と向き合って話を聞く
- 4-2:子供に無理強いしない
- 4-3:子供の興味のある分野を伸ばす
- 4-4:子供の自己肯定感を高める
- 4-5:家庭環境を整える
- 4-6:学校に信頼できる人をつくる
- 4-7:支援施設を頼る(子供に居場所を作る)
- 5章:不登校解決の支援施設4つと利用するメリットとは?
- 5-1:学校
- 5-2:適応教室
- 5-3:フリースクール
- 5-4:塾・家庭教師
- まとめ
1章:小学生の144人に1人は不登校!その背景とは?
お子さんが不登校になってしまうと親としては心配な気持ちでいっぱいになりますよね。
実は小学生の不登校の児童数は平成24年度から増加の一途をたどり、平成30年度の調査ではその数が全国で44、841人となりました。(※1)
これは小学生全体の0.7%に当たる数字で、144人に1人は不登校という結果となっています。
※1「平成30年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」より
では、小学生の不登校児童数がどうしてここまで増えてきているのでしょうか?
1章では小学生の不登校児童数が増えてきた背景を以下の3つの観点から解説していきます。
それでは、一つ一つ解説していきます。
1-1:環境の変化
まずは、小学校入学による環境の変化についてです。
小学校に入学するとそれまでの保育園や幼稚園とは全く違った生活を送ることになります。
ここでは子供にかかる環境変化のストレスを以下の3点に分類して解説していきます。
- 両親(主に母親)と長時間離れるストレス
- 規律正しい集団生活を送るストレス
- 友人関係の変化によるストレス
では、一つ一つ見ていきましょう。
1-1-1:両親(主に母親)と長時間離れるストレス
まず、小学校入学時の子供にかかる最も大きなストレスが両親(主に母親)と長時間離れることです。
それまで当たり前に毎日一緒に過ごしていた母親と長時間離れることになると、多くの子供は不安を抱えるようになります。
そのほとんどの子は徐々にその環境に適応していけますが、中には不安感が大きくそのまま登校できなくなり、不登校になってしまう子供もいます。
実際に、小学校低学年で不登校の子は、入学直後の4月~6月から不登校になってしまう子が最も多いことが分かっています。(※2)
※2「不登校に関する実態調査 ~平成18年度不登校生徒に関する追跡調査報告書~」より
1-1-2:規律正しい集団生活を送るストレス
次に、規律正しい集団生活を送るストレスです。
それまでの環境とは違い、小学校に入学すると決まった時間に登校し、毎日決まった席に座ってみんなと同じように授業を受けることになります。
大人でも全く知らない環境に適応するまでにはストレスがかかりますが、子供もそれは同じで、この規律を守った集団生活に慣れるまでにはかなりのストレスがかかります。
この規則を守る、集団生活を送るという環境が大きなストレスとなって不登校になってしまう場合があります。
1-1-3:友人関係の変化によるストレス
環境変化によるストレスとして最後に考えられるのが、友人関係の変化によるストレスです。
小学校ではそれまでの幼稚園や保育園よりもクラスの人数が増え、さらにクラスには基本的に担任の先生が1人、もしくは副担任がついて2人態勢になります。
保育園、幼稚園では人数毎に一定のスタッフが見守ってくれていましたが、小学校に入学すると先生が見ていない場面も格段に増えてきます。
その中で新たな友人関係を築くことは子供にとって大きなハードルとなることがあります。
特に繊細な子やプライドが高い子は最初の友達作りに失敗すると自分の殻に閉じこもってしまい、その後の友人関係もうまくいかなくなってしまう場合もあります。
また、うまく友人関係を築けてもその後に友人間でトラブルがあったりいじめなどがあったりすると、それが原因となり不登校になってしまう場合があります。
実際に、不登校の子供に関する調査で小学生の不登校児童の14%がいじめを含む、学校における人間関係に問題を抱えていることが分かっています。
子供にとって友人関係の変化は不登校に直結する原因となることもあるようです。
※1「平成30年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」より
1-2:学業不振
次に、小学生の不登校児童が増えている背景として挙げられるのが学業不振です。
小学生が学業不振に陥ってしまう主な原因としては以下の2つが挙げられます。
- 集中力がもたず、勉強についていけない
- 成績で比較されることへのストレス
では、一つ一つ見ていきましょう。
1-2-1:集中力が持たず、勉強についていけない
小学校に入ると、主に黒板を使って授業を受けることになります。
最初はもちろん先生もゆっくりと子供のスピードに合わせて授業をしてくれますが、集中力が持たないと板書が間に合わなかったり、宿題を忘れてしまったりして徐々に勉強についていけなくなる場合があります。
こちらも多くの子は徐々に対応していけるようになりますが、それまで集中して授業を受ける環境になかった子供たちにとってかなり大きいハードルと言えます。
勉強についていけなくなると、授業を聞いていても全く分からずさらに集中力が落ち、よりついていけなくなるという悪循環に陥ってしまいます。
全く分からない授業を長時間座って聞かなくてはならない環境は子供にとっても大きなストレスとなり、不登校の原因となる場合があります。
実際に不登校の小学生の16.3%が成績が良くないとか進路への不安といった学業・進路へ不安から不登校になってしまっていることが調査により分かっています。(※1)
※1「平成30年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」より
1-2-2:テストの点数で比較される
次に、子供が学業不振に陥ってしまう原因として成績によって比較されること自体がストレスになっている場合があります。
それまではテストなどはなかったのに、小学校に入学すると初めてテストを受けてその点数で成績がつき比較されることになります。
そのことが子供にとって大きなストレスとなる場合があります。
良い成績が取れなかったとか、親の期待にこたえられなかったという挫折を感じると、勉強したくないという気持ちになってしまい、さらに成績が落ちるという悪循環に陥ってしまう場合があります。
そうなると、先ほどの集中力が持たないケースと同様に分からない授業を聞いていることが苦痛となり不登校になってしまう場合があります。
1-3:病気、発達障害などの特性
最後に、小学生の不登校児童が増えている背景として考えられるのが病気、発達障害などその子が他の子と違う特性を持っている場合です。
不登校は病気や経済的理由以外での長期欠席と定義されていますが、実はその中には見つかっていないだけで病気や障害を抱えた子供がいる場合もあることが分かってきました。
実際に、不登校の小学生についての調査では全体の6割以上の子に不安や無気力などの傾向があることが分かりました。(※1)
※1「平成30年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」より
不登校の原因となる病気や障害は例えば以下のようなものがあります。
- うつ病
- 不安症
- 精神疾患
- 起立性調節障害
- 発達障害
また、病気や障害ではありませんが、最近ではHSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)も不登校の原因となる場合があると言われています。
これは周囲の刺激に対して他の人以上に敏感に反応してしまうような特性をもった人の事です。
周囲に気づかれていなくてもこれらの病気や特性を持った子は不登校になってしまう場合があります。
いかがでしょうか。
ここまで、小学生の不登校児童数が増加してきている背景について
- 小学校入学による環境の変化
- 学業不振
- 病気、発達障害などの特性
の3つの観点から解説していきました。
しかし、
その両者の違いはいったいなんなのでしょうか?
そこで、2章では不登校になりやすい子供の3つの特徴について解説していきます。
ぜひこのまま読み進めてみてください。
2章:不登校になりやすい子の3つの特徴とは?
1章では小学生の不登校児童数が増えてきている背景について解説してきました。
しかし、同じような背景を持った子でも不登校になる子とならない子がいます。
両者の違いとはいったい何なのでしょうか?
そこで、2章では不登校になりやすい子の特徴について解説していきたいと思います。
不登校になりやすい子の特徴として挙げられるのが以下の3点です。
- 感受性が強い
- プライドが高い
- 気が弱い
では、一つ一つ解説していきます。
2-1:①感受性が強い
まず、不登校になりやすい子の特徴として挙げられるのが感受性が強いということです。
このタイプの子は周りの様々な子の感情をダイレクトに感じてしまう傾向にあり、人の目を気にしてしまいます。
このような子が小学校に入学すると、不安感が大きくなりやすく、1章で解説したような環境の変化にうまく対応できないことがあります。
また、友人関係のトラブルに巻き込まれたときも他の人以上に感情をダイレクトに揺さぶられてしまうので、些細なトラブルでも不登校に陥りやすい傾向にあります。
2-2:②プライドが高い
次に、不登校になりやすい子の特徴として挙げられるのがプライドが高いということです。
このような子は、自分の失敗を許せないため、失敗したくないと強く思ったり、失敗した時には自分を強く責めてしまうという傾向があります。
また、このような子が小学校に入学し、テストの点などで比較されたときに自分で納得ができないとそれが大きなストレスとなってしまう場合があります。
それまでの環境とは違い、多くの子供たちが集まる小学校では、自分より出来る子も多くいるためプライドが高い子は劣等感を抱えやすくなってしまう場合があります。
2-3:③気が弱い
最後に、気が弱いという特徴を持つ子です。
このような子はたとえ自分の意志とは違うことでも周囲に合わせてしまう傾向にあります。
その傾向が過度になると、本来の自分を見失い学校生活がストレスになってしまいます。
また気が弱いという特徴を持っていると不安やストレスを抱えていても、両親を心配させたくないという気持ちが先行して親にそれらの不安を伝えられない場合もあります。
そうなると抱えているストレスを吐き出すことができず、ある日突然不登校に陥ってしまう場合があります。
いかがでしょうか。
2章では不登校になりやすい子供の特徴について解説してきました。
実は、これら特徴を持つ子供にとって不登校は悪いことではなく、むしろ自分を見つめ直したり、環境の変化に対応するために必要な期間の場合もあります。
不登校の解決は学校復帰だけがゴールではありません。
むしろ現在の不登校期間をお
そのための親子関係の築き方については4章もご参照ください。
それでは、次章では小学生の不登校の学年別の原因について解説していきます。
お子さんの学年に合わせた不登校の原因になりやすい要因について解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
3章:小学生の不登校の学年別原因とは?
ここまで1章では、小学生の不登校児童数が増えている背景について、2章では不登校になりやすい子供の特徴について解説していきました。
次に、この3章では小学生の学年別に不登校の原因となる要因について解説していきます。
2章の不登校になりやすい特徴を持つ子がどのような原因をきっかけにして不登校に陥ってしまうのか、ぜひこの章を参考にお子さんが不登校になってしまった要因について理解を深めてみましょう。
小学生の学年別の不登校の原因は以下の3つの期間に分けて考えることができます。
- 小学校低学年(1~2年生)
- 小学校中学年(3~4年生)
- 小学校高学年(5~6年生)
では、それぞれの時期について解説してきます。
3-1:小学校低学年(1-2年生):環境の変化、母子分離不安
小学校低学年の子供が不登校になってしまう原因として最も多いのが環境の変化や母子分離不安といったストレスです。
環境の変化によるストレスとは、1章でも解説したように小学校入学に伴いそれまでの日常生活が一変してしまうことに対するストレスです。
みんなに合わせて朝決まった時間に登校し、授業を受けるといった基本的な学校生活のルールを守ることが最初は苦痛になる子供も多くいます。
そこで環境の変化にうまく対応できないような2章で解説した特徴を持つ子供は不登校になってしまう場合があります。
また、小学校低学年の場合、母子分離不安も不登校の大きな原因となることが知られています。
これは、それまで毎日一緒に過ごしてきた両親(特に母親)と離れることへの不安が大きい子供に見られる不登校の要因です。
安心安全な母親と離れ、良く知らない小学校という場所に通い始めることで多くの子供たちが最初は不安を抱えています。
そこでうまく環境になじめないと不安感がより大きくなり、朝登校できず、そのまま不登校になってしまうことがあります。
3-2:小学校中学年(3-4年生):対人関係、学習面での遅れ
次に、小学校中学年での不登校になってしまう要因です。
こちらは対人関係、学習面での遅れなどが原因となる場合が多いようです。
小学校中学年になると、それまで集団で遊んでいた子供たちも仲の良い何人かのグループが出来るようになります。
そこでより親密な付き合いをするようになり、些細なトラブルも起きるようになってきます。
そこで、2章で解説したような特徴を持つ子供は少しのトラブルでも繊細に傷ついてしまい、そのまま不登校になってしまう場合があります。
実際の統計でもいじめ以外の学校の友人関係のトラブルが原因で不登校になってしまった子は小学生で21.7%もいることが分かっています。(※1)
※1「平成30年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」より
また、小学校中学年になるとそれまでよりも勉強も難しくなり、学習面での遅れが出てくる子もいます。
このような場合にも2章で解説したようなプライドの高い子や感受性の強い子は、テストの点に過剰に一喜一憂してしまい自分へのストレスを深めてしまう場合があります。
実際に学業や進路への不安で不登校になってしまった小学生は16.3%いることが分かっています。(※1)
※1「平成30年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」より
3-3:小学校高学年(5-6年生):思春期、親への反抗
最後に、小学校高学年で不登校になってしまう要因として挙げられるのが、思春期や反抗期を迎えるということです。
この時期は多くの子供たちが自分の身体の成長や心の成長に敏感になり、友人との些細な違いがきになってきます。
その時期に心理面で発達が早い子または遅い子は特に他人との違いが気になってしまい、それがストレスになる場合があります。
2章で解説したような特徴を持つ子の場合は、さらにその傾向が高くなり知らず知らずのうちに大きなストレスを抱えて、ある日突然不登校になってしまう場合があります。
また反抗期に入ると、それまでは優等生だった子でも親に反発するようになり、家庭内にトラブルが起きてしまう場合があります。
この傾向はしつけに厳しい厳格な親や逆にしつけをほとんどしないような緩い親の場合にその傾向が高まることがあるようです。
また、家庭内に両親の不和や不倫といった他の問題がある場合には、それが不登校のきっかけになってしまう場合も多くあります。
そのような家庭内の問題がある場合は不登校よりも先にそちらの解決を優先するようにしましょう。
いかがでしょうか。
この章では、小学校の学年別に不登校の原因となりやすい要因について解説してきました。
もちろんこの要因がすべての子供に当てはまるわけではありませんが、この中にお子さんに当てはまりそうな要因があった場合はまずはそちらの解決を目指してみても良いかもしれません。
では、次に4章として具体的な不登校解決に向けて親や周囲が出来ることについて解説していきます。
ぜひ、ここまでの原因と併せてお読みいただき、お子さんやご家庭にあった不登校解決の参考にして頂ければと思います。
4章:小学生の不登校解決に向けて親ができることは?
ここまで、
- 小学生の不登校児童数が増えている背景
- 不登校になりやすい子供の特徴
- 小学生の学年別不登校の原因
について解説してきました。
そこで、ここからはお子さんの不登校解決に向けて具体的に親として何ができるのかについて解説していきます。
2章でも少し触れていますが、不登校解決は学校復帰だけがゴールではありません。
大切なことは
ぜひ、この章を参考にそれぞれのご家庭やお子さんに合った方法で不登校解決を目指していただければと思います。
小学生の不登校解決に向けて親ができることは大きく分けて以下の7つがあります。
- 子供と向き合って話を聞く
- 子供に無理強いしない
- 子供の興味のある分野を伸ばす
- 子供の自己肯定感を高める
- 家庭環境を整える
- 学校に信頼できる人をつくる
- 支援施設を頼る(子供に居場所を作る)
では、それぞれについて解説していきます。
4-1:子供と向き合って話を聞く
まず、お子さんが不登校になってしまった時に最初にして頂きたいのが、お子さんと向き合って話を聞くということです。
不登校になってしまったお子さん自身も大きな不安やストレスを抱えています。
その気持ちを言葉に出して吐き出してもらうだけでもお子さんの心が軽くなる場合があります。
もしも、お子さんが親と話したくないという様子であれば、まずは1日5分だけでいいのでお子さんだけと向き合う時間を作ってみてください。
その時間は片手間ではなく、お子さんだけと向き合うようにしましょう。
親がしっかりと自分の話を聞いてくれそうだと子供が感じると、少しずつ話をしてくれることもあるようです。
お子さんが話をしてくれるようになった時の注意点として以下の3点があります。
- 子供の話を否定しない
- 説得しようとしない
- ただ興味を持って話に耳を傾ける
親御さんが良かれと思ってアドバイスしようとしても、お子さんの心が前向きになれない内は「自分の話をしっかり聞いてくれない」「やっぱり親はわかってくれていない」と感じてしまう場合があります。
繰り返しになりますが、大切なことはお子さん自身の気持ちを言葉にしてもらうことです。
しっかりと子供の話に耳を傾けてあげるようにしましょう。
4-2:子供に無理強いしない
次に、お子さんの不登校解決のために大切なことはお子さんに無理強いしない、ということです。
大切なお子さんが不登校になってしまうと、最初は親として何とか学校に行ってくれないかと思うこともあると思います。
しかし、お子さんが不登校になるまでには周囲からは分からない深い葛藤があったはずです。
そこを理解しないままにただ「学校へ行きなさい」という態度で接すると、お子さんが心を閉ざしてしまう可能性があります。
まずは、4-1で解説したようにお子さんの心の不安や葛藤に耳を傾けてあげるようにしましょう。
もちろん、時期が来たら「学校へ行ってみたら?」の声かけは有効な場合があります。
ただし、この場合もお子さん自身の中に学校へ行ってみようかな?という気持ちがない場合は逆効果になりますので、しっかりとお子さん自身の様子を把握したうえで声掛けを行うようにしましょう。
いずれにせよ、子供自身が望んでいないことを無理やりやらせることは不登校解決のためには遠回りになってしまう、という点に注意しておきましょう。
4-3:子供の興味のある分野を伸ばす
お子さんには何か興味があること、趣味などはありませんか?
不登校になってしまうと学校へ行かせなければとばかり考えてしまうかもしれませんが、2章でもお伝えしたようにお子さんによってはこの期間が将来のために必要な大切な期間の場合があります。
親として心配な気持ちもよくわかりますが、この機会に学校に行っていては出来ないような様々な経験をさせてあげることも実はお子さんの不登校解決に繋がります。
例えば、お子さんに1人旅をさせてみるとか地域のイベントやボランティア活動に参加させるといったことでも大丈夫です。
大切なことはお子さん自身が望んでやりたいことをさせてあげるということです。
もしお子さんのやりたいことが分からない場合は普段から好きなもの、お子さんが興味のあるものを思い出してみてください。
例えば乗り物が好きなら鉄道博物館に、音楽が好きならオーケストラのコンサートなどに行ってみたりしても良いですね。
お子さんの興味のある分野について沢山の経験や知識を与えてあげることで、お子さん自身の「もっと知りたい」という気持ちが出てくると、「学校へ行って鉄道の歴史について勉強してみようかな」とか「ピアノの先生になるために音楽の勉強をしてみようかな」とかお子さん自身が将来について前向きに考え始めることがあります。
お子さんにこのような気持ちが芽生えることは不登校解決に向けた大きな一歩となります。
4-4:子供の自己肯定感を高める
不登校になってしまった子は自分自身に深い劣等感を抱えているケースも多くあります。
そんなお子さんに対して、ぜひしてあげて欲しいことがお子さんの自己肯定感を高める、ということです。
自己肯定感とは、例えば以下のような気持ちです。
- 自分ならできる
- 何もしなくても自分は愛されている
- 不登校でも親は自分を愛してくれている
このような自己肯定感が高まると、少しの失敗をしても大丈夫という気持ちになり例えば「学校復帰してみようかな」とか「趣味に打ち込んでみようかな」とかお子さんに前向きな気持ちが芽生えることがあります。
お子さんの自己肯定感を高めるためには、ここまで4章で解説してきたように
- 子供の話をしっかりと聞く
- 子供に無理強いしない
- 子供の興味のある分野を伸ばす
という取り組みがとても有効です。
それに加えて、たとえ少しくらい失敗したりしても親御さんはお子さん自身を愛している、ということを言葉や態度で伝えてあげましょう。
また、お子さんが前向きに何かに取り組み始めたらしっかりと目を向けてほめてあげましょう。
これを繰り返すことで子供の自己肯定感を高めていくことができます。
自己肯定感を高めることは、お子さん自身が自分を大切にすることにも繋がります。
自分を大切にできるようになれば、それが、将来について前向きに考え始めるきっかけにもなります。
4-5:家庭環境を整える
次に、親御さんにして頂きたいのが、家庭環境を整えるということです。
実は、家庭内に不登校以外にもトラブルがあると、それが不登校の原因となってしまうことがあります。
実際の調査データで小学生の不登校のうち55.5%もの子が家庭環境が原因で不登校になってしまっていることが分かりました。(※1)
※1「平成30年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」より
子供が不登校になってしまう家庭環境とは例えば以下のようなものがあります。
- 家庭内不和
- 両親からの愛情不足・過干渉
- 兄弟間格差
- 親子関係の問題
- 家庭環境の急激な変化
不登校の原因は4つ!学年別の原因・対処法と7つの解決策を解説
家庭内にこのような問題がある場合は、不登校よりもまず先にそちらの問題の解決をするようにしましょう。
家庭内の問題が解決し、お子さんの心が落ち着くとそのまま不登校も解決に向かう場合も多くあります。
4-6:学校に信頼できる人をつくる
ここまで解説してきた方法を取ることでお子さん自身が学校に復帰したいと思い始めた時に考えて頂きたいのが、学校に信頼できる人をつくるということです。
実際に、一度不登校になってしまっても学校内に信頼できる先生や友人がいると復帰してもうまくやっていける可能性が高いことが分かっています。
お子さん自身に学校復帰への気持ちが出てきたときには、まずは担任の先生に相談してみましょう。
その上で、担任の先生の他にもスクールカウンセラーや養護教諭など学校内に信頼できる大人をつくるようにします。
もちろん親しい友人がいる場合は、その子に連絡してみてもいいでしょう。
こうして学校内にお子さんを受け入れてくれる、信頼できる人を作っておくと学校復帰後もスムーズに周囲に溶け込んでいける可能性が高いです。
また、親と先生が情報共有をしておくことで学校復帰後もお子さんの継続的なサポートが受けられ安心して通わせることが出来ると思います。
ぜひ、お子さんの学校復帰前には信頼できる人を作っておくことをお勧めします。
4-7:支援施設を頼る(子供に居場所を作る)
最後に、お子さんの不登校解決のために出来ることが支援施設を頼るということです。
これはどういうことかというと、お子さんに学校と家庭以外の第三の居場所を作ってあげるということです。
お子さんによっては不登校の状態から直接学校に復帰することが難しい場合があります。
そんな時は不登校の支援施設も頼り、お子さんに居場所を作ってあげるようにしましょう。
不登校の支援施設としては例えば以下のようなものがあります。
- 学校(相談室や保健室)
- 適応教室
- フリースクール
- 塾・家庭教師
これらの施設について、詳しくは5章で解説していきます。
ここで大切なことはどの支援施設を利用するのであれ、そこがお子さんに合っているかどうか常に気を配ってあげるということです。
お子さんがこれらの施設を利用することで将来について前向きに考えられるようなきっかけとなれば、と思います。
また、これらの施設ではお子さんだけでなく、保護者にもカウンセリングや相談に乗るといった支援を行っています。
親として子供の不登校に悩んでいる場合は一度相談してみてもよいのではないでしょうか。
いかがでしょうか。
この章では、お子さんの不登校解決に向けて親として具体的にとれる行動について解説してきました。
「4-7」では不登校に対する支援施設を頼る、ということをお勧めしました。
そこで、5章ではこれらの施設の特徴や利用するメリットについて解説していきます。
お子さんの不登校を解決するには問題を家庭内だけで抱え込まないことも重要です。
ぜひ、次章を参照に支援施設の利用も検討してみることをお勧めします。
5章:不登校解決の支援施設4つと利用するメリットとは?
ここまで、
- 小学生の不登校児童数が増加している背景
- 不登校になりやすい子供の特徴
- 小学生の学年別不登校の原因
- 不登校解決に向けて親ができること
について解説してきました。
その中で、不登校解決に向けた具体的な行動として支援施設を頼ることをお勧めしました。
そこで、この章では不登校の子供に対する支援施設の特徴と利用するメリットについて解説していきたいと思います。
お子さんの
ぜひ、この章を参考にご家庭やお子さんにあった支援施設を見つけて利用を検討してみることをお勧めします。
不登校の子供に対する支援施設としては以下の4種類が挙げられます。
- 学校
- 適応教室
- フリースクール
- 塾・家庭教師
それでは、一つ一つ解説していきます。
5-1:学校
子供の不登校支援の一つ目の施設として挙げられるのが現在在籍している学校です。
こちらはお子さんの日々の様子なども知っているので比較的相談しやすいのではないでしょうか。
また、学校の先生やカウンセラーと情報共有しておくことでお子さんの学校復帰後もいろいろな場面で気にかけてもらうことができます。
お子さんが学校復帰に前向きな場合は学校を支援施設として利用してみてもよいのではないでしょうか。
また、学校に相談することでほかの支援施設の情報を得られる場合もあります。
もし、お子さんに合う支援施設が分からないといった場合にもまずは学校に相談してみても良いかもしれません。
5-2:適応教室
次に不登校の支援施設として挙げられるのが教育委員会が設置している適応教室です。
こちらは不登校の子供に特化した支援施設で、同じく不登校の子供たちとともに少人数で授業を受けることができます。
また、学校とも連携しているため適応教室で受けた授業をそのまま在籍校の出席日数とカウントすることができ、在籍校を卒業することも可能です。
ただし、時間割があったり授業を受けたりといったシステムが学校とほぼ一緒なので、もしそのようなシステムにお子さんが苦痛を感じている場合は通い続けるのが難しい場合もあります。
利用する場合は事前にお子さんとしっかりと話し合うようにしましょう。
5-3:フリースクール
次に不登校の子の支援施設として挙げられるのがフリースクールです。
こちらは学校以外の子供たちの新たな居場所として最近注目が集まっており、文部科学省もその活動を後押しする施策を進めています。
この施設の特徴として、多くのフリースクールでは不登校の子供に対してカウンセリングなどを行い心のケアをしています。
また学習支援を行ってる施設も多くあり、フリースクールに通うことで勉強することもできます。
さらに、一定の要件を満たせばフリースクールに通った日数も在籍校の出席日数とカウントすることができ、フリースクールに通いつつ在籍校の卒業を目指すことも可能です。
加えて、こちらの施設には長年不登校問題に取り組んでいた専門家が在籍していることが多く、不登校の子供一人一人に合わせたきめ細やかなサポートが受けられます。
学校や適応教室に通うことが難しければフリースクールの利用を検討しても良いかもしれません。
ただし、フリースクールは民間の団体が運営しているため、その利用には費用が掛かる場合がありますのでご注意ください。
5-4:塾・家庭教師
最後に不登校の子供の支援施設として挙げられるのが塾や家庭教師です。
不登校になると基本的に自宅学習を行うことになりますが、自宅でしっかりとお子さんの勉強を見てあげられる親御さんも多くはないと思います。
そんな時に塾や家庭教師を利用することで勉強面での遅れを取り戻せるというメリットがあります。
また、塾や家庭教師を利用することで学校と家庭以外に信頼できる大人が出来るとそれがお子さんの心の安定につながる場合があります。
最近では、不登校専門の塾や家庭教師も増えてきているので、気になる場合は一度調べてみることをお勧めします。
ただし、こちらもフリースクールと同じく基本的には民間団体が運営しているためその利用には費用がかかりますのでご注意ください。
いかがでしょうか。
この章では、不登校のお子さんに対する支援施設として
- 学校
- 適応教室
- フリースクール
- 塾・家庭教師
について解説してきました。
繰り返しになりますが、不登校の解決方法は一つではありません。
大切なことは
そのために、支援施設を適切に利用しお子さんやご家庭へのサポートを受けてみることはとても重要な一歩となります。
お子さんの不登校解決に向けてこれらの施設の利用を検討してみてもよいのではないでしょうか。
まとめ
参考文献